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プロローグ
今の時刻は、11時過ぎ・・・
辺りは、漆黒の闇に包まれ、時折聞こえてくるのは虫の鳴き声だけ・・・
「なぁ・・・本当に行くのか?」
「当たり前だろ?」
俺の名前は、藤堂 海。
A高校に通っている、17歳の学生だ。
今、俺は友人の「夏といえば・・・」と言うありきたりな提案で、廃病院に肝試しに来ている・・・
「それにしても・・・この病院の経営者って、何でこんな所に病院なんて建てたんだ?
ここじゃ、すぐに潰れるだろ・・・」
「・・・確かにな・・・」
今、俺達がいる場所は・・・山の中・・・それも、かなり山の奥の方に入っていった所だ。
病院があると言う事で、さすがに道は舗装されていたものの・・・こんな山奥に患者がやってくるとは到底思えない・・・
「・・・って、こんな所で病院眺めてたって始まらないし、さっさと中に入るぞ」
「え・・・あ、あぁ・・・・・・」
俺は、この時この空間には場違いな「ある違和感」を感じていたのだが・・・
友人が、もう病院に向かって歩き始めていた為、話を切り出せずに病院の中に入って行く事になった・・・




