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釣りと幻想の物語〜僕の異世界冒険釣行〜  作者: 久保田akkun
第一章 始まりの崖の下編
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あまりに美味いと人は頭のネジが飛ぶ

一頻りリューに抱きついて興奮していたシルカだが、ハッ!っと我に返ったのか、そそくさとリューから離れ、真っ赤な顔をして俯いてモジモジしている。


「と、とりあえず、今ウィンドウで、このヘイルボルグを見てみたら、63cm、3kgだって!

僕の釣ったヘイルボルグは、40cmくらいだったから凄いなぁー!」


リューも、ドギマギしながらシルカに告げる。


「う、うん、これでヘイルボルグのお刺身食べれるね!」


「わふ!(おいらにも分けてね!)」


尻尾を凄まじい勢いで尻尾を左右に振り回すハスキーに、二人はアハハ!と笑い平常心を取り戻して、ハスキーを撫で回した。


リューは、前回、ヘイルボルグを不用意に押さえつけて危なかった事を思い出して、フィッシュグリップで磯に押さえつけて、脳天にナイフを入れ、ヘイルボルグを絞めた。


そしてLVアップを確認する。


リュー ヒューマン

ジョブ 釣り師

LV10→16

HP141/221

MP83/150

力…61+20

敏捷性…79+50

持久力…66

魔力…72

運…23+20


スキルポイント60獲得

合計110ポイント


うん!やはりサイズも良いから、経験値も良かったみたいだ。


よし!

とりあえず、ヘイルボルグの血抜きをしてしまおう。

リューは、いつもと同じ様にエラから血抜きをしながら、シルカとハスキーに説明する。


「この魚は、日本で言う九絵(クエ)って魚に似た味がするんだけれど、日本でトップクラスの高級魚で、そうそう簡単に食べれる様な魚じゃないんだよ。

僕は食べた瞬間、あまりの美味さに感涙したくらいだ。

根魚類は、大きい程に味が良いって言うし、僕の釣ったヘイルボルグより美味しいかも知れないね!」


「うわぁ…、楽しみだねっ!」


刺身を食べるのが二回目のシルカには刺激が強いかも知れないが、僕はギャフンと言わせてやる!

…と、張り切ってヘイルボルグの処理をしていく。


「わふ!(骨はおいらに頂戴!)」


ハスキーが興奮気味に言うが、骨はまたスープを出すつもりでいる。

何故なら、今回の料理は、刺身と、ヘイルボルグしゃぶしゃぶを予定しているからだ!

出汁を取った後にハスキーに食わせてやろう!


「シルカ、この辺に、酸味のある果実って何か成ってないかな?」


自家製ポン酢が作りたいのだが、柑橘系をこちらの世界で表す言葉が見つからないので、シルカに様々なリジュワルドの果実の特徴を聞き、それだ!と思う物を取ってきてもらう事にした。


何が出来るのか楽しみそうに、シルカは颯爽と崖上に飛んでいく。


その間に、血抜きを終えた僕は、すき引きし、三枚卸しにしたヘイルボルグを、薄造りにして紙皿に綺麗に盛り付けていく。


あらかた刺身作りが完了したら、炭火を起こして、少量の水でヘイルボルグのアラの一部から濃厚な出汁を取り、スチロール椀に入れて冷ましておく。

本来は、鰹節で出汁(ダシ)を取るといいんだけど、やはり、そんな物は存在していない。

出汁を取り終わったヘイルボルグのアラは、ハスキーにあげたら、ゴリゴリとオヤツ感覚で美味しそうに食べている。


そして再びタップリのお湯を沸かし、残りのアラをじっくりと煮出す。

時々出てきた灰汁(アク)は、繊細な日本料理にはよろしくないので、徹底的に排除しておく。


そんなこんなしていると、シルカが腕いっぱいに細長い柑橘系の実を持ってきたので、味見してみる。


「…うん!ビンゴだ!日本のかぼすに近い味がする!これをさっき取ってスチロール椀に入れておいたヘイルボルグの出汁に合わせるんだ。

醤油、この実の果汁と、ヘイルボルグ出汁(ダシ)を6:4:1の割合で入れる。

後は砂糖で少しカドを取るように調整したら、自家製ポン酢の完成だ!」


これで、全ての準備が整った!


さてと…。

二人と一匹揃って。


「「「いっただきまーす!」」」


…と、言うと、先ずはこの魚を釣り上げたシルカにこの刺身を食べさせてあげる。


シルカは、期待に膨らんだ目でヘイルボルグの刺身を摘み、醤油にチョンチョンとつけるとゴクリと舌を鳴らし口に放り込んだ。


「…んん!口の中にジューシーな脂が溶け出して…、薄く切った刺身が上品な食感で!

魚の味も、とても強くて…!…んんん!なんて美味しいのっ!!!」


シルカは目をギュっと閉じて下を向いて、んーーー!と唸っている!

これこれ、僕はこの反応を見たかったんだよ!


僕も食べると、やはり僕の釣ったヘイルボルグよりも上品な脂が乗っており、自然と頰に涙が伝ってしまう美味さ!

これだから釣師(アングラー)は辞められない!


ハスキーにも取り分けてあげると、ウマイ、ウマイ!と醤油無しで食べている。


「…さて、序章はここで終わりだ!

このしゃぶしゃぶ…いやさ、このラスボスを食らって悶絶するんだな!ハッハァー!」


…と、リューはテンションがMAXまで上がって叫んだ。


そしてシルカに、さっき作ったポン酢の入った紙皿を渡し、しゃぶしゃぶの食べ方をレクチャーする。

箸は使いにくそうなので、フォークにする?と聞くと、箸の使い方を覚えたい!…と、頑張って箸を使い出した。


「こう、このスープの中にだな…、この刺身を、しゃぶ、しゃぶと潜らせて、このポン酢につけて喰らう!こうだ!」


…と、訳の分からないテンションのままにシルカにレクチャーした。


しゃぶ、しゃぶ…と、スープに刺身を通した刺身が、サッと色を変え、その綺麗な刺身につい見惚れてしまう。

それをシルカが慣れない箸裁きでポン酢を付けて口に入れた瞬間!


いつも通りの、後光溢れるパァァァァァァ!っという効果音と共にとびきりの笑顔になる。


「口に入れた瞬間に…ヘイルボルグの身が、ホロっと溶けて…、ジュワッと熱せられた脂が溶け出してくる…。

それが、このポン酢って言う調味料の爽やかな酸味と織り混ざりあって…!!美味しいよぉ!!!」


完璧な答えをありがとうシルカ!


その後二人と一匹で、美味しい!美味しい!と、大量にあったヘイルボルグの全てを食べ尽くしたのでした。

ハスキーのプロフィール


年齢…5ヶ月


体高…25cmくらい


体重…大事なのは、自分の体重じゃなくて、捕まえた獲物の体重でしょ!?


特技…不協和音を発声し、怯んだ相手の喉元に飛びかかる。


性格…好奇心旺盛で、すこぶるヤンチャ。

フェノールの町で、町民にもいじめられたりする事もなく、いつもニコニコと暖かい目で見られていた為、ヒューマンに対する嫌な偏見はなく、人懐こい。


種族特徴…ハウリングウルフは3ヶ月程の短い授乳期間が終わると、人間の町などに置き去りにされる。

自分でネズミや、モグラなどの人間などの迷惑となる小動物を狩り食べる事で、人間との共生関係を築き、成獣になるまでを過ごす。

成獣になると、生まれた山奥へ戻り、互いを探し、子供を作るのを繰り返して子孫を次世代につないでいる。


ちなみに成獣も全く危険はないが、敵対すると、危険等級A A Aランクに相当するモンスターで、過去には300人編成の騎士団をたった一匹のハウリングウルフが壊滅させた事もある。


G〜SSSまでの危険等級があるが、A A Aランクの上は、この大陸にはいない巨人族(タイタニアン)のSランク。

ドラゴン族のSSランク。

魔王族のSSSランクがある。

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