表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/132

第16話 「俺はこれでも5歳」

「だとよ。リュン。いいのか?」


 シークは、笑顔のまま、真反対の表情をしているリュンを見る。


 そういえば、リュンは師匠に頼むのを渋ってたな。


「シュラ様がいいなら、しょうがないが。シュラ様、こいつは本当にクズですよ」


「おいおい。ひどい言い草だな」


「そりゃそうだよ。軍隊長のくせに仕事中も酒ばっかり飲んでくびになったなんて、前代未聞だ」


 まさかとは思っていたが。問題となった癖っていうのは、酒だったのか。


「別に酔って勤務に就いてたわけではないだろう。ミッヘルが大げさにしすぎなんだよ」


 師匠に悪びれる様子は全く見られない。

 この様子だと、ミッヘルのことも別に恨んでないな。


「当たり前だよ。全く。シュラ様、本当にいいんですか?」


 俺の決定に、迷いはない。


「ああ。師匠に剣術を習いたい」


「それなら、しょうがないですね。シーク。シュラ様をよろしく頼む」


 ここ数日の修行で分かったことだが、リュンは何だかんだ言って、俺には甘い。


「あ、それと。国王様と女王様には内緒にしろよ。シュラ様を鍛えることには、反対されているんだからな」


「はっ。あいつらは、平和ボケしすぎだからな。今は世界は平和だが、いつこの均衡が崩れるか分からないのに」


「お前な、シュラ様の前で」


「いえ。俺もそう思います」


 シークは、父上と母上のことをよく思ってないのか。

 そりゃそうか。力を持つことにあまり関心がないということは、軍隊にも関心がないということ。元軍隊長としてみれば、歯がゆいのかもしれない。


「俺も、父上や母上の考え方には反対です。だから、力を手に入れたい。強くなりたい」


「リュン。お前、どんな教育してんだ?」


 シークが、驚いた表情でリュンを見る。


「私は何もしてない」


 リュンは、瞳は厳しく俺を見ている。

 どうせ、変な子だとでも思ってるんだろう。ちょっとは、5歳児っぽくした方が良かったのか?


「なるほどな。リュンがシュラに甘い理由が分かった」


 シークは、皮肉な笑みを浮かべる。


「シュラ。よろしくな」


 まあ、シークに教えてもらえるし、俺はこれでいいか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ