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安奈  作者: はにゃにゃき
おわり
80/80

こころにやみ

 まるで、呪い。

 愛とは、まるで、呪い。


 愛ゆえに、盲目になり。

 愛ゆえに、人を傷つけ。

 愛ゆえに、狂気に目覚め。

 愛ゆえに、全てを巻き込む。


「……」

 空は、黒い。本当に、黒い。

 星のひとつも見えはしない。ただただ、黒が一面に広がっている。

 黒は、嫌いだった。私の好きな色は、白だった。

 白い翼が日に日に黒く染まっていく様を見るのは、本当に辛かった。

 かと言って、私には何も出来なかった。洗ってあげる事も、優しい言葉をかける事も、出来なかった。幼かった私は、醜い安奈に恐怖していた。ただただ、毎日震えていた。

「安奈……寂しかったんだよね」

 私はお腹をさすった。


 ふと、ある曲のフレーズが頭をよぎる。

「この寒い季節だから貴方の側にいられる。冬の風はより一層二人の距離を短くした。貴方の右手から感じるぬくもりは、心も、体も、私を温めてくれる」

 ……松本さん……

 松本さんは、安奈を愛してくれたよね……

 本当に、嬉しかった……私も、安奈も、凄く嬉しかったよ……

 だけど、私が愛する事は許されなかったんだよね。私の愛は、呪いだから……


 ……色々な想いが頭をよぎる。

 安奈の事。アイツの事。彩ねぇの事。けいちゃんの事。松本さんの事。そして、私の事。

 グチャグチャになりすぎて、もう何がなんだか解らない。私は安奈? 私は礼奈? もしくは新しい私? 解らない。解らない。

 

 混乱しているはずなのに。錯乱しているはずなのに。

 何でだろう。心は、とても穏やかな気分だ。


「先に行って、待ってますね、松本さん」

私は、一歩、足を踏み出した。

空は、やはり、黒かった。

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