特Aクラス⁉︎
…今日はセリーヌの入学式…
「まっま-三つ編みやってー!もうぐちゃぐちゃ自分で毎日なんてムリー!!」
「はいはい、できた!まあ、かわいい。やっぱりななちゃんは何着てもかわいいわねー!すぐに慣れるから大丈夫よ!」
(いまどきお下げかおかっぱって昭和時代じゃあるまいし…琉兄が言ってた通り下着も白だし靴やかばん、靴下やノートにまでマーク入りで全員お揃いってキモッ…一体いくらかかってるんだー!セーラー服はかわいいけど、白地にえりとかふすが濃紺でおなじく濃紺のスカート。タイは中学生が赤で高校生が紺。一度は着てみたかったんだけど白下着じゃないと透けるし 手をあげると脇から下着がちら見えって…どこのおっさんの趣味?)
「なな姉!!すっごいかわいいっ写メ、デジカメもビデオもっ、あっ動いちゃダメ!」
「こないだ散々撮ったでしょ。もう時間無いから早くして!」
「僕も一緒に行きたかったなっあっそうだめがねして、あと体育館は寒いからカイロ貼って!」
「めがね?私目悪くないんだけど。」
「うん、だてだよ!おさげと言えばめがねだって蓮(のお兄さん)が言ってたよ!」
「蓮が?うーん…よくわかんないけどかけないとこわいし、わかった。」
「ななみ~制服姿おがみに来たぜ!」
「あっ蓮と琉兄!どう、どう?」
(んっメガネ?ななみって目が悪かったっけ?)
「おっいいね!目線は上でアヒル口してっメガネをちょっと下げて!はい、ちーず!すっげーいいーめがねっこ萌えだ~!!!蓮!優!羨ましいだろ~!待ち受け決定だ!お前ら欲しいだろーやらねーぞー!!次はメイドと猫耳だ~!うをっ優!苦しー頼むからやめてくれ〜!?ギブギブ!!あれっ俺のスマホが!?蓮!?かーえーせー!あーーーー勝手に見るなー!!」
「ななみちゃんフォルダ?麗子さんフォルダ?」
「えっ私とママのフォルダ?琉兄どういうこと!?」
「死ね、変態…」
「蓮、そんなこと言うなよ〜!どっちも捨てがたいベストショット満載なんだぜ~!青い果実と熟れた果実っ!そろそろバックアップしないとな〜16Gだと高いんだよね〜」
「はい、返す」
「うおーーーーー!!!!ない、フォルダがない・・・蓮っおまえ何やってくれてんだー!!スク水姿のななみショットなんて一生撮れないんだぞー!!」
「なな姉のスク水姿!?僕も持ってないのに!!蓮っ何やってんだよー!!!」
(聞かなかったことにしよう…)
ぎゃーぎゃー
「ななちゃーん?まだー?パパが車で待ってるわよー!」
「はーい!じゃあ行ってくるね!!」
緊張してきたな…
「ななちゃん大丈夫?顔色悪いみたい。」
「えっぜぜぜんぜん大丈夫だよ~やだなあ、ままったら!へーきへーき」
「あらやだ渋滞?間に合うかしら?」
「朝だからしょうがないよ!明日から電車で行くから今日だけだし式は10時からだから大丈夫だよ!」
「なんだかままの方が緊張してきたわ。車に酔いそう…」
「うそっ大丈夫?」
「そういえばパパ一言もしゃべらないけど…」
(ななみの父親でよかった。お嬢様学校に入れるなんて、ああなんてラッキーなんだ!会社の同僚の羨ましい攻撃…男なら誰しも一度は入ってみたいよな。しかも麗子さんの学び屋だー!今も綺麗だが学生時代はもっとだろうなぁ、その頃の麗子さんに会いたかったなぁ。せめて想像だけでも…考えただけで幸せだ~)
「あっそうだパパに運転まかせて歩いて行けばいいのよ!ななちゃんに校舎の案内もしたいし。じゃあ、あなた終わったら電話するから駐車場で待っててね!」
「パパ!行って来まーす☆」
「えっえっちょっと待ってー!今日この日の為に頑張って休み取ったんだぞー!って聞いてないし。おーいおいてーかないで〜!!あああいっちゃった。。。いいんだ、いいんだ、父親なんてそんなもんだ、ちっくしょう!」ドンマイ!
「学校は車での送迎は禁止してるんだよね。」
「特Aクラスと小等部までは敷地内まで送迎可能だけど、それ以外は皆、駅のロータリーや大学側の駐車場で待ち合わせしてるみたい。昔から電車通学はあんまりいないのよ!」
「特Aクラス?」
「金持ちや成績優秀者、有名人の子とか?とにかく誘拐や犯罪に巻き込まれる可能性のある子を特Aにして通学途中や課外授業中に犯罪に巻き込まれ無いようにしてるの。車での送迎も誘拐されたら学校の責任問題になりかねないからOKしてるのよ。」
「はぁ、誘拐って物騒だね。お嬢様は大変だ。うちみたいに建て売りに住んで軽自動車乗り回してたらさすがに誘拐犯も狙わないだろうけど。」
「何言ってるの?ななちゃんはかわいいんだから気をつけましょうね、お金目的だけじゃないんだから!」
「親の欲目とはよく言ったものだね、世間一般では並でしょ!むしろ優斗の方がよっぽどかわいいじゃん」
「優君は確かにかわいいけど男の子だから大丈夫。でもななちゃんはもう少し自覚を持ちなさい。」
「はいはい。。。」
「そうだ優君に写真撮影をパパが頼まれてたけど置いて来ちゃったわね、」
「いやむしろ高校の入学式で写真撮りまくってたら恥ずかしいし良かった。パパごめん!」
渋滞の原因って入学式?なんか高級そうな車がいっぱい…
うわ〜皆同じ髪型に同じ格好で同じ方向に向かって、虫の大群みたい…
「おはようございます。新入生はあちらの掲示板の前へ行きクラスの確認をした後係りの指示に従ってくださいね。保護者の方は危険物が無いかの手荷物検査とカメラ撮影は禁止となっておりますのでカメラのお預けをしてからホールへ移動してください。」
「撮影禁止なんだ…まま、後でね!」
クラス発表を見てからホールか…
友達出来るかな
うわー9クラスもあるんだ!1クラス30人だとしてもすっごい人数…
あれ?私の名前が無い!?見間違いかな、
もう一度最初から、落ち着け私!深呼吸っと
ま・ま・牧田じゃないし
あれれ??
無い、無い!もしかして、まま 入学金払うの忘れた?もううっかりさん!
えっ制服着てここにいるって私相当痛い奴っ?
どうしよー!泣
「おはようございます。どうかされました?」
「えっあのー名前が無いんです。泣」
「名前が無い??あなたのお名前が無いんですか?」
「はい牧瀬七生が何回探しても…」
「ああっ特Aの!特Aは貼り出さないんです。案内しますのでついて着て下さい。」
「えっそうなんですか?びっくりしたー!!!てっきり入学金払うの忘れたのかと思っちゃいました!あー焦った。」
「牧瀬さんは面白い方ですね。」
「いえいえ普通です〜。ん!?特Aって言いました?言いましたよね、えっ何でナンカノマチガイデース!」
「あのーさっきから大丈夫ですか?」
「いえいえ全然大丈夫ですけどね、特Aなんてありえません!」
「クラスを決めるのは学校なのでとりあえずついて来てください。」
「…」
一体全体どうなってるの?私が特Aなんてありえなーい!!