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残酷な世界のいたずら。  作者: 紗厘
第五章~悲しみに溺れて~
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踏んだり蹴ったり

 掃除も、何とか昼食までには終わらせることが出来た。

 昼食も終え、時和、茜、リアムは装飾に取り掛かる。

 調理場では、コンロンとセリアが一生懸命にクッキーを作ってた。

 後ろでエリーとヴァレリが見守っていた。

 あくまでも、自分たちの力だけでクッキーを作りたいみたいだ。


「コンロン様って人のために尽くすタイプですかね」


 と、エリーが予想を立てる。


「どうですかね、僕が見たところセリア様の背中を追ってる気がします」


「セリア様に似るんですかね」


 と、微笑ましくコンロンとセリアを見ていた。

 

 オーブンから何か匂っていた。


「失礼します」


 エリーが一言言ってオーブンを開ける。

 真黒とまではいかないが焦げていた。


「また、焦げちゃったか~」


 セリアは頭を抱える。


「でも前よりマシ」


 コンロンはポジティブに頑張る。

 

 また、クッキー生地から作り始めていた。

 その間、エリーは焦げたクッキーを食べていた。

 それに、セリアが気づいた。


「エリー、焦げたもの食べてると病気になりやすくなるんだって」


「そうなんですか!でも大丈夫です」


 と、食べ続ける。

 セリアと隣にいたヴァレリは、エリーは馬鹿だと思った。

 その二人の視線に気づき、エリーは手を止めた。


「姉様、腕が疲れた」


 コンロンは、へとへとになっていた。


「まだ、夜までは時間があるから少し休みましょうか」


 コンロンは静かに頷いた。


「ごめんね、少し休んでくるからまた作るとき付き合ってもらっていいかな?」


 と、エリーとヴァレリに聞く。


「はい、ぜひ」


 とエリーは笑顔で返事をした。

 ヴァレリも静かに返事をする。


 そして、コンロンとセリアは調理場を出て行った。


 ダイニングルームでは、苦戦が続いていた。


「そこ持ってて」


 と、時和がガーランドを持って壁に着けていた。

 リアムは指示されたように持っていた。


「この服動きにくいな」


 と文句を言いながら頑張る。

 いつものように茜が茶々を入れる。


「似合ってるけどね」


「さっきからうるさいな」


 と、茜は実はさっきから見ているだけで何もしていなかった。

 珍しくリアムが怒った。


「茜、ちゃんとやって」


 と、全く迫力もなく可愛らしくまでも感じてしまうほどの説教だ。

 茜には、逆効果だった。

 リアムに抱き着く。


「やめろ。暑苦しい」


 と、リアムが暴れていると時和が怒り始める。


「ねぇ、ちゃんとやってくれないかな」


「……」


 二人とも動きが止まる。


「ね?」


 と、一文字だけで手伝ってくれるかどうかを聞く。


「は……はい」


 二人は怯えながら、返事をして怯えながら装飾をした。

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