プロローグ
神の治安維持
ひとえに英雄と呼ばれるものを定期的に排出して
世界に安定や改革、維持、必要悪をもたらしている。
神達は無数の世界を守る為に魂の選出し神の能力を授け送り出す。
「えー次は・・・戦争、差別、宗教軋轢かってひどいな!どうしてこうなるまで放っておいたんだ監視局は!」
難易度規模が数値化されているがどれを見てももはや改善出来る物はない。
「監視サボってやがったなぁ・・・こうなっちゃもう一度崩壊させて復興のがはえーな」
神は手を振り上げ操作するように空を切る
「魂選出局聞こえるか?」
「ハイ」
「崩壊に適した魂を送ってくれ。能力はこっちでやる」
「ワカリマシタ」
「っと早いな」
神の目の前に魂が現れる。青く弱くでも決して消えることのない炎がそこに現れた。
「選出局今日は仕事は早いな」
崩壊させるだけなら人格を選ぶ必要はないからな。
「一応要望も聞いてやろう、何か欲しい物はあるか?」
魂は少し考えるかのように揺らめく。そして答えを伝えようと揺らめく。
「何もいらない?ずいぶん謙虚な魂だな」
何もいらないとは珍しい。いや神についてから始めてかもしれん。
部署が部署なだけに野心家の魂が多いせいもあるが
面白いなら何もいらないと言ったが逆に何もかも与えてやろう。
そうでもしないと崩壊が起こらない。
与える肉体は人族。
魔物では行動範囲が広げられないかもしれん。
与える力は何よりも強い。
これから行く世界には魔王もドラゴンも戦争もある。
倒せなくては意味がない。
与える魔力は何よりも高い。
魔法ならば兵器は必要ない。無限に破壊することが出来る。
与える能力は何よりも多い。
あらゆる魔法が使えれば全てを破壊しつくすことが可能だ。
与える能力は限界を超えて授かる。
肉体が弱くては話にならない。どんな肉体より素晴らしくなくては。
肉体のベース造りは面倒だ。前世の肉体をそのまま使用。
その肉体に今の能力をほどこし違和感なく自動修正を与える。
完成だな。
これだけパワーバランスが崩れる存在を入れれば世界は簡単に崩壊してくれるだろう。
おっとこいつの寿命を決めなければ
こいつがいる限り再生することも出来なくなってしまう。
「そうだな・・・世界の人口が半分以下になったら自然と消えることにしよう」
逆にそれ以外で寿命が来て再度送るのもめんどうだ。歳は取らない肉体を与えよう。
「では行って来い!彷徨える魂よ!神の名のもとに世界へと顕現せよ!」
魂はすぅっと消えていく。
「よし、次の世界はっと」
「オマタセシマシタ」
「ん?」
「ゴキボウノホウカイムキノタマシイデス」
「は?」
揺らめく魂が現れる。強く燃え自己が強く野心に溢れている魂が
「ちょっと待て魂ならさっき来たぞ。ブッキングしてんぞ」
「ハテ?」
「すみませーん」
「なんだ、今取り込み中で」
「魂分別局の者です」
「あーごくろうさん。なんだ選出局と話してる最中なんだが」
「確認だけですので、こちらに魂が逃げてきませんでしたか?」
「魂が逃げる?」
「分別中に列からはじき出されてしまったようで彷徨ってしまったんですよ」
「・・・」
「見てないですか?」
「魂の種類は?」
「えっと慈愛4温厚3人情3ですね」
「見てないな」
「そうですか・・・見つからなくて彷徨わせたらまた局長に怒られるー」
そういって分別局の人は帰って行った。
「あー選出局さん」
「ハイ」
「崩壊指定したけど違ったわ。準崩壊予備軍が必要だからもうちょっと野心の低いやつにしてくれ」
「ハイリョウカイデス」
「・・・」
よし無かったことにしよう。