崖の上の景色
「うぅ、ぐ…!」
リューは、あの途轍もない崖を単身登り切り、崖の上のエッジに手を掛けた。
「リュー、上まで辿り着いたよ!大丈夫!?」
シルカが手を伸ばしてリューの腕を掴むと、後ろに体重を掛けて、リューを引きずり上げる。
「はぁっ!はぁっ!
…ふぅー、何とか…上まで…登り切ったな…!」
スキルの効果や、レベルアップによるステータスの向上があるとはいえ、50mもの崖に手刀で切り込みを入れながらよじ登って来たリューの手はボロボロで、先にシルカに抱かれて上に来ていたハスキーが近寄って来て声を掛ける。
「わふ!…わふ?(やったね!…御主人、大丈夫?)」
傷付いた手を心配そうにハスキーが舐める。
心配を掛けない様にリューは、ハスキーの頭を撫でながら呼吸を整えた。
「お疲れ様!流石にあの崖を肉体能力だけで登るのは大変だったね…。」
シルカも流石に心配そうな顔をしている。
「いや、ここを越えていく覚悟は、さっき済ませてたから問題ないよ!
んー!それにしても良い景色だね!遠くの島々まで良く見える!」
リューは、手を眼の上にかざして、遠くの島々を見つめて、あそこにはどんな魚がいるんだろう?
…とか考えてワクワクした。
「手前の方に見える二つの島は無人島で、鳥系のモンスターが多いって聞くね。
そこまで好戦的なモンスター達じゃないけど、縄張りの主張が強いみたいだよ。」
ふむふむ、と、リューは頷いて話しを聞く。
「そして、その島の右奥の方に薄っすらと大きな島が見えるでしょ?
その島が、巨人族の住む、[タイタニアード]だね。
彼らもまたヒューマンには好戦的じゃないけど、敵対したら恐ろしい程強いみたいだよ?」
「なるほど…巨人ね…、見て見たくもあり怖いから近付きたくないのもあるね。
異世界魚図鑑で見てたけど、ここはエルノーラ大陸の東側周辺だよね?
エルノーラ大陸って、どのくらい大きさがあるのかな?」
リューは、相変わらず海を眺めながらシルカに聞いてみる。
「んー、正しく言うと、エルノーラ大陸の南東側かな。
そうだねぇ、エルノーラ大陸は距離とかはよくわからないけど、私がここから反対側の海岸部に真っ直ぐ[飛翔]で飛んでいって、なんの障害も無かったとしても、向こうに着くのは、ひと月以上は確実にかかると思うな。」
[飛翔]のスピードがどれくらい出るのかわからないけど、取り敢えずもの凄く広い事は分かった。
そして…リューは、何よりもワクワクして来た!
この旅の目的を再確認する。
一つ目は、この世界を巡り、元の世界に帰れる方法を探す事!
二つ目は、この世界に住む数多いるであろう魚を釣り上げる事!
三つ目は、…シルカと一緒にいたい!
よーし…!
なんだがヤル気が出て来たぞ…。
「僕達の冒険釣行はこれからだ!」
(あ、コレ言っちゃいけないヤツだった!)
いやいや、続きますよ?
ここで、第1章は終わりです。
次!第2章へ!
よろしくお願いします。




