第11話 みんなが土人形を攻撃しているんですが。
申し訳ございません。今回短いです。
「ではまず――。」
順番に土人形に攻撃をしていく。
順番は手続き順なのかな?
全然まわってくる気配がない。
魔法が8割、剣術武術が2割ぐらい。
そうなると手本でやった剣術は珍しい部類だったんだろう。
魔法を見た感じ火が多く、風が一番少ない。
というか一回も風を見ていない。
「次!ルーン・ネイヴ!」
「はい!」
返事をするほうを見てみると少女が前に出てきた。
あれ?あの耳はエルフか?
見た感じは昨日の双子ぐらいの年みたいだ。
エルフの子は深く深呼吸をし、土人形に向かい手を伸ばした。
「風よ、我が剣と成り敵を切り裂け!【ウィンドカッター】!」
風の剣なのかわからないけど土人形目掛けて風が放たれた。
威力はそこそこあるものの、土人形に傷をつけたぐらい。
土人形と言っても岩並みに硬いはずだ。
これは相性が悪かったな。
エルフの子はしょんぼりしながら戻っていった。
「大丈夫大丈夫!心配ないって!」
違う子が声をかけて励ましていた。
よく見るともうひとりも耳が長かった。
「次!リリス・ヴィーラ!」
「っと。呼ばれたから行くね。」
「うん!」
前に出るとさっきの子と同じように手を伸ばした。
「風よ、我が剣と成り敵を切り裂け!【ウィンドカッター】!」
威力はさっきより増し、土人形をあと少しで切り落とせるぐらいの威力だった。
同じ魔法でも人によって威力が変わる。
「ちぇー。やっぱり土相手にはつらいわ。」
頑丈な人形に対し風だけであそこまで傷を負わせるのはすごい。
ここは才能の差がでるんだろうな。
「次!ソーラ・ミグラトル!」
「ソーラが最初か!がんばれよ!」
「はい!でも頑張ったら大事故になりますよ。」
「ハハッ。違いないな。じゃあ無理はするなよ!」
「はい!」
冗談を言い合いながらソーラは前に出た。
まあ確かに本気を出すのはやめてもらいたいけど。
さっきまでの火の魔法を見た限りでは土に対して不利なようだった。
他にもさっきのエルフの子たちの風の魔法もそうだ。
どうやら土の魔法は他より耐性を持っていて強い部類かもしれない。
「ではいきますよ!【フレイム】!」
魔法名だけか。
ゴオッという音とともに目の前の土人形とその周りを業火に変えた。
ソーラが消した時には土人形の後はなく、ただの更地になっていた。
実はさっき同じ魔法を使ってた人もいた。
でもそれはせいぜい火力だけで土人形へのダメージはなく、動かせたぐらい。
俺たちはそれほど差があるのだ。
「フレイムだけでここまでの威力を出すか…。次!スウ・ミグラトル!」
「スウ。全力はダメだぞ。」
「…わかった。」
そう返事するとスウは前に出た。
「…【ウォータースラッシュ】。」
シンプルな魔法で、水圧で目の前の敵を斬る水の魔法。
土人形は真っ二つどころではなくバラバラに斬られていた。
なにもここまで斬らなくても…。
「…次!ティラ・ミグラトル!」
「ではいってきますね。」
「おう!がんばれ!」
そういえばティラは何の魔法を使う気なんだ?
なにか企んでいそうだったけど。
見てみると人形に手を伸ばしていたが、もしかして。
「いきます。【ウィンドカッター】!」
大人げねぇー!
さっきのエルフの子たちが使っていた魔法だ。
しかも人形は四肢を綺麗に斬る感じだった。
まさかティラ、対抗心でもあるのか?
ティラが戻ってきた。
「なんで今の魔法を使ったの?」
「“たまたま”使おうとした魔法が同じだったからですよ?」
ほんとか?
ほんとなのか?
「でも土に対して風の魔法は不利なんだぞ?」
「ユウが応援してくれたから、つい…。」
たしかに頑張れとは言った。
これ、俺が悪いのかな…?
「でも―」
あ、その目はダメ!
そんな涙目で見られたら注意できない!
「ま、まあ、次からは気を付けて。」
「はい!」
うーん。
ティラには何年たっても勝てないなあ。
「次!ユウ・ミグラトル!」
「やーっと俺の番か。」
―※余談注意※―
ウィンドカッターって書いるんですが見直すまでウィンドウカッターでした。
ずっと窓切っていました。




