モンスターらしいモンスターに初エンカウント
リュー達一行は、フェノールの町を出発して、朝日に染まる黄金の小麦畑を今度は南の方角へと歩いていく。
ハイテンションのハスキーがはしゃぎながら先を走っていくのを二人が追って駆けて行くと、リュー達は、あの崖の磯の所まで来た。
「…ここから始まったんだ。」
二人と一匹は、巨人の長靴の先にある水平線から登っていく太陽を見ながら、風抜けの洞窟を目指して歩き始めた。
小麦畑を抜けると、そこは森林地帯で、鬱蒼とした雰囲気が漂っていた。
「ここは[ゴブリン](※1)が多いから気をつけてね…。」
出現モンスターの事を、シルカが注意を促してくれた。
そこから少し進むと、ハスキーが急にフンフンと匂いを嗅いで藪の方を見据えると、「ガルル!」と唸りだし、飛び込んだ。
「ギェ!」
と、何かの声がして、藪からハスキーがゴブリンの首筋を咥えて引きずりながら出てきた。
「ハスキー凄いわ!」
と、シルカがナデナデすると、ハスキーは嬉しそうにしながら、口に咥えたゴブリンをリューの方にポイっと渡した。
まだ微妙に息があったので、ラープシュグラディウスを使ってトドメを刺そうすると、首筋に刃を突き立てるつもりが、首がゴロンと転がってしまった。
「うわ!…な、なんて切れ味だよコレ…。」
と、ビックリしていると、レベルアップしたようだ。
リュー ヒューマン
ジョブ 釣師
LV21→22
HP282/293
MP202/211
力…84+20
敏捷性…113+50
持久力…96
魔力…103
運…27+20
スキルポイント[10]獲得
合計160ポイント
よし!と思っていると、再びスキルの項目にNEW!!の文字が点灯している。
スキル[隠密]
スキルポイント[30]で習得可能。
気配や足跡を消し相手に気付かれにくくなる。
背後をとったり、すり抜けていくのに有利。
うん、これは所得しておいた方が良いな!…と、画面を押す。
そう言えば、最近海神からの一言がないな…、まぁ、いいけど。
「ゴブリンの死骸って、貨幣交換出来るのかな?」
…と、リューが試してみると、なんと日本円で2000円程になったので交換しておく。
「ハスキー、辺りにモンスターはまだいるか?」
「…わふ。(…いないみたいだ御主人。)」
「よし、慎重にいこう。
先頭をハスキー、匂いで探知しながら、先制攻撃をとれそうならやってくれ。
シルカが真ん中、ハスキーが討ち漏らしたら頼む。
僕が後衛で、バックアタックを警戒しておく。」
「わかったわ!」
「わふっ!(ガッテン!)」
リュー、シルカ、ハスキーは、フォーメーションを維持したまま慎重に進んで行く。
そのまま森を30分ほど道なりに進んだだろうか?
時折ゴブリンや、猪のようなモンスターが、遠くからこちらを見ていたが、接触してくる事はなく、無事、シリウスが言っていた[風抜けの洞窟]の入り口まで辿り着いた。
「これが、その風抜けの洞窟か…、確かに洞窟の奥から風が吹いて来ているな。」
内部からは、コウモリの鳴き声のようなものが聴こえてくる。
「うわ、こっわ!元の世界にいたら、絶対に入らないし、近づきもしない、断言する!」
リューは怖じ気付いていたが、シルカがフフフっと笑って言う。
「でも、行くしかないからね、頑張ろう!」
そう言うと、シルカは[灯火]のスキルを発動させるのだった。
※1ゴブリン
身体1mちょっと位の小鬼のような見た目のモンスターで、基本は集団で相手を取り囲んで攻撃するが、何せ弱いので、アッサリと蹴散らされる。
エルノーラ大陸全土だと狩られ過ぎてしまったのか、絶滅危惧種。
フェノール周辺だと、「あぁ、ゴブリンね。」と、軽くシカトされる為、生息数は数は割と多いが、取り囲まれると少し面倒。
うん、本当に少しだけ。
やっと冒険らしくなってきましたね笑




