第3章 ホームページ・・・
「っ!?」
俺は、その文字を見てもしばらく受信メールを見る事が出来ず、携帯を片手に固まっていた・・・
この状況を理解するまでにしばらく時間が掛かっていた為だ。
(海から・・・!?)
俺は、混乱する頭を無理やり抑え、海から来たメールを開いてみた・・・
するとそこには、タイトルと本文は無く・・・
何故か、ホームページのURLだけが書いてあった・・・
それを見て、さらに俺は混乱する事になったが・・・
俺は、自分でも気付かない内に、そのURLにアクセスしていた・・・
俺の意思とは関係無く、指が動いていたのだ・・・
受信メールの画面から、インターネットの画面へと切り替わり・・・
そのURLのホームページが開かれた。
(・・・?
・・・・・・なんだこれ?)
携帯に表示されたページは、画面全体が真っ白なホームページだった。
俺は、不思議に思いながらも画面を下へとスクロールさせていると・・・
ちょうど、画面の中央辺りにある数字が書かれていた・・・
「2006.7.24」
(・・・7月24日は・・・終業式の日・・・・・・
そして、海達が肝試しに行った日・・・)
俺は、嫌な予感がしながらもその数字の部分をクリックした・・・
すると、今度は赤い背景に黒い文字で・・・
「7.24−PM 23:12・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
日付けと共に、何か小説の様な文章が一面に表示されていた・・・
「・・・お〜い?仁戸田?次の授業、体育だぞ?着替えなくて良いのか?」
俺が、携帯の画面とにらめっこしていると、後ろから同じクラスの奴に放し掛けられた為、意識が現実に戻された。
「・・・えっ?あ、あぁ・・・・・・今から着替える。
って、あと3分しかねぇじゃん!?」
俺は、急いで着替えて授業に向かったが、今日の授業は全く身が入らなかった。
海から送られてきたメールと謎のホームページの事を、ずっと考えていたからだ・・・
ようやく、学校も終わり・・・俺は、急いで家に帰りもう1度あのURLにアクセスした・・・
俺は、昼休みに見てみようかと思っていたのだが、学校では色々と邪魔される事がある為、家に帰ってからアクセスする事にした。
もちろん、休み時間に海にメールの意味を聞こうと、電話をしてみたが・・・結果は、いつもと同じで繋がる事は無かった。
メールも、送ったりしたのだが返信はまだ返って来ていない。
携帯の画面に、また真っ白な画面が映し出される・・・
俺は、朝と同じように画面をスクロールさせ、もう1つのページへとジャンプした。
「7.24−PM 23:12・・・」
今の時刻は、11時過ぎ・・・
辺りは、漆黒の闇に包まれ、時折聞こえてくるのは虫の鳴き声だけ・・・
『なぁ・・・本当に行くのか?』
『当たり前だろ?」
俺の名前は、藤堂 海。
A高校に通っている、17歳の学生だ。
今、俺は友人の「夏といえば・・・」と言うありきたりな提案で、廃病院に肝試しに来ている・・・
(なんだこれ・・・?
肝試し?廃病院?・・・・・・
それに、話の中に出て来てるのって、海の事だよな・・・)
俺は、この疑問を解く為にさらに読み進めて行く事にした・・・