振り返ればキミがいる
日常はとても静かです。
でも、気づかないだけで、
何気ない仕草や時間は、
ちゃんと誰かの目に映っているのかもしれません。
これはそんな一日の、小さな記録です。
ある晴れた日のこと。
「こんな日は洗車しよう!」
そう彼女に伝えると、
「たまにはいいわね。あなたにしては、良いこと言うじゃない」
まるで僕が普段からズボラみたいな言い方をしながら、
彼女は手際よく洗車の準備を始めた。
バケツを用意して、ホースを伸ばして、
迷いのない動きで車に向かっていく。
その様子を、
僕は少し離れたところから、ぼんやり眺めていた。
洗車が終盤に差しかかる頃、
空からパラパラと雨が落ちてきた。
「あら……私のレンズも曇って、何も見えないわ」
そう言いながらも、
彼女は段取りよく後片付けを続けている。
僕はなぜか、
にやけた顔のまま、しばらくその姿を見つめていた。
すべて片付けが終わり、
少し静かになったところで、
「今日は頑張ったから、疲れたなぁ」
そう言って、背筋を伸ばし、あくびをした。
その瞬間、、、、、、
「あなた……
ずーっと私のこと見つめて、にやにやしてただけじゃない?」
僕はビクッと、、、冷や汗を、、、かいた。
何もしていなかったつもりの時間ほど、
後から思い返すと、少し恥ずかしくなるものです。
誰かと過ごす日常には、
そんな勘違いが、
静かに紛れ込んでいるのかもしれません。
-自転車を新しく買いました-




