第7話 「体力を鍛えていた件について」
「シュラ様。力には、体力、法力、剣力、賢力、尽力があります」
俺は、修行をしてもらうために、リュンの部屋に来ていた。
なぜ俺の部屋じゃないかって?
俺の部屋でできるわけない。父上も母上もいつ入ってくるか分からないし。
「体力はそのままで。法力は魔法の源のことだろ? 剣力が2つあるのは?」
「1つは、剣術・武術を表す剣力。もう1つは、賢さを表す賢力のことです」
リュンが、黒板に五角形を描いていく。
こいつの部屋は執事のくせに何故か広い。その上、なんでもある。
「尽力は?」
「自身に尽くす力。つまり、回復力です」
五角形のそれぞれの角に、5つの力が描かれた。
「この5つの力は法力を使って見ることができます。クリア」
リュンの声に反応して、目の前に光の五角形が出来上がる。
「私の力のバラメーターです」
リュンのバラメーターは、法力と賢力が飛びぬけて高い。尽力は真ん中。体力、剣力は真ん中より少ないくらいか。
「法力と尽力は生まれつきのもので、努力しても伸ばすことはできません」
「他のものは、努力次第で伸ばせるってことか」
「ええ。何を目指すかで、伸ばすものは変わってきますが。私は、執事でしたから、賢力を重点的に伸ばしてきました。シュラ様のも見てみますか? クリアって言ってみてください」
「おう! クリア」
俺の目の前にバラメーターが浮かぶ。
その五角形はあまりにもいびつだった。
「賢力、剣力はほとんどないですね。尽力は平均より少し低めですか。しかし、法力は予想はしてましたが。これは。説明していただけますか? シュラ様」
説明しろと言われても、困る。
賢力、剣力、尽力はリュンの言った通り。しかし、体力は飛びぬけて高いし、法力に至っては限界が見えない。
「法力は生まれつきのものなんだろ? こういうこともあるんじゃないのか?」
「私が言っているのは体力のことです。5歳のものではないですよ。これは」
リュンの冷ややかな視線が突き刺さる。ここは正直に答えるしかない。
「小さい頃から、体力だけ鍛えてました…」
正直、俺もここまで鍛えられているとは思わなかったが。
「全く、あなたはいつから計画して。もしかして本当に」
「え?」
「あ、いえ。何でもありません。分かりました。それで、シュラ様は何を伸ばしたいんですか?」
俺の答えは決まっていた。
「もちろん、全部だ」