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異世界へ飛ばされたんですが...。  作者: 銀狐
第1章 異世界転移編
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第2話 この世界について知りたいんですが。

 メランさんたちが来たほうの少し奥に行くと一人の女性が倒れていた。

 見たところ足にケガをしていた。

 それになにか黒っぽいモヤがくっついているけどなんだろう?

「うぅ…。」

 すごく痛そうに呻いている。

 これは早く処置しないと。

「他にケガをしているところはありますか?」

「いや、見ての通り足だけだ。いつもならこのぐらいは治せるんだが、なぜか魔法が効かないんだ。」

 ティラは女性に近づき、ケガの上に手を添えた。

 少し診ると頷いた。

「大丈夫です。これなら治せるので早く治しちゃいましょう。」

 ティラはそう言うと回復魔法を発動させた。


 ケガはみるみるうちに治っていった。

 完治レベルでケガが治っているぐらいだ。

「うぅ…。あれ?痛みがなくなった…?それに跡もない…。」

「女性なので跡も治しました。ケガだけではなく呪いもかけられていました。どうやらそれが回復魔法を阻害されていたと思います。それも祓ったのでもう大丈夫ですよ。」

 呪いまでついていたのか。

 ダメージに回復阻害。

 やっかいな攻撃だな。

「そんな…。ケガを治すまでならまだ分かるわ。でも呪い、闇の魔法まで祓うなんて…。冒険者組合の中層部レベルだわ…。」

 そこまですごいのか。

 よく考えると俺もそこまでできないわ。

 近すぎてわからないやつだな、これ。

「とりあえずありがとう。私はアミール・シール。本当に助かった。」

 少し目つきが怖いお姉さん系だった。

 エルフと一緒だからエルフなのかと思ったけど、エルフではなかった。

 少し残念。


 そういえば冒険者組合ってさっき言っていたけど、なんだろうその男心くすぐりそうなやつは?

 でもそれよりまずはさっきの大きな犬が気になる。

 たしか魔獣って呼んでいたな。

「さっきの犬を魔獣って呼んでいたけど魔獣って?」

「えっと、もしかしてどこか小さい村から来たのかしら?」

「あ、ああ。まあそんな感じ。」

 小さいどころかでかい場所だけど、まったく別の場所だな。

 その口ぶりだと魔獣はみんな知っているのか?

 まあ、あんなでかい犬見たらだれでも覚えそう。

「そっか。魔獣というのは闇の魔力を溜め過ぎて暴走、狂暴化したのをさすの。ちなみに人間にも該当するわ。」

 あれは犬だから犬の狂暴化か。

 それに人間も狂暴化する可能性があるって怖いぞ。

 そもそも闇の魔力ってなんだ?

「闇の魔力?」

「魔法についても知らないの!?」

「いやいや、さっきの通り魔法は使えるから魔法は知っているけど闇の魔力ってのがなんなのかなあって。」

 そんな驚いた目で見ないでください。

 俺、そんなに変なこと言ったか?

「…はあ。まあいいわ。細かく説明するわ。」

「あ、それとできれば冒険者組合についても教えてほしいです…。」

 溜息をつかれてしまった。

 気になっちゃったんだからいいじゃん!

 前の世界だとけっこう知ってるどころか頂点ぐらいだぞ!


 4人は冒険者組合で冒険者をやっているとのこと。

 多国が連携して運営しているらしく、お金がない場合はみんなして冒険者になるのが普通。

 小さな村の人たちはそこに住み続けるか冒険者になるかの二択しかない。

 やはり多国が連携して運営をしているため冒険者のほうへ行ったしまう。

 だから小さな村も減ってきていて俺たちみたいに何も知らないのは珍しいらしい。

 俺たち、どうやらレアキャラだけど残念キャラみたいだな。


 それと一番驚いたのが魔法についてだ。

 前の世界では魔法は発想をしてから使うから自由使えていて、たまに詠唱を作ったり使ったりする人がいた。

 ちなみに発想力と魔力で差ができてしまう。

 得意な魔法はあるものの、魔力さえあれば誰でも一応はどの魔法を使えるものだった。

 しかしこっちの世界では違っていた。

 魔力があっても誰でも使えるわけではない。

 それどころかある程度分けられていた。

 主に火、水、土、風、雷の五大魔法。それと合わせた複合魔法。

 元々持っていてその人しか使えないといわれる固有魔法。

 身体能力などを向上させる付属魔法。

 光と闇の対立魔法。ちなみに回復魔法は光、呪いは闇に入る。

 そして創造、時、空間の神魔法。

 神魔法は書物で伝わっているだけで、存在するかもしれない程度らしい。

 もしかしてこの世界でも俺たちは神様扱いにされるんじゃないのか?


 そういえば俺は氷を得意にしているけど、この場合はどれに入るんだ?

「氷の魔法はどれになるの?」

「固有魔法に入るわ。複合魔法は五大魔法をそのまま合わせた感じだからすぐわかるわ。元々氷で出てくるのは固有魔法しかありえないと思う。」

 水を冷やして氷にした、っていう感じの魔法はないのか?

 そうなると俺たちが使う魔法のほとんどは固有魔法になっちゃうな。

「じゃあわたしのこれはどれなのかな?」

 リンが興味を示したのか、こっちに来て魔法を発動させた。

 そこには剣が造られ浮いていた。

「これは…創造の魔法…なの?」

 メランさんの顔がみるみる青くなっていった。

 リンの魔法は剣や槍などの武器を錬成して相手に飛ばしたりする魔法だ。

 ん?今創造の魔法って言っていたし、こっちだとやばいんじゃ?

「馬鹿な!書物にしかない魔法だぞ!」

 いきなりドラウさんが大声を上げた。

 やっぱりダメだったか。

 たしかにいきなり神様が使う魔法を使えます、と言われたらびっくりするよな。

 できれば目立ちたくないよ。

 となると言い訳を考えないと。

「えーっと…。そう!これは土の魔法の応用の応用なんだ。魔法で土を作りその中の鉄だけを取り出してそれを固めて剣を作るんだ。」

 さっき疑問に思ったことを変えてとっさの嘘を思いついた。

 一応土の中にも鉄は少しだけあると思うけど無理があったか?

「な、なるほど。たしかに応用の応用だな。とてにも考えられないやり方だな。申し訳ない、いきなり声を上げてしまって。」

 よかったよかった。

 どうやら誤魔化せたな。

 次は心臓に悪いことをさせたリンだ。

 注意せねば。

[リン!いきなり驚かせないでくれよ!]

[ごめんごめん。つい気になっちゃって。]

 てへ、とかいいそうな言い方。

 可愛く言うと怒りが消えていく…。


―※余談注意※―

雨の日って何より外に出たくなくなります。

寒くてお布団から出れなくなるし、早く晴れてほしいですね。

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