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残酷な世界のいたずら。  作者: 紗厘
第三章 ~一難去って~
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縛られる自由

今回は、むごいシーンまみれです。

あと、むごいシーンが続くかも~

 湊が倉庫を出て一時間が経った。

 由紀奈はベッドで眠っていた。

 それも急な眠気によるものだった。

 

 その原因はサンドイッチにある。

 湊が持ってくる途中に催眠薬を砕いたものを卵サンドの方に入れていた。

 それは二つ目のサンドイッチだった。


 そこに湊が入ってくる。

 そして、由紀奈が眠っていることを確認する。

 確認して、ベルトの付いた椅子に由紀奈を座らせ固定する。

 そして、通気口を覗くとネズミがもがいていた。

 湊は、通気口に鉄格子があり、全体的に粘着剤を貼っていた。

 ネズミの頭は倉庫の中を向いていた。

 湊は上着の内ポケットに入れている針で、ネズミの心臓を刺して殺した。

 粘着剤から剥ぎ取る。

 すると足に紙が括られていた。

 とってみると、


「進行状況を伝えろ」


 と、書いてあった。

 おそらく、由紀奈の匂いを使ってネズミをよこしたのだろう。

 小動物もここに入るには一つしかない通気口を通るしかない。

 もしものために貼っておいた粘着剤が役に立った。


「もし、由紀奈を捕まえていなければ今頃どうなっていたか」


 と、ネズミの死骸を外に埋めた。


 そして、由紀奈の前に立ち、腹を殴った。

 その衝撃に由紀奈は目覚めるがまだ朦朧(もうろう)としていた。

 そしてもう一度へそのあたりを狙って殴る。

 鈍い音と共に、由紀奈から冷汗が流れている。


「な、なによ……」


 と、苦しそうな声で湊を睨んだ。


「さっきネズミがそこに引っかかっていてな、こんな手紙付きだった」


 左手で通気口を指さしながら右手で手紙を見せた。


「傀儡子は誰だ」


「そんなの知ってどうするのよ」


 湊は、先ほどと同じ場所を殴る。


「回答以外興味が無い」


 そういって、繰り返し質問をする。


「傀儡子は誰だ」


「名前なんて知らないわよ」


 少し威力を上げてまた殴る。

 もうかなり苦しい表情をしていた。


「最後だ、傀儡子は誰だ」


「……アーヴェンド・アースティン」


「アースティンか……」


「だから、そんなの知ってどうするのよ」


「関係ないだろ」


「ッ――」


 悔しさを抑え込む。


 湊は違う質問をする。


「誰を殺そうとしていた」


「……」


 由紀奈が答えないので、質問を変えてみる。


「何が狙いだ」


「……」


 由紀奈は、ずっと黙り込む。

 湊は下腹部を殴る。

 殴られた瞬間、由紀奈は短い悲鳴を上げた。

 暴れて殴られた箇所を抑えたくても、両手両足を縛られているため抗えない。


「目的はなんだ」


「……ブレア…家の抹…殺」


 泣きそうで、苦しそうな声で答える。


「だが、スズランの花粉は見たところ俺とアグナのグラスにしか見えなかったが」


「邪魔さ…れそうな人を……先に殺そう…とした………だけだ」


 由紀奈は今にも倒れそうだった。


「じゃあ最後だ。傀儡子の名前は?」


 最初に聞いた質問をまたしてみた。


「それ、最初に…言ったでしょ」


「すまない、忘れてしまってな」


 本当は覚えている。

 最初は痛みを与えずに、重要そうなことを軽々言った。

 そこに疑いの目を向けてみた。


「アーヴェンド・アースティン」

 

 返答は、変わらなかったがそれはおかしいのだ。

 確かにこの傀儡子は存在する。

 否、していた。

 二日前に死んでいる。


「なにすんのよ」


 由紀奈は湊の持っている物を見て怯える。

 何に使うかは分からないが、ペンチに恐怖を感じた。


「嘘を吐いた罰だ」


 そう言って、由紀奈の左手の前に座る。

 由紀奈は手首を固定され逃げれない。

 それでも足掻く。

 湊は、由紀奈の薬指の爪をペンチで挟む。


「は、待って、嫌、それは――」


「次から正直に言えばいい」


 そう言って、薬指の爪をペンチで無理やり剥ぎ取った。

 由紀奈は痛みのあまりに叫ぶ。

 倉庫中に響く。

 森へと届く。

 悲鳴が聞こえる。

 

 薬指からは、血が出ている。

 由紀奈も目から涙を流し、汗も出ていた。


「ベッドの下に治療道具は置いてある。自分でやれ」


 湊は由紀奈を縛っているベルトを足から順番に外す。

 由紀奈は抵抗する気力もなく、座ったままだ。


 その姿を見ながら湊は倉庫を出た。

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