裏切られて殺されたのでそのままゴーストとして最強を目指し 同じ境遇の同胞を集めて裏切った連中に復讐してみた
「……やっと来たな」
暗闇の中で俺が声をかけると、裏切り者たちは幽霊でも見たかのように(実際そうだが)顔を強張らせた。
「お、お前は……!」
「あぁ、俺だよ。憶えてるか?」
「し、死んだはずじゃ……!?」
「あぁ、死んだ。お前らに殺されたんだよ。……お前のことも憶えてるぜ、クソ女。まあいい、さて……。お前らには、俺と同じ苦痛を味わってもらう」
俺は静かに、だが逃げ場のない冷徹な声で告げた。
「じっくり長く。永遠に忘れないよう、その魂に苦痛を刻み込んでやる」
………………
……数時間が経った。
ガタン。
重い扉を開けて外に出ると、ずっと待っていた彼女が声をかけてきた。
「イアソン、もう終わったの?」
「……じっくりやるって言っただろ」
「そう……。ねえ、少しは気持ち、晴れた?」
「………………」
俺は答えず、遠くの空を見上げた。晴れるわけがない。奪われた時間は、復讐しても戻ってこないのだから。
沈黙を察したのか、彼女は明るい声を出し、俺の袖を引いた。
「そ、そうだ! 少し変わったものを見つけたの。見に来て」
「変わったもの?」
「ええ、こっちよ!」
彼女の足音についていくと、そこには古びた屋敷が立っていた。
「ただの寂れた屋敷じゃないか」
「ほら、よく見て」
「………………ん? かなりの力を感じるな」
「でしょ? 気になって少し調べたんだけど。何年も傭兵を食べてるゴーストが住み着いてるみたい」
「ほう……」
「そのゴーストも、私達と同じで……きっと何か、理由があるはずよ」
彼女の言う通りだろう。恨みも理由もなく、これほどの力を蓄えるはずがない。
「まあ、理由が何にせよ、この力の量は早めに対処した方がいいな」
「流石、大英雄ね」
「……よせ。今じゃ、誰も俺のことなんて覚えちゃいないさ。さあ、行くぞ」
自嘲気味に歩き出す俺の背中に、彼女が小さく呟いた。
「私は……憶えてるけど」
「何をブツブツ言ってる。早く来い」
「ちょっと待ってってばー!」
(完)




