第17話 魔法を考えているんですが。
「さて。どんなのを使っていこうかなあ。」
許可をもらい外に行ってみたらだれもいなかった。
みんな素直に休んでいるのか。
「…にい。練習したいからなにか的作って。」
「ん?いいよ。どんなのがいい?」
「…さっきの土人形みたいな人形がいい。」
「りょーかい。他はどうする?」
「僕もお願いします。」
「わたしは刃こぼれしたくないからティラちゃんに木人形を作ってほしー。」
「いいわよ。私も自分の人形でかまわないわ。」
「はいよ。」
となるとスウとソーラの分だけか。
さっきと同じ感じだとすると強度もそれぐらいにしておくか。
とりあえず数体。
スウとソーラはたぶん一緒にやるだろうし近くに作って置いた。
ティラとリンは二人で移動していた。
「あ、俺は一人なの?」
ぼっち、さみしい。
「う~ん。どういうのがいいかなあ。」
今のところアイスランス、アイススピアの二つ。
正直大きさが少し変わるぐらいだからほぼ同じ貫通タイプ。
あとハンマーもあったっけか。
剣とかもいいけどあんまし変わらんしなあ。
敵を凍らせて動きを止めるってのもいいかもな。
「【アイスフリーズ】!」
自分用に作った氷人形を作り、そいつに向かって魔法を発動させた。
「分かりづらい…。」
氷人形の上から氷で覆ってみた。
氷に氷でわかりづらい。
「…う~ん。」
他が思い浮かばない…。
何分ぐらいたったんだろう?
ずーっと考えている。
気分転換がてら少し様子を見てこようかな。
「スウ、ソーラ。そっちはどう?」
「そうですね。一応何個か作りました。」
「…スウも。」
なんてこった。
俺なんて1個しか思い浮かんでない…。
「ちょっと見せてもらっていい?」
「いいですよ。」
「…いいよ。」
これはぜひ参考にさせてもらいますわ。
「まず思い浮かんだのが遠距離を重視した魔法ですが、ここだと危ないので省略で。」
そうだな。
広いには広いけどソーラのことだ。
平気でここらへんの建物を吹っ飛ばすぐらいのを使いそうだ。
「中距離の魔法ですが思い浮かんだのはこれです。」
「【鬼火】!」
前のフレイムとは違い2,30センチぐらいの火の玉が空中で浮いている。
「これは?」
「空中にばらまいておき、空中からの不意打ちを防ぐのと、四方八方にいる敵に当てる魔法です。フレイムとは違い、一つ一つに火力を入れているので敵の数が分かればいいかもしれません。」
「これはいいな。」
俺も似たようなことできないかな?
といってもソーラと違ってやるとしたらただの氷の塊が浮いている。
うーん、これはなしだなあ。
「あと近距離ですがリン姉の剣をイメージしてこんなのを。」
「【フレイムソード】!」
「これは浮かせるのではなく実際に持つようにしました。物理的問題も解決でき、強度も火力もあがりますので。」
魔法は魔法でも自分で持つようにしたのか。
普通にこういうのもいいかもな。
「ちなみにスウは?」
「…ほとんどソーラと同じ。違うとしたら中距離の魔法が水の玉で触ると勢いよくはじけ飛ぶ。水圧がすごいから弾丸並み。」
最後、なぜかわくわくするように言ってたな。
「ありがとう。俺ももう少し考えてみるよ。」
「はい!頑張ってくださいね。」
「…ふぁいと。」
さて、せっかくだしティラとリンの方も見てみるか。
なんかバラバラの木人形があちこちに散らばってるけど。
「おーい!ティラ、リン!」
「お兄ちゃん?なにかあったのー?」
「いや、なにか思いついたのかなあって。」
さてさて、二人はどんな魔法を思いついたんだろう。
二人の魔法を見るため近づこうとしようとした。
その時。
上からなにか魔力を感じた。
何か嫌な予感がする!
「ティラ!リン!よけろ!」
俺は危険を察知し、ティラとリンに呼び掛けた。
その瞬間、上から何か降ってきた。
―※余談注意※―
実は先日テストがあったため今週の分を先に予約していたのでここを書くの久しぶりです。
ちょうど書きたいって思ったところに入ってからのタイミングという。




