第三話 コペハの街まで
「腹減ったよ〜ジャンまだコペハには着かねーの?」
「もう少しだから我慢しろよレック」
「だってもう腹減りすぎて歩けねえよフラフラするし・・・ピノだって腹減ったろ?」
「俺はまだ大丈夫だが、ジャン、レックに何か食い物やったら?」
「わーい!ピノやっさし〜!!!」
「だめだよ、食べ物は貴重なんだから、もう少し我慢しろよレック」
「けっ、ジャンのけち!!」
3人の会話を聞きながら瑠奈はトボトボと歩いた。
それも一時間前のこと・・・
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「さんっさんねんって、どこが簡単なのよ!!!」
瑠奈は子供に向かって叫んだ
「別にオレは答えが簡単だって言っただけで、簡単にできるなんていってないぜ?それにここでいろいろ愚痴ったってしょうが無いじゃん、やるしかないよ!」
もう一人の小人もこう続けた。
「確かにレックの言う通り、我々には帰す魔力など無いのだからやるしかないよお嬢さん」
瑠奈はクラクラする頭でもうやるしか無いんだと覚悟を決めた。
「わかった、じゃあ私もあなた達と旅をしてその魔王とやらをやっつけるわ」
子供がニコニコしながら手を差し出した
「物わかり良いじゃん、オレはレックよろしくな!」
続いて小人が
「私はピノだ、よろしくなお嬢さん」
それからジャンが
「白き魔女、あなたの名は?」
「瑠奈よ」
「ではルナ、これから長い旅になると思うがよろしく」
そういうと手を差し出し2人は握手した。
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いつ帰れるかもわからないこの状況で瑠奈の不安は増すばかりだった。
しかもこの3人ときたら瑠奈の気持ちなど全然気にしない様子で楽しそうにしている。
「ねえルナ、ルナも腹減っただろう?」
突然レックに話かけられて瑠奈はびっくりした。
「私は空いてないけど・・・」
「ちぇっ、ルナも減ってたら食いもん分けてもらおうと思ったのに〜、結局街まで我慢かよ」
レックはお腹を押さえて空を見ながらフラフラと歩いた。
突然振り返り
「ねえルナは街に着いたら何が食いたい?コペハのブランディさんの店、すっげえうまいって評判なんだぜ?」
「私いまお腹空いてないしいいよ」
そんなことどうでもいいと思いながら瑠奈は答えた。
レックは目を見開いて
「え〜っルナ食べないの?なんでなんで?」
瑠奈はレックの相手をするのがうっとうしくなってきた。
「おいレック、ルナは突然別の世界に来て落ち込んでるんだから、そっとしといてやれよ。」
ピノがそう言うとレックは
「だって飯食わないなんて考えられないぜ?」
それを聞いたジャンが笑いながら言った
「確かにレックには考えられないだろうな」
「どういう意味だよジャン」
レックは頬を膨らませてジャンをにらんでる、そうしてるうちに前方から灯りが見えてきた。
「街だ!街が見えたよジャン!!!」
レックが叫び4人は急ぎ足で灯りに向かった。