おいらだって釣り要員
修羅場のタックル便利から戻って来た二人が目にしたのは、さっきリューが買って来て、ミミズを付けておいた初心者用の延べ竿を口に咥え、豪快に魚を抜き上げているハスキーの姿だった。
「「うっそ!」」
いきなりで、あまりの展開に、盛大に二人でハモってしまった。
「わふ!(どうだっ!おいらだってやれば出来るんだっ!)」
凛々しい顔で、ハスキーがキメ顔をしている。
ハスキーが釣り上げた魚は、泥鰌のような蛭のような細長い魚で、体長は20cmくらいだろうか?
洞窟に住んでいるからだろうか、目が無く、ウネウネと蠢いている。
リューがウインドウを見て、魚の情報を確認してみる。
[リースゥエル]
19cm
LV3
暗い洞窟内で生き延びる為、進化の課程で視覚を捨て、嗅覚に特化した魚。
小動物や虫などを食べる他、地底湖に落ちたモンスターや、他の大型魚などに食らいつき、血を吸う事で食料が乏しい洞窟内での栄養を確保している。
骨がとても柔らかく、鱗も無いので、頭と内臓を抜いて唐揚げにすると美味。
「お、唐揚げ向きの魚か!いいね!」
リューはハスキーを撫でてあげる。
「それにしても、まさかハスキーが、魚を釣り上げるとは思ってもみなかったよ!」
「わふ!(シルカの姉ちゃんや、御主人がやってるのをずっと見てたからな!)」
誇らしげなハスキーに、リューが言う。
「よし!ハスキー!お前は延べ竿担当だ!
その釣竿はハスキーにやろう!」
「わふ!?(ホントに!?)」
いつも釣りの時には、仲間外れみたいな気がしていたハスキーは、釣りをさせてもらえることがとても嬉しくて、テンションが上がって飛び跳ねた。
「わふっ!(よーし、もっと釣るぞ!新しい餌付けて!)」
「はいはい!」
リースゥエルは群れでいるらしく、調子に乗ったハスキーが、それはもうガンガン釣り上げまくった。
唐揚げにするにはもう十分だろう。
「よーし、お仕舞いだ!昼は貰った干し肉で済ませようと思ってたけど、ハスキーが釣り上げた、このリースゥエルを料理して、ブランチと洒落込もう!」
シルカとハスキーは、やったー!とよろこんでいた。
リースゥエルの名前の由来
英語で
リーチ=蛭
スゥエル=うねる、蠢く
合わせてリーチスゥエルを少しだけ省略して、リースゥエルとしました。




