表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

AB共通ルート「密着調査」

午前9時。赤羽東公園。

なんとなく、1時間早めに来てみた。

お約束な気がしたのだ。


で、紫音ちゃんの方はというと、

「・・・おまたせ」

午前9時30分。

それから30分後にやってきた。

彼女も彼女で、これはこれで、お約束・・・である。

「いや、大丈夫。僕もさっき来たばっかりだから」

と、僕は返しておく。

ここまで全部がお約束な展開だよなあと思う。

「さて、どこに行こうか?」

「誘っておいて・・・考えてなかったの・・・?」

「いやあ、紫音ちゃんがどんなの好きか分からなくてね。

ホラ、僕達普段学校とかであまり話とかしないじゃない?」

「・・・そんな私にいきなりデートの誘いをしてくんだもん。

びっくりした・・・」

軽い気持ちで行動を起こしたけど、『遊び』とはいえ

『デート』なんだよなあ、コレ。

そう考えると、紫音ちゃんのいろんなことが気になるワケで・・・。

例えば今日の服装。

夏らしく水色のワンピース。

少なくとも僕の経験上この服装の子はいなかったような

気がする。

うーむ、新鮮だ・・・。

ご丁寧に白い帽子まで。

何て名前だっけ?中折れハットだっけ?

まあカワイイから名前なんてどうでもいいや。


「荷物持つよ、こういうのは男の仕事だって昔の偉人も

言ってた気がするし」

「そう?ありがと・・・」

場所は変わって赤羽区中心街。基本的に何でもあるから

遊ぶにはもってこいの場所。

僕と紫音ちゃんは、軽い買い物を済ませて現在は中心街を

適当に歩いている。

しかしながら、紫音ちゃんの笑った顔を今日はよく見る。

普段からあまり話はしないが、それでも、学校であまり笑顔で

いるところは見ないので、紫音ちゃんの笑顔は僕にとっては

レアだったりする。

いや、まあ、デートなんだからあんまり相手の笑顔が

見られないと不安になっちゃうんだけどさ。


「いらっしゃいませー!」

お昼はファーストフード店『クイックバーガー』で

食べることにした。

チョイスにしても店名にしても、

安直と言えば安直。シンプルで分かりやすいとも言う。

「・・・今日はありがとね」

「へ?」

いきなりお礼を言われた。デートに誘っただけなのだが。

「私、友達いないから・・・。誘ってくれてすごく嬉しかった。

本当にありがとう」

そう言った紫音ちゃんの顔は、実に優しい、優しい笑みだった。

「お礼ならデートの最後に言うものだよ、今日はまだ、

時間あるんだし」

「うん、そうだね・・・」

「それに、なんとなくだけど紫音ちゃんのことも知れたしね、

また誘うよ」

「・・・うん」

・・・あれ?言ってて不安になってきた。これってフィクションとかの

世界だとヒロインが死ぬパターンに入らないか?

ええ?大丈夫だよね?

・・・まあ、大丈夫か。


明日、僕ががんばればいい話だし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ