第47話 まさかの迷子なんですが。
どうしてこうなった…。
今日中に着くはずがまるでいたずらかのように迷子。
おかしいだろ…。
*
「森はここから入ればいいんだよね?」
「そうだと思うけど…」
合ってるはずだよね?
うん、あってるあってる。
「それじゃあレッツゴー!」
「にしてもリンが先頭で大丈夫か?」
「大丈夫!迷子になることはないから!」
フラグにしか聞こえねぇ…。
この後迷子になったら笑えるわ。
「何これ?人形?」
「人形ではないと思うけど」
「?」
人形サイズの小さい女の子が浮いている。
その背中にあるのって。
「羽だよな?妖精なのか?」
「!!」
少し驚くと笑顔で頭を縦に振っている。
なにか心惹かれる。
それに可愛いし。
「この子ならエルフの国の場所知っているんじゃない?」
「エルフの国への行き方を知っているー?」
「!」
頷いているってことは知っているのか。
というかしゃべらないのね。
「案内ってしてもらえる?」
「!」
小さい手でOKマークを出した。
「じゃあよろしくね」
「段々深い森になっていくのか」
だんだんと足元はでっかい根っこが浮き出てる場所になってきた。
それでもまだいけないところではない。
「森が深くなって匂いがこもったりはしないんだな」
「木が吸い取っているのかしら?とても空気がきれいだわ」
「!!」
「ん?どうした?」
何か突っついてきた。
どこか指をさしているんだけど何だろう?
「とりあえず行ってみましょうよ」
「そうだな」
「川だー!」
「随分きれいね」
森の中に川が流れていた。
けっこう深い森の中だけど何か浮いていたり汚れていたりはしていない。
「…喉乾いた」
「せっかくだし、ちょっと休憩する?」
「さんせー!」
「じゃあちょっと休むけど、君も休む?」
「!」
妖精の子も賛成のようだ。
*
「じゃあそろそろ行こうか」
「!!」
「今度はあっちの方?あっ!」
指をさすや否やさっそうと飛んで行っちゃった。
「どうする?」
「とりあえず追いましょう。何かあるのかもしれないし」
「じゃあ追いかけようか」
「どこに行ったんだ?」
「見失っちゃったねー」
って、見失ったってことは…。
「迷子、だよな?」
「…どうしましょ?来た道戻ってみる?」
「覚えている人―?」
「「「「「……」」」」」
誰もいない!
みんなもただついてきただけだった。
「ティラも?珍しいね」
「ちょっとあの子を見ていたら途中から分からなくなっちゃったのよ」
まあ綺麗な羽だったし。
それに可愛いものに弱いしな。
―※余談注意※―
最近食べる量が極端に減ってきました。
温度が上がったり下がったりしているのでまた体調を壊しそうです。




