表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/132

第40話 「俺は親バカではない(カーナ視点)」

 俺の息子は、良い子だ。決して親の欲目とかではないと思う。幼い時から大人しいし、わがままもほとんど言わない。世間の子供を知らないが、おそらく年相応ではないと思う。


 そんな我が子も、今日6歳を迎えた。


「父上。遊びに行ってきてもいいですか?」


 最近なんか、活発になってきた気がする。


 いや、活発なのはいいことだ。だけど、危ないことをしていないか心配になる。この前もユアンとどっか言ったかと思うと、すごい仲良くなって帰ってきたし。


「シュラ。サンと話してきてもいいぞ」


「本当ですか?」


 ほら、めっちゃ嬉しそうな目を向けてくる。そんなかわいい顔、普段はしないじゃないか。


「サン。行こう!」


 ミルの許可が出ると、さっさと行ってしまった。初対面なのに、仲良さそうだなあ。あの社交性は王子としては合格だな。


「リュン」


「はい?」


 サンが行ったのに、何故か残っているリュンを見る。


「シュラは最近何をして過ごしているんだ? 危険なことはさせていないよな」


「ええ。部屋や使用人たちと大人しく過ごしておりますよ」


 リュンの表情は、全く変わらない。いつでも冷静沈着なこいつの顔色を窺うのはやっぱり無理か。


 まったく、優秀すぎる執事で困ったものだ。だからこそ、シュラのことを任せておけるんだが。


「ところで、リュン。お前仕事は終わったのか? なんでまだここにいるんだ?」


「ちょっと、お聞きしたいことがございまして」


 リュンは、ミルの方を向く。


「ミル様。シュラ様の誕生日プレゼントですが。今年は、ミル様が用意されると聞いております。どこにあるのですか?」


 そういえば、俺も知らないな。


「あら。それなら」


 ミルが不気味な笑顔を浮かべる。


 何か、嫌な予感がする。これは、あれだな。ミルに何も言わずにニールを雇った時の怒られる直前の顔に似ている。

 え? 俺、怒られるの?


「あのね」


 ミルは、俺の手を取ってお腹に当てた。


 まさか。


「出来ちゃった」


「え? ほんとに?」


 俺とリュンの声が重なった。リュンが珍しく驚いている。


「ええ。今、4か月なの」


 確かに、シュラにとっては最高のプレゼントだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ