第22話 魔法を教えるんですが。
「この4人に魔法を教えると…?」
「ああ。ティラくんは風の魔法が得意だろう?風の魔法は風の魔法を使うものに教えてもらった方がいいんだ。これは他の魔法もそうなんだけどな。」
それは2人に聞いたな。
まあそっちはかまわない。
正直俺じゃなくてティラのことだし。
「じゃあそっちの双子は?」
「デイルとデイラは魔法自体はもう十分なぐらいだ。あとは戦闘訓練を積めばいい。だけど2人の相手をしていると他の人たちを見きれなくなってしまう。それほど2人は手強いんだ。」
やっぱデイルとデイラは強いんだな。
訓練所講師で手強いと言っているんだ。
やばい2人だな。
でもなんで俺が選ばれたんだ?
たしかに昨日それなりに目立ったかもしれないけどさ。
「それとユウ。君は組合長からお墨付き、だしな。」
そういうことか。
ジークさんが関係しているのか。
あの人、本を渡す代わりに仕事をよこしやがったな。
まあ元々ティラは2人見ていたしな。
俺やリン、スウ、ソーラで2人を見てもいいかもな。
「わかりました。じゃあ時間は朝、昼。夕方頃には切り上げる感じでいいですか?」
「ああ。俺たちもそれぐらいに切り上げる。助かるよ。」
「いえいえ。」
ホシさんは礼を言うと他の訓練生のほうへ戻っていった。
さて、どう教えるか。
「とりあえずティラはそっちの2人を見るんだよな?」
「そのつもりだけどせっかくだし今日は一緒にどうかしら?」
「そうするか。」
最初なんだしせっかくなら合同でやるか。
「そういえばデイルくんとデイラくんは土の魔法なんだよね?
「呼び捨てでかまいませんよ。そうですね、僕たちは土の魔法を使います。」
「俺たちが土の魔法を使えないかもしれないけどいいのか?」
「はい。魔法については常日頃研究していますので。」
「僕たちで何個か魔法を創ったりしています。」
いやー、天才は恐ろしいな。
こんな小さな子が魔法を創る?
どんだけ化け物なんだよ。
ジークさんは文字通り人間離れしていたけどこの2人も人間離れしている。
「じゃあホシさんが言っていた通り戦闘訓練を主にする感じでいいかな?」
「「はい!!」」
2人の方針は決まった。
「ティラはこれからどういう風に教えていくつもりなんだ?」
「魔力増加のほうはもう十分かもしれないわ。次の段階、魔力の扱いに慣れさせないと。戦闘訓練には少し早いかしら。」
たしかに少し早いか。
魔力が増えていても扱いに慣れていたら意味がない。
ん?待てよ。
「ティラ、せっかくだし2vs2で戦ってみるのはどうだ?」
「この子たちとその子たちで?」
「ああ。いい経験になるかもしれないだろ?」
「…そうね。」
「大丈夫だ。危険なときは俺が止める。」
「そう。ならいいかもしれないわ。」
ならさっそくだ。
4人に教えてこよう。
「「僕たちがあの2人と?」」
「ああ。せっかくだし戦ってみてくれ。もちろん危険が及ぶときは俺が止める。」
「ということは本気を出してもいいんですか?」
「周りに迷惑が掛からなければね。」
一応離れてはいるもののホシさんとほかの訓練生もいる。
迷惑を掛からないようにしないと。
「「私たちがあの2人と!?」」
「勝てないのです…。」
「むりむり!」
「勝たなくてもいいのよ。今の力でどこまでできるのか、試してほしいのよ。」
「「むー…。」」
「いいからいいから!危険なときはユウと私が守るから、ね?」
「「分かりました…。」」
向こうの2人はあまりやる気ではないな。
なにか士気を上げたほうがいいんじゃないか?
「じゃああなたたちが勝ったらとっておきの魔法を教えてあげるわ。」
「「がんばるのです!」」
リリスまでルーンの口調がうつっている。
4人ともがんばってほしいな。
「じゃあ簡単にルールね。勝利条件は戦闘不能、捕獲をした場合。無理をしないこと。もし無理そうな場合は降参すること。」
「「「「分かりました!!!!」」」」
「じゃあはじめ!」
合図をするとともに4人は動き出した。
―※余談注意※―
昨日は体調を崩してしまいました。
なんか大丈夫な頭痛と本当にダメな頭痛があるんですけど珍しくダメなほうがでました。
一日寝たら治ったのでよかったですけどね。




