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第3話 三人の勇者と一般人?

「うむ、では話を進めるとしよう」



国王オルテムはそう前置きして話し出す。



「勇者とは読んで字の如く勇姿を持ってガドルタの危機に立ち向かう者達の総称。勇者達は勇者召喚と言う魔法によって選定され呼び出される」

「となると勇者になる者達には何か共通点があるのか?」

「うむ、勇者として選ばれる者達は皆神霊を宿す事の出来る強い魂の持ち主であるそうだ」



霧与きりやの疑問に答えつつオルテムは話しを続ける。



「神霊は女神ユルティス様直属の眷族であり、その力は絶大。故にユルティス様はある三人の魔術師に召喚術式を託した。勇者の魂を覚醒させ尚且つ神霊と勇者の契約を仲介せねばならん。故にその三人と子孫にしか術式を使えなかった。我がリスアニア王家もその内の一人の子孫に当たる」

「あの、という事は私達の中にはもう神霊が…」

「いや、まだそなた等は神霊と契約しておらん。勇者召喚はあくまで勇者の選定と魂の覚醒を行う為の魔法。神霊契約の魔法とはまた別の物だ」

「そうですか…」



オルテムの言葉に由花ゆいかはホッとした様に息を吐く。



「…今この国のはるか南に住む魔族が侵攻して来ようとしている。実際魔族の領土と国境を共にしている国々では小競り合いが頻発化しているのだ。もう一刻の猶予もない」



そこで貴一きいちが口を開いた。



「それで、あなた達は俺達に神霊とやらと契約して魔族に立ち向かえと…。つかぬ事を聞くが帰る方法はあるのか?」

「…すまぬ。そなた等を帰す方法はまだ見つかっていいない。しかしどうかそこを押して頼む!どうか力を貸してくれ」



オルテムはそう言うとまた頭を下げる。

今度はその場にいる者達も一緒にだ。

圭人と由花はこの状況に戸惑っている。

貴一も憮然とした態度は崩してはないがその目は困惑で揺れていた。



「ちょっと待て」



そんな空気をぶち壊す様に口を開いたのは霧与だった。



「手を貸す貸さない以前の問題として俺達が本当に勇者かどうか確認する必要があると思うんだが?」

「霧与様の言うとうりです」



リーシアも霧与に賛成した。



「リーシア、どういう事だ?」

「はいお父様。本来、勇者召喚時の魂の覚醒は意思を保つ事が不可能な程の負荷がかかります。なのに霧与様は召喚された時意識がはっきりとしていました。考えられるのは魂を覚醒させる干渉魔法が無効化リジェストされたか、覚醒させる程の魂を持ち合わせていなかったか…」

「ふむ…」



オルテムは少し思案すると、霧与達に向き直る。



「少しこの世界の特色を説明する。この世界はあらゆる生物の性質や能力が明文化、数値化されている。我々は真実値ステータスと呼んでいるのだが、これは本来本人しか見る事が出来ん。真実値ステータスと念じれば頭の中に浮かぶはずだ。それで称号ギフトの覧に『勇者候補』とあるか見てはくれまいか?」



そう言われ霧与達は困惑する。



(やるしかないか…真実値ステータス!)



すると…





名前ネーム 矢嶋やじまS霧与きりや


年齢イヤー15


階級レベル?????


真実値ステータス

ATK ?????

DEF?????

AGL?????

HIT?????

INT?????


特技スキル

・我流剣術(極)・我流魔法(極)・キルシス式魔法(免許皆伝)


称号ギフト

・異端の吸血鬼ハーフバンパイア・始祖の一人息子・清き血を継ぐ者・我流を極めし者・キルシスの一番弟子・魔術の探究者・魔を極めし者・神殺し・暴走者・戒めし者




(…うわ〜、マジか)



見れはしたものの霧与の秘密が殆ど赤裸々になっていた。

しかし…



(この『?』は何だ?)



ゲームでならそこにステータスが表示されているはずだが霧与は?????と表示されている。

それだけではない。



(この真実値ステータスを出してる時の違和感は何だ?)



っとその所でオルテムが口を開いた。



「…どうかね、『勇者候補』の称号ギフトはあるだろうか?」

「俺はありました」

「私もあります」

「…俺もだ」

「俺は無い」



霧与の言葉にその場が騒然とした。



「…それは本当かね」

「ああ、残念ながらな」



するとリーシアがショックのあまりしゃがみ込む



「リーシア⁉︎」



アリシアが慌てて駆け寄る。



「アリシア、リーシアと一緒にもう下がりなさい」

「…はい」



オルテムの言葉にアリシアは頷くとリーシアと共に謁見の間から出て行った。



「…今の言葉は誠か?」



アリシア達を見送った後オルテムは口を強めて問い質す。



「二度も言わせるな」



霧与もしつこいとばかりに切り捨てる。

お互いに睨み合った二人だがしばらくしてオルテムが折れた。



「…すまぬ。いらぬ疑いをかけた」

「気にするな。一人の父親として当然の対応だ。それと話は変わるが…」

「何だ?」

「俺は近々ここを出て行く。ヒモをするつもりはないからな。まあ流石にコッチの常識やある程度の知識を得る時間ぐらいは欲しいかな」

「…は?」



霧与の言葉にその場にいた全員が耳を疑った。


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