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第四話 ブランディの店とペンダント

そこは薄暗い店だった。


レックの言うとおり評判の店なのだろう、客は大勢いたが


みんな赤い顔をしてジョッキを片手に歌ったり大声を上げたりしていた。


その様子を見ると瑠奈はますます憂鬱になった。


「腹減った〜早くっ早くメニュー頂戴!」


レックは待ちきれない様子でメニューをひったくった。


「おいおい、そこまでしなくても飯は逃げていかないぜ?」 そういうピノにレックは


「だって、腹へって死にそうだよ、あっブランディさん、オレとりあえずワイン!」


瑠奈は飲んでいた水を噴きそうになった。


「ワインって、あんたまだ子供じゃない!」


「子供ったてもう12歳だぜ?ワインくらいみんな普通に飲んでるよ。」


そう言ってレックは持ってこられたワインをぐびっと一気に飲み干した。


おかわりを頼もうとしたレックのゴブレットを無理やり取り上げ


「まあ、お前の場合酔い方が普通じゃねえから2杯目はビールにしろよ」


とピノが言った。


「ビールだってお酒じゃない、レックまだ未成年でしょ?」


そう言った瑠奈を3人が不思議そうに見つめる


「ミセイネンってなんだ?」


ジャンに言われここは別の世界でそんなこと関係無いんだって気がついた。


「まあ、まだ子供って意味だろうがここでは水は貴重な飲み物でな」 ピノが話し出した。


「ビールって言っても度数もいろいろある、強いのもあればほとんど水ってのもあるから大丈夫だ。」


そんな話を聞いてるうちに瑠奈は落ち込んでるのが馬鹿らしくなってきた。


「じゃあ、私もワインください!」


「ルナ、ワインは結構強いよ、大丈夫?」


それを聞いたジャンは心配そうに言った。


「大丈夫よ!12歳の子供が飲めるんでしょう?私15歳だもの(飲んだことは無いけど)絶対飲めるよ!」


そう言ってブランディさんが持ってきたゴブレットの中身を一気に飲み干した。


「おー、いい飲みっぷりだな」


感心したようにピノが言った。


「へへへっ」


そう言った瞬間瑠奈は目の前が回りだした。酔って頭がボーっとしたおかげで周りの音が遠くに聞こえるようだ。


「それにしてもマリィーは何故ルナをつかわしたのだろう、異世界から来たって事は魔力もそれほどあるとは思えないし・・・」


ジャンはピノに向かってそう話した。


「まあな、魔力もそうだが異世界から来たって事は魔術の事もよく知らないだろうし」


ピノのビールを(こちらのほうが度数が強いため)ピノの目を盗んでのみながら


「どう考えてもこいつ弱いぜ、ローブ見ただけでも下級魔法使いじゃん、役に立ちそうにねえな!」


とレックが言ったときだけ瑠奈の耳に声が届いた。


「どういうこと?私の悪口?」


瑠奈はレックの大きなえりをつかんで叫んだ。


「何だよお前!顔真っ赤じゃん酔っ払ってんのか?」


そう言うレックを瑠奈は睨みながら


「酔ってなんかいないわよ!大体何よ人を勝手に呼んでおいて○△@:*×〜・・・」


「酔ってるな・・・」


「そうとうやばいな・・・」


ジャンとピノは顔を見合わせた。


4人のやり取りを見ていたブランディさんが話に入ってきた。


「このお嬢さん、魔術の方は知らねえが鍛えれば魔力はたいしたもんだと思うぜ。」


「どうしてですか?」とジャンが聞き返した。


「そのペンダントさ、それは力の強い白魔族の娘だけに生まれたときから付いてくるってやつだろう?」


「ああ、そういえば、」


「今まで気がつかなかったな。」


ジャンたちが答えるとブランディさんは笑いながら続けた。


「オレも今までいろいろ見てきたけどこんなにでかいのはじめて見たぜ!こりゃきっとこの娘大物だぜ!」


レックは口を尖らせて


「でもこんなに光ってねえやつもはじめて見たぜ!でかけりゃいいってもんじゃねえんじゃってて・・・てめえ何すんだよ!」


レックの耳を引っ張りながら


「何よあんた!おじさんが言うように私は大物なのよ!わざっわざっマリィーってやつがこんなとこ呼んだくらいですからね!」


そこまで言うと瑠奈はテーブルに頭をつけて寝てしまった。


「なんだよこいつ酒癖悪りぃ〜」と言うレックを呆れ顔で見ながら


「酒癖はお前といい勝負だぞ。」とピノ。


ジャンは他の客の相手をし始めたブランディさんに


「さっきの話ですけど・・」と切り出した。


ブランディさんはジャンの方に向きなおした。


「どうしてペンダントが大きいと魔力が強いと思われたんですか?」


そう言うジャンにブランディさんは、


「ああ、オレの生まれた村に昔からの言い伝えがあってな、大きな石を持ってる娘が他の石の力を吸い取ってこの世を救うって、たしか石の名前が・・・」


そう言って考え込むブランディさんをジャンはじっと見つめた。


「そうだ、そうだ思い出したぞ、確か[月のしずく]だ!」


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