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闘技場の舞踏会バトル†ダンス四ノ段

はぁ・・・まったく。なんで俺はこんなに不幸なんだろう・・・。


女子の制服を着て。女子の下着を着て。女子と同じような言動をとっている。これじゃまるで変態じゃないか・・・。

いや、まだそれだけならいいんだよ。うん!まだそれだけならいいんだ!ただ今る場所がまずい!非常にまずい!

何故なら俺が今立っている場所は・・・


「初めまして。今日から一年A組に通うことになった「虚無 女偽ウツナシナギ」です。字は、虚ろでなにも無い女の偽物って書きます。これからよろしくお願いしますね」


そう俺、虚無女偽は籠乃咲『女子』高等学校の一年A組の教卓の前に立っているのだから。しかも、女子の制服で(下着も女子ので)。女子生徒の前で自己紹介をしている。『完・璧・変・態!』泣きてぇそして帰りてぇ・・・。


俺が、ここに立つことになった理由を知るためにはかなりの時間をさかのぼることになる。





幽兎と虎時が、初めての獣化戦火を体験した日の帰り道。


幽兎と虎時は、黒翔先生と先輩に


「二人とも今日は、帰れ」

「聞きたいことが色々あると思うが。獣化は、幽兎や虎時が思っている以上に体力を消費する。気づいてないだけで実際は二人ともかなり体に負担がかかっているはずだから」

「今日はもう帰って休んでください。獣化戦火の詳しい説明は明日しますから」

と言われ。幽兎と虎時は、自分たちの家への帰り道を歩いていた。


「虎時〜。今日は、大変な一日だったよね」


「部活見学にいったらいきなり獣化戦火に巻き込まれて」


「獣化して戦って。って本当に大変だったな〜」


「戦かいが終わると幽兎が突然倒れちゃて。あの時は。私、本当に驚いたよ」


「えへへ・・・。気が抜けたら突然意識が遠のいて」


「でも、よかった。大事にならなくて」


「本当にね〜」


話をしていると虎時の家に着いた。


「私の家ここだから。じゃあね。幽兎」


「またね♪虎時」


「またね」


虎時は、鉄製の門を開けて大きな家に向かって歩いて行った。


虎時と別れたあと。私は、頭の中に浮かんだ歌を歌いながら家に向かった。


「冷たい手に♪引き寄せられ♪・・・ってなんだろこんな歌私知ってたっけ?うーん・・・まぁいっか!」


私は、その日。夕飯やお風呂を早めに済まして布団に潜った。獅希先輩が言ったとおり。私は、相当疲れていたようですぐに寝てしまった。



次の日・・・



私は、昨日と同じように朝食を食べ、丘に行き、虎時と共に学校に向かった。

今日の授業は、理科・古典・日本史・体育・英語・数学といういたって普通の授業だった。


放課後・・・


「幽兎。行こう」


帰りの支度が終わる頃虎時が話かけてきた。

「うん♪」


私と虎時は、特別棟にある文芸部の部室に向かった。


ガラガラ!


「失礼しまーす!」


「幽兎。虎時。二人ともよく来たな」


昨日とは違い部室には獅希先輩と麗鹿先輩がいた。


「あれ?黒翔先生はまだきてないんですか?」


「鴉ちゃんは後からくるだろ」


「幽兎。虎時。そろそろ、獣化戦火について説明を始めてもいいかな?」


「はーい♪」


「よろしくお願いします」


私と虎時は、部室にあるソファーに腰を降ろした。獅希先輩と麗鹿先輩は私たちのが座っているソファーとは別のソファーに腰を降ろした。


「では、昨日の復習から始めるぞ。まず、獣化戦火の始め方だが二人に昨日話たように対戦したい部活の部室に行き。そこにいた部員に対戦を申し込み対戦相手が申し込みを受けた場合相手と自分は学校の敷地内にいくつかある闘技場にランダムに飛ばされる。飛ばされたあとは戦闘を行うために獣化する。獣化戦火の勝敗の決め方は、どちらか一方の部活が負けを認めるか参加した部員全員が戦闘不能になった方の負けだ。ここまでで質問はあるか?」


「獣化戦火でおった傷はどうなるんですか?」


私の質問は、麗鹿先輩が答えてくれた。


「獣化戦火の最中におった傷は基本的には獣化戦火が終わって部室に戻るのと一緒に消えてしまうわ」


「なんで、ですか?」


今度は、獅希先輩が答えてくれた。


「獣化戦火で使用する闘技場には強力な「魔」が封印されていて。その魔が、獣化戦火終了時に傷を吸収してしまうらしい」


「らしいってことは・・・」


「私達もどうして傷が消えるのかはよく知らないのよね」


「そうなんですか」


ガラガラ!


部室のドアが開けられ誰かが入ってきた。


「真面目にやってるか?」


入ってきたのは黒翔先生だった。


「鴉ちゃん。今日は遅かったね」


「まあな・・・。私は私で色々あるんだよ」


黒翔先生は、黒い髪と白衣をなびかせ獅希先輩と麗鹿が座っている方のソファーに座った。


「ところで、獅希。麗鹿。獣化戦火の説明はどこまでしたんだ?」

「始め方と勝敗の決め方を教えたところだよ♪」


獅希先輩は、黒翔先生に猫のように体を擦り付けながらいった。


「そうか。ならここからは私が正式に部活に入った後の獣化戦火は体にどんなことが起こるかを説明しよう」


黒翔先生は、獅希先輩を片手でどけながら説明を始めた。


「幽兎と虎時は、まだ仮入部扱いだから体に影響はないと思うが。正式に入部した後の獣化は獣化戦火が終了した後にも獣化した者に影響を及ぼす」


「?」


私と虎時は、首を傾げた。


「体への影響は獣化する者の能力によって変化するんだが。獅希なら運動能力向上。麗鹿なら視力の向上といったように獣化する者に様々な影響を及ぼしていく。他にも正式に入部することで学校以外の場所でも獣化できるようになる。だが、学校以外で獣化できるようになるということは力を手に入れるのと同時に危険をともなう。学校以外で獣化することは闘技場以外の場所で獣化戦火を行うということだ。闘技場以外の場所で獣化戦火を行なえば獣化戦火で負った怪我の傷は消えず。体力の消耗も闘技場で獣化戦火をするのとは比べ物にならないくらい消費する。それに、他の部活に襲われる可能性もあるんだ」


「そうなんですか・・・」


私の声は小さくなった。


「この話を聞いた後だからこそ幽兎。虎時。二人に聞きたい」


黒翔先生は、真剣な眼差しを私と虎時に向けてきた。


「二人は、文芸部に入部するのか?」


黒翔先生の問いかけに私と虎時は悩まずに答えた。


『入ります!』


「ふっ・・・そうか・・・」


黒翔先生と先輩達は、小さく笑った。


「天狼幽兎!」


「はい!」


私は、ソファーから立って返事をした。


「千城虎時!」


「はい!」


虎時も私と同じように席を立った。

黒翔先生も席を立ち叫んだ。


「二人を、文芸部に入部することを文芸部顧問・黒翔鴉の名のもとに承認する!」


黒翔先生が叫び終わるのと同時に私と虎時は白い光に包まれた。


光が消えた時。私と虎時は部室ではなく・・・。


「ここは・・・」


「戦姫の舞踏場・・・」


バサン!バサン!


「なんの音?!」


「幽兎!あれ!」


虎時が、指さした方向には。砂煙でシルエットしかわからないが一羽の巨大な鳥の形をしたなにかがいた。


「なに・・・あれ?」

「あれは、文芸部の守護獣ガーディアン紅き神鳥レッドフェニックスのココルだ」


私の疑問に答えてくれた声が聞こえた方を見るとそこには黒翔先生がいた。


「黒翔先生!」


「ココルは、前に話したランキング上位の部活にだけ与えられるものなんだぞ」


黒翔先生のそばにいた獅希先輩が得意げに言った。


「今から幽兎と虎時には、ココルと闘ってもらう」


「えっ!なんでですか?!」


「理由は後で話す!」

「幽兎!来るよ!」


「ギェェェェェェェェェェ!」


バサン!バサン!


ココルと呼ばれている鳥は、奇声をあげながら空に舞い上がった。

「二人共!獣化して!」


麗鹿先輩が、叫ぶのと同時に私と虎時は呪文を唱えた。


「来て・・・お願い!」


「目覚めよ!我に眠りし!」


「私は、ここにいる!」


「大いなる力!」


黒月兎アイダ!」


獣化メイガス!」


幽兎と虎時が、獣化するのとほぼ同時に。ココルの羽を飛ばす攻撃が幽兎と虎時を襲い砂を巻き上げた。


砂煙が晴れると虎時の大鉄扇がココルの羽による攻撃を防いでいた。


「虎時、ありがと」


「ううん・・・それより。幽兎、ココルは強いよ」


「うん、わかってる」

空に舞い上がり砂煙に姿が隠さてないココルの姿とても異様な姿だった。


ココルの姿は、鎧を着た鳥。否、鳥の形をした鎧いといった方が合っている姿だった。


「ギェェェェェェ!」

ココルの二回目の奇声は、一回目奇声とは違い音の壁となって私と虎時を襲った。


「虎時!退がって!」

タンッ!


虎時は、後ろに後退する。


「ハァァァァァッ!」

ヒュジュイン!


幽兎の鎌による一閃が生み出した真空の斬撃が音の壁を切り裂く。

「終わりへの攻撃アウトポイント


開いた防御形態の大鉄扇を閉じた攻撃形態の大鉄扇に変更した。虎時は、音の壁の中に幽兎が作った道を抜け。上空いたココルに強力な打撃を叩き込んだ。

「ギュウゥゥゥイ!」


虎時の打撃を受けたココルは、真下に高速で墜落し地面に激突した。


「よし!」


虎時が、空中で手応えを感じていたが。


バサン!


ココルは、何もなかったかの様に起き上がった。


「虎時の攻撃を受けたのに。なんで?」


スタンッ!


地面に着地した虎時がいった。


「もしかしたら。ココルは、再生能力を持っているのかも・・・」

「どういうこと。虎時?」


「私が、空からココルの背中を見たとき私が攻撃した傷がもう消えていたの」


「再生能力か・・・でも、再生だけなら私の鎌で・・・」


「再生を無効にしてダメージを与えられる」

「うん」


「私が、援護するから幽兎がココルに攻撃して」


「わかった」


「行くよ・・・幽兎!」


私と虎時は、ココルに向かって走り出した。

バサン!


ココルの羽の弾丸が真っ直ぐ。幽兎と虎時に向かって飛んでいく。

「消えた軌道エンドダメージ!」


虎時の大鉄扇が開き。羽の弾丸を防いだ。


「はっ!」


虎時は、開いた大鉄扇を振るい。突風をココルに向かって放った。


「ギュウイィィ!」


ココルは、翼を羽ばたかせ風を起こし虎時の突風を弾いた。


風と風のぶつかり合いにより砂が舞い上がりココルの視界を塞いだ。


「いまよ!幽兎!」


タンッ!


幽兎は、空へ高く舞い上がる


「はぁぁぁぁ!貫く黒き残光ブラックブラッド


空高く舞い上がった幽兎から放たれた黒き一閃がココルを切り裂いた。


「ギャ・・ィィ・・・ィ!」


うめき声と共にココルは消失した。


「やった!やったよ!虎時!」


「やったね!」


私と虎時が、喜びの声を上げていると黒翔先生と先輩達が近づいて来た。


「よくやったな二人共」


「あのココルを一撃で倒すとはな」


「えぇ。凄い一撃でした」


黒翔先生、獅希先輩、麗鹿先輩の順番で誉め言葉を貰う幽兎と虎時。


「そういえば。黒翔先生なんで私と虎時は、ココルと闘わなきゃいけなかったんですか?」


「あぁ、その話は部室に戻ってから話そう」

黒翔先生が、白衣を翻すのと同時に私たちは部室に戻った。


部室に戻った後。みんなで部室のソファーに座って話を始めた。


「さっきの話の続きだが。本当は文芸部には入部試験があってな。その入部試験っていうのが・・・」


「ココルと闘かうことなんだよ♪」


獅希先輩が、話に割って入ってきた。


「文芸部の部室に入るにはまずココルを倒さなきゃいけないんだけど・・・」


「幽兎さんと虎時さんは、ココルを倒さずに入って来ちゃったのよ・・・ね!」


黒翔先生にくっついていた獅希先輩を引っ張りながらいった。


「だから、幽兎と虎時には、入部と一緒にココルに闘ってもらったんだ。」


獅希先輩を体から離された黒翔先生がいった。


「そうだったんですか・・・」


「そうだったんだよ♪」


笑いながら獅希先輩が、話していると・・・



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