第18話 空から何か降って来たんですが。
地面に落ちると同時に土煙が舞って周りが見えない。
「ティラ!リン!無事か!」
「ええ、こっちは大丈夫だわ!」
声のする方を見たら多少うっすら姿が見えた。
よかった。
本当に無事でよかった。
それより何が降って来たんだ?
まさか隕石でも降った来たのか?
でもそれならもっと周りが吹っ飛んでいるはずだ。
考えていた瞬間またも魔力を感じた。
その時にはもうこちらに何か塊みたいなのが飛んできた。
「あぶね!」
俺はとっさに氷の壁をつくった。
塊みたいなのは俺に当たることなく地面に落ちた。
「ほお。詠唱も魔法名もなしに魔法を使えるのか。」
土煙が晴れていく。
声がする方を見るとそこには一人の男が平然と立っている。
「誰だお前は!」
男は答えることはなく、微笑むと何やら魔法を発動させ始めた。
周りには氷の塊が浮かんでいた。
おいおい、マジかよ!
普通に詠唱も魔法名も言わないで使うやつがいるじゃないか!
いや、今はそんなことよりこいつをどうするかだ。
話を聞いてくれる感じはないし、とりあえず動きを止めるのが最善だろう。
「行くぞ!」
男はそう言うとこちらに氷の塊を飛ばしてきた。
「くそっ!」
俺はまた氷の壁を作った。
さっきと同じぐらいかと思ったら全然重さが違う。
「野郎、氷の密度を上げてやがる。魔法の扱いに慣れてるっていう話じゃないぞ…。」
こっちの世界で詠唱も魔法名もなしだ。
相当強い部類に入るんじゃないのか?
もしかして!
「魔人、なのか?それも上位魔人。」
「それはどうだろうな。ほら、君も攻撃してきたまえ。」
挑発のつもりか?
それでもあいつを抑えるために少しは攻撃をした方がいいかもしれない。
でもそれよりティラとリンが心配だ。
「リン!ティラと一緒にスウとソーラのところへ行け!」
「でもお兄ちゃんが!」
「俺一人で大丈夫だ!早く!」
「…わかった!死なないで!」
もちろんだ。
こんなところで死んでたまるか!
さてどうしたもんか。
攻撃手段はある、ありすぎる。
なんで隙だらけなんだ。
「早く攻撃したまえ。せっかく戦いやすいよう二人を見逃がしたんだ。」
「それじゃあ遠慮なく!」
もう詠唱も魔法名もなしに使えるのがバレている。
それならやりやすい。
詠唱も魔法名もなしで氷の槍をつくり飛ばした。
だが氷の槍は男に当たることはなかった。
さっきの俺と同じように氷の壁をつくっていた。
それでも少しは貫通した。
「やっぱ守るよな…。」
「なかなかやる、どころではないな。君は人間ではないのか?」
「あいにくだがれっきとした人間だ。」
「…なるほどな。」
男の雲行きがだんだん怪しくなってきた。
一体何なんだよ!
「いや、まだわからないな。」
「?どういうことだ。」
「なに、こちらの話だ。」
なんのことだ?
いきなり攻撃してきたと思ったら何か考えているし。
よくわからないやつだな。
「さて、まだ戦いは終わっていない。来ないならこっちから行くぞ!」
氷の剣をつくりこっちに向かってきた。
すかさず俺も氷の剣をつくりどうにか防いだ。
「くっ!」
「よく防いだな。反応速度も高いか。」
俺は剣が得意じゃないんだ!
近距離戦はまずい。
距離をおかなければ。
「おらぁ!」
こいつを後ろに移動させるために地面から氷の魔法を発動させた。
少しでもダメージを負わせようとし、剣も投げた。
「むっ。」
剣のダメージはなかったものの、男は後ろに引いて距離ができた。
「何か策でもあるのか?」
「だからどうした?」
「戦闘が初心者ならまず策が思い浮かぶどころか起きることに対応することだけで精一杯だ。」
そっくり返してえよ。
幾度か戦闘はしてきた。
だがこいつも相当戦闘を体験しているだろう。
さっき距離置くときも不意を突こうとしたが簡単に避けられたしな。
「だが、同様に俺も策を考えるもんだ。」
「…そうだな。」
「君はまだまだだ。まだ甘い。」
なんだ?説教なのか?
何を言いたいんだ?
甘い?
確かに策というか自分の得意な遠距離戦に持ってきただけだ。
もしかしてあいつも得意ということなのか?
いや、なにか違う。
なにか見落としているのか?
「っ!!」
後ろから魔力を感じる!
あいつ、いつの間にか剣を俺の後ろへ投げていやがった。
時間差で自分のところへ戻るようにして俺に当てるようにしていたのか!
まずいまずい!
このままじゃ当たる!
―※余談注意※―
今回若干長いです。本当に若干ですが。
戦闘シーンだとついつい書き続けてしまいます。




