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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第二章 フェノール異世界慕情編
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大好きなシルカの家にお泊り(シルカパパ付きバリューセット)

シルカにも料理を取り分け、食べながら今後どうしようかな?…と、リューはシルカとハスキーに話しをしてみた。


「取り敢えず、明日はフェノールを観光したいな!

朝マズメ(※1)に釣りに行ってチルを稼いで、昼前から色々と回ってみたいな!綺麗な町だし色々と見てみたい!」


「一人で釣りに行ったら嫌よ!私も連れてってね?その後の観光のガイドは任せて!」


シルカは胸を張って張り切っているようだ。


食事を食べ終えた僕等が店を出ると辺りはすっかり薄暗くなっており、松明の火の照明が、フェノールの町をより幻想的に染め上げていた。

通りを歩きながら雑談をしていると、不意にシルカが聞いてきた。


「今日、リュー達は何処に泊まるの?」


そうだ…今、僕はお金を1チルたりとも持ち合わせてはいない。

シルカには、ご飯のお金も出してもらったのに更に宿代も貸してくれと言うのは僕のプライドに反していて言えなかった。


「えーと、そうだなー?町を取り巻く防壁の片隅でも野宿させてもらおうかな?

寝袋もあるし、ハスキーもそれで良いよな?」


「わふっ!(おいらは、野宿じゃなかった事の方が少ないから大丈夫だよ!)」


僕等がそう言うと、シルカはモジモジしながら言った。


「えーと、…じゃ、私の家に来る?」


好きな女の子の家に泊まるイベントが発生した模様です…。

リューは若干クラリとしたが、慌てて体勢を立て直した。


「えーっと?お邪魔じゃない?大丈夫かな?」


「うん、そんなに広くない家だけど、リューとハスキーくらいなら泊まれるよ!」


良い笑顔で言うシルカ、リューもその提案を断って野宿するくらいなら…と、決心して言う。


「じゃあ…、お邪魔しちゃおうかな?」


「うん!遠慮しなくて良いからね!」


そう言うシルカは時折見せる天使の様な笑顔で、こっちだよ!と、僕の背中を押して歩きだした。

シルカと二人きり…、うーん、なんてドラマチックな夜なんだ!と、リューもノリノリな気分でシルカの家に向かった。


…。


「どうも、シルカの父でこの町の町長をしております、シリウス=イレ=フェノールです。

いらっしゃい、シルカから君の話しは聞いていますよ。」


いや、こういう事だと思ったよ?

うん、知ってた、だってアニメで見ていた異世界ってこういう甘くない世界だもの。


それは身長190cm近くありそうな、筋肉モリモリのゴツいシルカパパとのエンカウントでした。

リューは、心のなかで、おうふ…。…と、言いながら自己紹介をした。


「は、初めまして!シルカさんに聞いていると思いますが、日本と言う異世界から海神リヴァイア様に連れて来られた海上 流視です!みんなからは、リューと呼ばれています!

こっちのハウリングウルフは僕の従魔でハスキーといいます。

本日は一夜の宿を供していただけるとの事で、大変恐縮の極みで…。」


「わ、わふっ!(お、おいらはハスキーです!)」


「いやいや…、そんなに畏まらなくて大丈夫だよ?

ハハハ、私はこんな風体だからね、初めて会う人はみんなリュー君の様な反応をするんだよ。

君は自分が極限状態に置かれた立場で、シルカにとても美味しい魚料理を出してくれたんだってね?

自分が困っている時に、他人を思いやれるなんて素晴らしいヒューマンだ。

そんな優しい人物を邪見にするのは私の流儀に反する。

何日でも、ゆっくり泊まっていきなさい。」


シルカパパは、ニコニコとハスキーを撫でながら言った。


リューはシルカパパの心の器の大きさに感動していた。

やはり町長になるべくしてなった人なんだな。

…と、感心しながら、ありがとうございます!と頭を下げた。


「リュー達の部屋は、お婆様の部屋だった所で良いかな?」


と、シルカがシルカパパに聞くと、優しい笑顔で、頷きながら言う。


「あぁ、ベッドのシーツだけは新しい物に変えてあげてくれ!」


至れり尽くせりで、リューは申し訳なさそうに言う。


「あの、本当にありがとうございます!

明日釣りに行って、美味しい魚が釣れたら持って来させて下さい!」


「いいのかい?ハハハ、それじゃ楽しみに待っているよ!それじゃ私は、水浴場(みずあみば)に行ってくるからね、ごゆっくりどうぞ。」


と、その大きな身体を揺らしながら家を出て行った。


「なんと言うか身体だけじゃなくて、心まで大きなお父さんだね…。

尊敬に値するヒューマンだと思うなー。

シルカは良いお父さんに恵まれたね!」


「わふっ!(凄い強そうなのに、撫でてくれた手が優しかった!)」


リューとハスキーがそう言うと、シルカも嬉しかったらしく、テヘヘ!と笑いながら言う。


「うん、私の自慢のお父さん!

優しくて、町のみんなに好かれていて、お父さんを褒められると、私も嬉しい気持ちになるの!」


シルカはお父さん子なんだな。

辺りを見回して思ったが、そう言えばお母さんを見かけない。

うーん、何か触れちゃいけない事情があるかもしれないな…と、シルカのお母さんの事を、リュー触れないでおいた。


「こっちだよ!」


そう言うシルカに手を引かれて行くと、およそ十畳ほどの部屋に連れていかれた。

シルカのおばあさんが生前使っていた部屋らしく、小綺麗な部屋だった。


「シルカのお婆ちゃんて、元フェノール王妃様だよね?

そんな部屋に泊めてもらえるなんて、なんか緊張するなぁ。」


「元だからねー、あんまり気にしなくても大丈夫だよ?」


シルカはシーツを変え、整えると、リューの方に向き直り、私達も水浴場に行こうか?と言ってきた。


「そういえば、シルカのお父さんが行くって言ってたね?名前から察するに水浴びをする所かな?どんな所なの?」


と、僕が言うと、シルカはエエっ!っとした顔で僕に言う。


「リューの国には水浴場はないの?身体を洗う時にはどうしてるのかな?釣りが好きだからって、海で洗ってるなんて事はないよね?」


シルカが不思議そうに聞いて来るので、リューはシルカにお風呂について説明する。


「日本では、大体どこの家にもお風呂って言うのが付いていて、お湯を沸かして入浴するんだ、身体の芯まで温まって気持ち良いんだよ。」


シルカは、へーっ!と目を輝かせた!


「いいなぁ!私、生まれてからずっと冷たい水だったから、それが普通だと思ってたよ。

お風呂かぁ…、うーん、入ってみたいなぁ。」


「わふっ。(うん、おいらも入ってみたいなー。)」


ハスキーもお風呂は嫌じゃないようで、お風呂に入ってみたいらしい。


取り敢えず今はどうしようもないので、リューとハスキーは、シルカに連れられて初めての水浴場に向けて歩き出したのだった。

※1朝マズメ

太陽が昇りかけている朝と夜の境の事。

魚の活性が上がりやすく、釣果が見込みやすいので、釣師はこの時間を狙う事が多い。

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