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転生初期からイージーモード・少年期  作者: きと
クラスマッチ編
121/132

第118話 「2人っきりっていうことですか」

「………」


 なんか、めっちゃ視線を感じる。


「……」


 視界は真っ暗だけど、手は動く。足も動かせる。てことは、森に帰ってきたのか?


 俺は、恐る恐る目を開けた。


「うわっ」


 目の前に、狐の面が現れる。焦って、そいつと距離を取った。


「カーク! お前、何しようとして」


 俺の顔の目前に待機していたカークは、相変わらず読めない表情で俺を見つめている。


『中々目を覚まさないから、心配になって』


 俺の頭の中に、無機質な声が響いてきた。周りを見渡すが、カークしかいない。だけど、今のは喋ったというより、伝わった?


「今のカーク?」


 カークは無言で首を縦に振る。


「お前、話せないの? これ、魔法?」


 カークは再度、首を振った。


 言葉を伝えるってことは、人魔法かな?


 それより、カークに動転して周りが見えてなかったけど、ここはどこだ。他のやつらはどこに行ったんだ? あの後、どうなったんだ?


「カーク。他のやつらを知らないか?」


『知らない。目が覚めた時には、君しかいなかった』


 やっぱり、あの魔法玉が原因か。


『えー。特S、S、Dが魔法玉に飛ばされた件について、全員が目を覚ましたので解説します。言い忘れていましたが、魔法玉にはダミーがいくつか紛れ込んでいます。ダミーに触ってしまうと、吹き飛ばされてしまうのでお気を付けください。では、頑張ってください』


「先に言えよ!」


『先に言えよ!』


 俺とカークの声が重なった。


 なんだよ、言い忘れてたって。あー、むかつく。俺たちが触ったのは、ダミーだったわけね。

 まあ、ビケルも無事みたいだな。さて、これからどうするか。都合よくこいつと一緒になったから、ホセ戦の真意を問いただしたい所だが。こいつが正直に答えてくれるかどうか。


『シュラ君。ホセ君の怪我、大丈夫?』


「え」


 なんだ、こいつ。自分が怪我させたくせに。


「あ、ああ。命に別状はないみたいだが」


『そう。良かった』


 面で表情は見えないが、どうやらホッとしているようだ。


 何か、おかしい。こいつは、傷付けようと思って傷付けたと思ったわけではないのか? 真意が読めない。あの、仮面のせいだ。


 俺は、仮面に手を伸ばした。


『おっと。駄目だよ。この仮面は』


「タイト」


 避けようとしたカークの身体を、地面に縫い付ける。


『なっ。ちょっと』


 俺の強硬手段に、カークは慌てる。しかし、身体は縫い付けられ、どうすることも出来ない。


 俺の手が、易々と仮面を取り外した。


「ソディ?」


 そこには、ソディと瓜二つの顔があった。

 いや、ソディのはずはない。ここにいるわけないし。眼鏡もしてない。


 カークは諦めたようにため息を吐き、着ていたフードを取り払った。その背中には、白い羽が生えている。


「お前は、誰だ?」


 俺でも意味の分からない質問だけど、これしか思い浮かばない。


『私は、カディー・ヤンク』


 カークの言葉が、俺の頭の中に静かに浸透した。


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