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共通ルート「出来事本番」

明累の予言、当日。

さて、今までいくつかの前日の僕の行動を見てきたと思う。

あの中でどのルートが実際に起きた出来事だったのか、

実際には前の日に僕は何をしていたのか、

あえてここでは語らないでおこう。

2つだけ、言えるとすれば、紫音ちゃんが今日どう死ぬのか、

結局何も分からなかった。それと、紫音ちゃんと

携帯番号とメールアドレスを交換する程度には仲良くなった、

ということだけ。

だから、

ちょっとした策を用意することにした。


視点を変えよう。


私、一道紫音はその日普通に路上を歩いていた。

その日もいつもと同じく、普通に終わっていくものだと思っていた。

目の前にハデな着物を着た男が、拳銃片手に向こうから歩いてきた。

いい年した大人が公園で鳩でも撃ちに行くのだろうか。

世も末な気がするなあ・・・。

「・・・あ」

私の携帯電話に火差君から着信が。

「・・・もしもし」

「あ、紫音ちゃん?僕、妃傘だけど、今から僕の言うとおりに

動いてくれない?」

「どうしたの?急に・・・」

「事情は後で説明するから。とりあえずめを閉じてその場に

しゃがんで」

「はあ・・・」

意味は分からないがとりあえず言われた通りに目を閉じてしゃがむ。

「ありがと」

そう言って火差君は電話を切った。

よくわからないまま、もういいのかな?と思って目を開けようとした

その瞬間、


銃声が聞こえた気がした。


目を開けてみると、さっきの着物の男が倒れていた。

両肩から血を流し、拳銃は落としていた。

「ぐ・・・!」

男がうめく。

意味が、分からない。

何が、起こったのだろうか。

「どうも、明累さん、2日ぶり?1日ぶり?この場合

どっちでしたっけ?まあいいや、どっちでも」

声に振り向くと、

「火差・・・君・・・?」

火差君がいた。

「やあ紫音ちゃん、怖い思いさせちゃって悪かったね」

声色は優しいものの、火差君の顔は全然笑ってなかった。

「どうして、私がその子を殺すと分かった?」

着物の男が立ち上がって、うめくように言葉を発する。

「分かりませんでしたよ。全然、さっぱり、これっぽっちも」

「ならば・・・」

「ですが、病死や自殺だっていうんなら僕にはどうしようも

ありませんでしたが、他殺なら予防策は張れますんで」

「予防策・・・だと?」

「ええ。僕の知り合いにメイドさんをたくさん雇っている人が

いまして、その人達に協力してもらいました。

予め紫音ちゃんの行動をメイドさんに監視してもらって、

合図をもらったら僕が紫音ちゃんに電話をかける」

「・・・なるほど、あの時この子が目を閉じてしゃがんだのは

君の命令か。私の『未来視』を封じるため・・・」

「その通りですけど、命令じゃなくてお願いと言ってもらいたいですね。

あなたが殺すという可能性は一応頭にはありました。

だってあなた、あまりにも軽々しく死ぬとか言うんですもん。

合図であなただと分かったので、作戦を実行しました。

あなたの『未来視』は人の心を覗いて未来を読むものだって

言ってましたよね?つまりあなたは未来を知るためにだれかの心を

覗く必要があるということ。当然、死角からの攻撃は未来視で

読むことはできない。ですが、もしそうやって傷つくあなたを

見ている人がそばにいたら?例えば、紫音ちゃんの心を覗いて

自分が撃たれてしまう未来を予測してしまっては弾が外れてしまう

能性もあった。

だから紫音ちゃんには、何も見ないでも・・・・・・・らったんです・・・・・・

見ていないものは未来としてしることが出来ないでしょう?」

理解ができない。

私が死ぬって、どういうこと?

「火差君・・・」

「うん」

「私が死ぬって・・・」

「ああ、それは・・・」

火差君が何か言おうとした時、

「ククク・・・ハーハッハッハ!!」

着物の男が笑い出した。

「まさか、まさかまさかまさか!これで未来を変えたつもりに

なっているんじゃないだろうね!?

私の特点が未来視だけ・・だと思ったら大間違いだよ!」

着物の男が真っ黒な影になって、シルエットが変わる。

とりあえず私にはそうとしか表現できない。

「まさか、特点が2つ!?」

火差君がさけんだ。

「そうだよ!その通り!私は世にも珍しい特点を

さらに珍しくも2つも持っている身だ!さあ!ここからが!本番だ!

私に未来を変えられずに絶望する顔を見せてくれ!」

シルエットの変化が終わり、影が実体へと戻る。

着物の男の姿はなく、そこにいたのは、


1匹の、巨大な、竜だった。

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