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残酷な世界のいたずら。  作者: 紗厘
第二章 ~始まりの夜~
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お掃除

新しい使用人、由紀奈、エリー、リアムが来て五日が経った。

 何もなく平和に過ごしていた。

 エリーは指に怪我を負いながらも、料理の腕は着実に上げる。

 由紀奈は、庭の花の手入れを主に頑張っている。

 リアムも少しずつだが、馴染んできて茜と時和に掃除を教えてもらっている。

 ルークの馬は、明日アグナと村へ行くことになった。

 ケインも嬉しそうにしていた。


 リアムが図書館の掃除をしている。

 隣には茜が読書をしていた。


「あの……茜さん、掃除、しないと」


 リアムは怯えながら茜に指摘をする。


「んー?いいのよ、時和にサボっている事がばれなきゃねー」


 リアムは茜の言葉に呆れるが、何も言い返さなかった。

 茜は本を読み終え、また新しい本に手を伸ばし読みふける。

 リアムは一人でとても広い図書館を掃除している。


 扉が開く音がした。

 棚の隙間から時和の姿が見えた。

 リアムは、時和に駆け寄り茜の場所へと案内する。

 茜は、読書に集中して時和の存在に気づいていない。

 だんだんと近づく。


「あ・か・ね。何してるんですか」


 名前はあざとく、あとは冷めたい声で時和は茜の目の前で言う。


「――って、時和。なんで、あ!リアムがチクったのね」


 驚きを隠せず、自分でサボったと遠回しに言った。

 リアムの方を見るが、時和の後ろに隠れている。


「チクったってなにを?僕はリアムに場所を教えてもらっただけなんだけど」


「は?あぁ。そうよね、リアムが私がサボったとか言うはずないもんね」


 語るに落ちていく。


「へ~サボってたんだ。リアム、貴方はそこの椅子で休んでいていいよ」


 時和は、リアムに頑張ったからという理由で休憩させる。

 だが、茜には休憩を与えず掃除させる。


「は、私だけ?嘘でしょ」


「そうだね、半分やって」

 

半分、それは25畳もの広さがある。

本、本棚、床、壁。

全てを一人でやれとの罰だった。

 

 茜が本棚から本を取り出し、本棚を綺麗にして本をもと合った場所へと戻す。

 それを時和は横から監視する。

 その間、リアムは渡された本を読んでいた。

 すると、疲れたのか茜は口を開く。


「時和って、リアムにかなり気に入られたよね」


「……そうだね」


「やっぱ、時和が男の娘だか――」


 茜が話している途中に、顔に本が飛んできて見事に当たった。


「それやめて、よく分からないけどなんかムカつくから」


「わ、分かったから、本投げるのやめて」


 時和が溜息をつく。


「もう、口動かさず手を動かして」


 茜は、小声で何かを言いながら再開する。

 時和にも聞こえていたが、あえて聞こえないふりをしていた。

 

 リアムも時和にだけ心をちゃんと開いている感じだった

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