第12話 俺も土人形に攻撃をしたんですが。
前に出て土人形のほうを見た。
近くで見ると土人形は思った以上に頑丈そうだ。
だが、そんなのは関係ない。
その頑丈さを上回る威力を出せばいい話だ。
イメージは、そうだな。
さっきの剣技、貫通をイメージ。
剣とは違い、貫通力を上げるため細長いイメージを。
「【アイススピア】!」
数は抑えて3本。
どれも見事に貫いていた。
「むぅ。固有魔法持ちもいるのか…。次!リン・ミグラトル!」
「わたしの出番だ!」
戻るとリンがウキウキしていた。
前に出ようとした瞬間。
「すまん!先にデイル・C・フェイン!」
「はい!」
「ええぇ!」
リンは驚き、がっかりしてしょんぼりしながら戻ってきた。
ほんの数秒でそこまで表情が変わるのか。
そんなに魔法を使いたいのか?
でも今は剣術しかないんじゃないのか?
デイル、たしか昨日の双子のどっちかだよな。
デイルは左に髪を結んでいる双子の片割れだったはず。
さてさて。見た感じだが恐らく今までの人よりは強いだろう。
それに魔力の操り方も相当うまい。
こいつも才能を持っているのか。
「いきます!」
「罪ある者に断罪を!【断罪の一撃】!」
地面から土のでかい腕が出てきた。
でかいうえに動きも早い。
手刀打ちで土人形のほとんどが吹っ飛ばされた。
「おいおい…。今回は化け物ぞろいだぞ…。」
これは本当に驚きだ。
まさここまですごい魔法を使うなんて。
戦闘訓練を積めば相当強くなるはずだ。
「次!デイラ・C・フェイン!」
「はい!」
リンは未だに落ち込んでいるな。
でも今は一人の双子も気になる。
デイラはデイルとは逆に右に髪を結んでいる。
魔力を操るところを見るとやはり同じ土の魔法を使うのか。
「いきます!」
「逆鱗に触れるものに天罰を!【憤怒の一撃】!」
さっきの攻撃とは違い、手刀ではなく殴り潰す感じだった。
衝撃も十分強くいまだに揺れている。
さすが双子、何やら何まで似ているな。
一人ならまだしも二人一緒での戦闘はまずいかもしれないな。
「さすが貴族。フェイン家のものだな。」
フェイン家とホシさんが言った瞬間、デイラの目が変わった。
あれは完全に講師に向ける目ではない。
殺意の目だ。
デイラは我に返るとデイルのもとへ戻った。
デイルとデイラは貴族なのか。
覚えておこう。
「…次だ。リン・ミグラトル!」
「ほんとにわたしの出番なのかな?」
すっかり疑心暗鬼になってる。
「リン、安心して。あなたで最後よ。間違っていないわ。」
「?どうしてわかるの?」
「誰が呼ばれたか覚えているのよ。どの魔法があるのか見ていたからね。」
どうやらティラは誰が行ったのか覚えていた。
俺より魔法について見ているな。
ただ見ていた自分が恥ずかしいぞ。
「じゃあやっちゃうよ!」
リンはいつの間にか造っておいた剣すべてを出していた。
しかも全部浮かせている。
浮遊魔法は剣につけたのか。
「いけ!【流剣】!」
舞っていた剣は土人形目掛けて飛んでいった。
勢いもあって貫通し崩れ落ちた。
「おいおい、本当にどうなってるんだ。俺一人だけだと荷が重すぎるぞ…。」
それにしても相変わらずすごい威力だよな。
俺と一対一で戦うとしたら負けるだろう。
戦闘に関しては、リンは群を抜いて才能がある。
「まあとにかく今日はこれで終わりだ。明日から訓練を始める。今のうちに体を休めておけ。以上だ。」
これで今日は終わりだ。
言われた通り部屋に戻って休んでおこう。
戻ろうとしたとき、さっきの双子、デイルとデイラが俺たちの前に出てきた。
昨日の発言といい、姿勢も仕草もさすが貴族様だな。
それよりもなにか用でもあるのか?
「昨晩は冷静さが欠けていたこと。」
「失言をしてしまった。申し訳ない。」
「あ、ああ。別に気にしてないよ。」
二人は頭を下げ、謝罪をした。
意外過ぎてびっくりだわ!
―※余談注意※―
小さいころから漫画をよく買っているんですがこれおもしろそう!って思うとついつい買っちゃう癖?があります。
親にも散々怒られているのにいまだに買っているという。
ひょいひょい買っちゃう自分には電子書籍のほうがいいかもしれないですねー。




