カニ
投稿が稀です。
ごめんなさい。
外の風景が見えはじめると、全体的に地面がライトアップされていた。
明るく、暗い場所と言ったら真上ぐらいだ。
波が全くないことから、だいぶ深いところにディストピアはあるようだ。
そういえば、水の抵抗が少ないように感じる。
きっと潜水服に特殊能力かなんかが、ついているのだろう。ありがたい。
「このまま北にずっとずーっと行くと地上だが、高レベルの化け物ばかりの危険地帯を通んなきゃならない、マキナには、この潜水艇周りを整備をお願いしたい。」
「ふーん、別にてっぺんを獲れば、済む話でしょう? モンスターはどこですか?」
「一応確認をな....西の方にでっかい岩の向こうに、開けたところがあって、そこに初級モンスターがゴロゴロいる。」
今、目の前にある、向かいの大きな岩の反対側、に....
キモイ! なんなんだあれは! 現実のカニをそのまま、巨大化しました。みたいな!
可愛げがない。蟻を虫眼鏡で見たら、実際超グロかったみたいな感じだ。人にもよるがな....
「キモくないですか?」
「超キモイ。俺も無理だ。ディストピア周辺と地下コロンビアが、モンスターがキモイって噂だ。他の都市周辺は獣とかなんとか....」
他の都市周辺は獣か、なんか平和な感じなんだろうな。いいなぁ。でも、もうどうにもならない。今の間はここで我慢だ。きっとこいつら以外ならまだましなはずだ。
「ところで地下コロンビアはどんな感じなんだろう、」気になる。
「まぁちゃっちゃと、ゲーム内容を説明したいから、石でも投げて、一匹おびき寄せて、ここらへんで試しに戦ってみてくれ」
「分かりました。」
そこらに転がっている石ころを拾い上げる。石なんて持ったの、久しぶりだ。
シュミレーションゲームで火おこしの時に周りに並べた以来だ。
それにしてもカニ、おおいなぁ。
なん十体っているが、てきとうに弱そうなのに投げよう、振りかぶって投げる。
石はそれまで受けていなかった水の抵抗を受け始めたのか、
全く飛ばない。手前に落ちていった。きっと何かの過ちだ。
もう一度別の石を投げる、飛距離が無い。やはり自分の手から離れた直後水の抵抗を受け始める。
「椿さーん。この石全然飛びません。」
「もしかして、天使にとっては石すらも飛び道具なのか....」
一般的には石を投げても、手前で落ちたりすることもせず、届くのだろうか。
「天使ってのは不便だな。俺が一匹おびき寄せるから。それを倒せ。」
「ありがとうございます!」
なにか、針のようなものを飛ばしたようだ。
一匹のカニがこちらに向かってくる、
「来たぞ。そのメイスで叩け。」
うなずき、右手にメイスを構える。いよいよって感じだ。
相手のメインとなりそうな、
武器は見た感じハサミだろうが
っ!
こちらの意図でも察したのか
急に距離を詰めてきた。
あのハサミにつかまれる!
と思い、
目の前を、メイスでガードした。が
ガードは崩され、真後ろに吹っ飛ぶ
殴ってきたようだ。
「うそやん」
なかなかに痛い、
休む暇も与えてはもらえず、
先程と同じように、
刹那の合間に
距離を詰めてきた
さっきと同じ攻撃か。
次はバックステップを踏み
今度はメイスを野球のバットのように持ち
思いっきりスイングする。
ハサミとメイスはぶつかり合う。
すると、何かが砕けるような音がしたと思ったら、カニのハサミが部位破壊している。
それを確認すると腕がじんじんすることに気づく。
よほど激しいぶつかり合いだったんだろう。このまま決着を付けに行く。
飛ぶ力を水中で使い、
図鑑で見た、泳いでいるカジキマグロに引けを取らない速さで
カニとすれ違いざまにメイスを叩き込む
効果音と共にアルムアンクルが光を放つ。
レベルが1から5に上がったようだ。だいぶ上がったな。
その隣には、ドロップアイテムも表示され、「ハサミ」「カニの足」が表示される。おいしそう。
「別に何も説明することはなかったな。部位破壊について教えようと思ったんだが....当分はここでレベル上げするといいさ。」
流石俺。やるぅ
「ここで、レベル上げですか?」
カニはやだ。キモイ。
「何かあるのか? カニアレルギーとか?」
「そうじゃなくて、気持ち悪くないですか?」
あんなの気持ち悪すぎてやってらんないよ。
「ディストピア周辺で最もレベルが低いモンスターだから、他のはまだ早い。」
カニ以外低レベルモンスターがいないだと....
「幸い。素材、便利だぞぉ、初期装備一式カニのドロップアイテムでつくれるからな。」
うそだーでも、どうしようもない。
「なら、カニでレベル上げ頑張りますよ! レベル上げればカニとは戦わなくても、いいんですよね。」
「カニは高レベルモンスターとしても出てくるぞ。
高レベルのカニはキモくないとだけ、祈っておこう。
「あと、同じ種族のモンスターカニとかのモーションはそのまま別のカニに引き継がれてたりするから、おぼえても損はしないぞ。」
暗記ゲーなのか? モーション覚えるって。
「じゃあ、カニの行動把握出来たら、攻撃受けずに済む感じですか?」
それなら、らくちんだな。
「攻撃受けずに倒せるぞ。でも、フェイクとか混ぜてきたりするから、無傷は厳しいぞ」
フェイクとか混ぜてくるのか。厄介だな。
「とりあえず、ここら辺でレベル上げしといたらいいんですね」
「あぁそうだ。あと、俺は少し港に行ってしたいことがあるから、行ってきてもいいか?」
見られるの恥ずかしいし、ラッキー。
「全然どうぞ、行ってきてください。」
「じゃ、お言葉に甘えて行ってくる。なんかあったらそれで呼べ。」
と言いながら、アルムアンクルに人差し指を向けながら、外に出た時の入り口に帰ってった。
いつの間にか椿さんとの通話は切れているようだったが、
カニが発する、ハサミや、足、の音ぐらいしか聞こえない。
なんか、BGM無いのか? 耳がさみしいぞ。アルムアンクルには、曲が
「一曲あった」
ありがたい。じゃこれを流して、あいつら狩るか。
書くのって楽しいですよね!