踏んだり蹴ったり
掃除も、何とか昼食までには終わらせることが出来た。
昼食も終え、時和、茜、リアムは装飾に取り掛かる。
調理場では、コンロンとセリアが一生懸命にクッキーを作ってた。
後ろでエリーとヴァレリが見守っていた。
あくまでも、自分たちの力だけでクッキーを作りたいみたいだ。
「コンロン様って人のために尽くすタイプですかね」
と、エリーが予想を立てる。
「どうですかね、僕が見たところセリア様の背中を追ってる気がします」
「セリア様に似るんですかね」
と、微笑ましくコンロンとセリアを見ていた。
オーブンから何か匂っていた。
「失礼します」
エリーが一言言ってオーブンを開ける。
真黒とまではいかないが焦げていた。
「また、焦げちゃったか~」
セリアは頭を抱える。
「でも前よりマシ」
コンロンはポジティブに頑張る。
また、クッキー生地から作り始めていた。
その間、エリーは焦げたクッキーを食べていた。
それに、セリアが気づいた。
「エリー、焦げたもの食べてると病気になりやすくなるんだって」
「そうなんですか!でも大丈夫です」
と、食べ続ける。
セリアと隣にいたヴァレリは、エリーは馬鹿だと思った。
その二人の視線に気づき、エリーは手を止めた。
「姉様、腕が疲れた」
コンロンは、へとへとになっていた。
「まだ、夜までは時間があるから少し休みましょうか」
コンロンは静かに頷いた。
「ごめんね、少し休んでくるからまた作るとき付き合ってもらっていいかな?」
と、エリーとヴァレリに聞く。
「はい、ぜひ」
とエリーは笑顔で返事をした。
ヴァレリも静かに返事をする。
そして、コンロンとセリアは調理場を出て行った。
ダイニングルームでは、苦戦が続いていた。
「そこ持ってて」
と、時和がガーランドを持って壁に着けていた。
リアムは指示されたように持っていた。
「この服動きにくいな」
と文句を言いながら頑張る。
いつものように茜が茶々を入れる。
「似合ってるけどね」
「さっきからうるさいな」
と、茜は実はさっきから見ているだけで何もしていなかった。
珍しくリアムが怒った。
「茜、ちゃんとやって」
と、全く迫力もなく可愛らしくまでも感じてしまうほどの説教だ。
茜には、逆効果だった。
リアムに抱き着く。
「やめろ。暑苦しい」
と、リアムが暴れていると時和が怒り始める。
「ねぇ、ちゃんとやってくれないかな」
「……」
二人とも動きが止まる。
「ね?」
と、一文字だけで手伝ってくれるかどうかを聞く。
「は……はい」
二人は怯えながら、返事をして怯えながら装飾をした。




