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残酷な世界のいたずら。  作者: 紗厘
第四章 ~黒の存在~
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嘘にまみれて

 クラパムが浩正の具合を見た。

 どう見ても即死だった。

 立て続けに死者が連続している。

 皆も疑問に思っていた。

 人形(ドール)だった由紀奈が死んでもまた死者が出ているこの状況に、恐怖も感じていた。


 医務室では、湊が時和とリアムによって治療されていた。

 左の脇のあたりを布で強く圧迫している。


「投げられたわりにかなり深いね」


「みたいなだな。俺も不思議だ」


 と、ナイフが刺さっていた部分を時和が見ている。


「リアム、糸と針持ってきて」


「分かった」


 と、リアムは入り口近くにある棚へと向かった。


「リアム、頑張ってるんだな」


「うん、あんなに頑張ってるのになんでこんなに不幸が続くんだろうね」


 そうだ、この悲劇もリアムや由紀奈、エリーが来てからだった。

 湊は右手でポケットの中を探る。

 宿屋の壁に貼ってあった紙を取り出す。


「何それ」


 時和は何の紙なのか気になった。


「ある宿屋に貼ってあった指名手配の紙だ。浩正を殺した奴がこれに似ていてな」


「奪ってきた、と」


「人聞きの悪い、頂戴したんだ」


 実際は奪っているが、それは置いておくことにした。


「時和さん、これ」


 と、リアムが糸と針を時和に渡す。

 時和は周りを見渡す。

 すると奥の大きな机の所へ歩いて行った。


「湊さん、大丈夫ですか?」


 リアムが心配をしてくれる。


「何とかな、俺がもう少し気づくのが早ければ浩正も――、いや、そうじゃないな」


「そうじゃない、疲れてない?悲しくない?」


 左腕の傷の心配じゃない。


 何を心配しているのか湊はすぐに分からなかった。


「湊さんだんだん悲しそうな顔をしてる、疲れてる顔をしてる」


「そうかな」


 湊は笑っていた、いや、笑おうとしていた。

 目が一つも笑っていなかった。

 悲しそうで苦しそうで悲しそうな目をしていた。


「僕は昔、知らない大人に殴られたり熱された鉄を押し付けられたり、煙草の火を体で消されたりしていた。だからなんとなくわかる」


 すると、時和が帰ってきた。


「リアムが他の人にその話をするとは思わなかった」


「湊さんは今にも死にそうな顔をしているから」


 おそらく精神的にだろう。

 だが間違ってはいなかった。

 だから、無理やり話題を変えようとした。


「ところで時和、何してたんだ」


「えっと、ガスバーナーで針を消毒してたんだ」


 そう言って、リアムに湊を抑えるように指示する。


「暴れないから」


 そんな言葉を二人は無視をして、傷口を縫い始めた。


 結局、少し暴れていた。


 縫い終わり、ホールに向かう。

 皆が集まって、ミランが浩正の状況を説明してくれた。

 もう、墓場に埋めてきたらしい。

 そして、湊の事は時和が説明してくれた。


「ナイフを投げられて刺さったってわりにかなり深く刺さってた。かなりのやり手なんじゃないかな。それと、湊が宿屋に貼ってあった指名手配の紙を奪ってきて、その人が浩正を殺した相手に似ているらしいよ」


 と、ひどい言われようだった。

 時和がその紙を皆に見せる。


「町も物騒になったな」


 ケインが口をこぼした。

キャラハンは皆の顔色を見る。


「当分町へ行くことは禁止します」


 そう言い切った。

 それもそうだろう、一気に死者が出ているのだから、城で様子を見る事が最善だろう。

 使用人の皆は「解りました」と返事をした。

あと少しで終わりかなぁ~

って感じ

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