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42.お泊まり会の夜は明けて

 マンガやアニメならサービス回なんでしょうけど、残念ながら文字だけで……


 投下時間を色々試していましたが、読者様の混乱を招いているようなだけになっているような気がするので、当面13時過ぎあるいは14時過ぎで固定したいと思います。


 あと、申し訳ありませんが、都合により今回は短めです。その代わり、次回は12月3日に投下予定です。


※2019/1/23 微調整しました。こちらのお風呂も近代化しました。

※2019/8/5 スマホフレンドリーに修正しました。

 そして、お泊まり会の夜が明けた。

 いつもの通り早朝に目が覚めた私は、独り、朝の套路を済ませる。

 その後はお風呂の準備。コックを(ひね)り、水道をお風呂に流れるように切り替える。そして、外の焚き口に備え付けられているボタンを押して、温水が出るようにキカイを始動した。


 お風呂の準備ができたところでリチャードさんの寝室に行き、ノックして声を掛ける。


「おはようございます。リチャードさん。お風呂の準備、できていますよ」

「ありがとう、アニーくん。先に頂かせて貰うよ」


 着替えを持ったリチャードさんがお風呂場の方に消えていくのを見送ってから、私は調理場に足を向けた。


「おはよう、アレックス。先にお風呂使う?」

「そうですね……ええ、先に使わせて頂きます。皆様が入っている間に、朝食の準備をしておきますよ、姉様(ねえさま)も皆様とどうぞ」

「ありがとう!」



              ◇   ◇   ◇



 アレックスのお風呂が終わる頃を見計らって、私は客間に行って皆を起こしに入った。


「おはよう、みんな!」

「やあ、おはよう」

「おはようさん」

「おはようございます!」


 昨日、少し夜更かしした割には、きっちり皆いい目覚めをしているようだ。


「お風呂の準備が出来てるよ。朝ご飯の前に入ってこない?」


 私の言葉を聞いて、みんなは驚きで一瞬動きが止まった。


「この館にはお風呂まであるのか。それは嬉しいな」

「ほんま、お城並やな。お城なんてよう知らんけど」

「ありがたくいただきます!」


「さすがに、それほど広くはないから、一度に入れるのは二人が限界なんだけどね。なので、まずはクリスとマリア、行ってくる? シャイラさんは悪いけどその後で、わたしと入る感じで」

「はいな」「はーい」

「ああ、わかった」


 と言う事で、まずは、クリスとマリアを連れてお風呂場へ。二人は裸になってお風呂場に入り、私は戸口からお風呂場の使い方を説明する。


「えっと、まず、今はお湯はその吐水口からちょろちょろ出るようにしてあるから、頭洗うなり体洗うなりに使ってね。手拭いはこれを。あと、そこにシャボン(石けん)があるから、使ってもいいよ。でも、もし髪に使うんだったら、少なめにした方がいいよ。使いすぎると髪が傷んじゃうから」

「シャボン……そんな大層なもん、使ってしもてええの?」

「ううう……贅沢ですけど、使っちゃいます!」

「それ、リチャードさんのお手製だから、遠慮無く使っちゃって」


 説明を終えると、私は風呂場の扉を閉めて脱衣場に戻っていった。後ろから、クリスとマリアのはしゃいだ声が聞こえてくる。


 二人がお風呂から出るまでまだ時間がありそうだったから、私は、客間のシャイラさんの所に戻ることにした。

 シャイラさんは暇つぶしにか、それとも眠気覚ましにか、軽く体操で体をほぐしているところだった。


「二人がお風呂から出るまで、ちょっと待っててくださいね」

「ああ、問題ないさ」

「そういえば、シャイラさんの国にお風呂はあったんですか?」


 私の質問を聞いたシャイラさんは、体操を中断して少し考え込む素振りをした。


「そうだね。温泉は多いかな。あとは池や川で沐浴(もくよく)する場合も多かったと思う。何しろ暑いからね」

「温泉かぁ……この辺にはあまり無いよね。火山もないし」



              ◇   ◇   ◇



 そうしているうちに、二人がお風呂から上がってきた。


「ええ風呂やったわ。おおきに!」

「気持ちよかったです。ありがとうございます!」


「それは良かったよ。じゃ、シャイラさん、今度は私たちの番です」

「ああ、行こうか」


 と言うわけで、二人でお風呂場に。

 脱衣場で裸になって、風呂場に入り、先ほどクリスとマリアにした説明を繰り返す。


「ほう、シャボンか」

「はい、お手製ですから、遠慮無く使ってくださいね」


 洗い場で体を洗っているシャイラさんを、お湯に浸かりながら、なんとなく見つめる。さすがは剣士、その体は引き締まっていて余計な脂肪なんかまるでついていない。ただ、細かな傷がそこかしこについてしまっているのが、少しもったいない。


 私の視線に気がついたシャイラさんが口を開いた。


「ああ、この傷か? 幼い頃から、騎士と同等の厳しい訓練をこなしてきたからね。でも、背中に傷がないのは少し自慢かな」

「わたしは……跡が残るような怪我は全然した事ないかなぁ」

「それが普通だと思うよ。ま、これからも、アニーくんが怪我しないように護ってみせるさ」

「うん、ありがとう!」



              ◇   ◇   ◇



 お風呂場から出ると、調理場からパンの焼けるいい香りがしてきていた。そして、アレックスが調理場から顔だけ出してくる。


「皆様、そろそろ朝食の用意ができますので、食堂にお集まりください」

「「はーい」」


 私たちは着替えを客間において食堂に入ると、既に配膳を終えたテーブルが待ち構えていた。メニューはベーコンエッグにトースト、ミルクあるいはレモンティー。アレックス、気合い入ってるな。


「「いただきまーす!」」


 皆でわいわいと賑やかな食事が始まった。人数的には普段の倍に過ぎないんだけど、アレックスもリチャードさんも、あまりわいわい言うタイプじゃないから、それ以上に賑やかさを感じるなぁ。

 食事中、リチャードさんが私に向かって今日の予定を聞いてきた。


「そういえば、君たちは今日はどうするつもりなのかな?」


 その質問に、私は少し考えてから返答する。


「そうですね……お昼ご飯をいただいたら帰ろうと思います。昼間だし、4人で帰るので、送って頂く必要はないと思います。あと、それまでは、家の中を皆に見せても構いませんか?」

「ああ、勿論構わないよ。ただ、私の書斎と工房に入るのは止めておいて欲しいかな。危ない道具もあるからね」

「はい、分かりました!」


 朝食の後、また手分けをして食器を片付ける。

 その後、アレックスは早速、作業室に籠もって衣装の製作作業に入ったようだ。


 私はシャイラさん、クリス、マリアの前に立って拳を振り上げた。


「さあって、それじゃ、見学ツアーはっじめっるよー」

「「おー!!」」

 次回予告。


 領主館の見学ツアーで色々な部屋を見て回る一行。

 最後の大物、図書室では、わたしにとって思い出の一冊を再び目にする事になってしまった。

 ――ヨクアル衣装ダヨ?ネ?ネ?


 次回「図書室にて」お楽しみに!

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