表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生初期からイージーモード・少年期  作者: きと
ノックル&ビケル編
87/132

第86話 「こいつは何を隠している?」

 ケイトは、ノックルを睨みながら去っていった。俺には、もう彼女を止めることは出来なかった。


「ノックル」


 ノックルは、前回と違って去ろうとはしない。

 というか、俺のことに気付いてない? 悲しそうな、悔やんだような顔で自分の手を見つめている。


「ノックル」


 全然、こっち見ない。


「ノックル!」


 俺は、焦れてノックルの手を掴んだ。


「っつ。え、なに?」


 思いっきり掴んでしまった手は、強い反発力をもって俺の手を傷つけた。


「シュラ! お前、いつの間に」


 本当に気づいてなかったのか。


 というか、何だ今の。こいつの手を掴んだはずなのに異様に硬かったぞ。軽く触ったくらいで、血が流れてるし。

 ノックルの手に、なにかが付いているようには見えない。俺は確かに、ノックルの手を掴んだはずだ。


 肌が硬い? もしかして、ノックルはコナーなのか。


「あ、悪い。あの、大丈夫か」


 俺の手を見て、青ざめた顔をしている。

 アンディー先生に言われてドアを取り付けていたことといい、意外に素直なんだよな。こいつ。


「いや、別にこのくらいの傷。大丈夫だから」


「もう俺に近づくな。じゃあな」


「あ、おい」


 このままじゃ、行ってしまう。せっかく会えたのに。

 その硬い身体に何かノックルの秘密があるなら知りたい。でも、ノックルに触れるとまた傷がつく。


 俺の保身のために言っておくが、別に傷つくのが怖いわけではない。俺が傷ついたことで、ノックルがまた責任を感じるのが嫌なだけだ。俺はこいつに後悔を負わせたいわけではない。同等な立場でいたいんだ。


 おっと。そんなこと考えている場合じゃない。どうやって呼び止めれば。


「ノックル!」


 俺の渾身の一声に、ノックルは反応すらしなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ