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ルートi「蛇足」
「ヒガサ君、結局のところ、君はどう思ったんだい?」
サイカが尋ねて来た。
明累が死んで、紫音ちゃんの脚が動かなくなったあの日から
2日後の昼、
「ヒガサ君、お昼ご飯頂戴」と、サイカはいきなり部屋に入ってきた。
「どうって?何に対して?」
「あの結果に対して。ヒガサ君、少なくとも3種類の道は通ってる。
自分で何とかしようとしたり、私のチカラを借りようとしたり、
あえて放っておこうとしたり、
だけどどんな道を通ったところで結果は変わらなかった。
それについてどう思う?」
「・・・」
「まあ、無理に話したくないなら話さなくてもいいけどさ、
分かったんじゃない?もしもの世界、パラレルワールドなんて
ろくなもんじゃないって」
「・・・そうだね」
「君はこの世界に生きているんだからこの世界で頑張るべきだよ。
それに、未来を変えるってことは、その可能性に生きる人々を
殺すってことじゃないかな?それは他殺でもあり自殺でも
あると、私は考えてる」
僕は少しだけ、考えて、口を開いた。
「過去も1本道なら、未来も1本道なのかな?」