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『モモスケのひねくれ純愛観察日記』  作者: ちょいシン


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《第五章》第四節:従業員たちの考察と、深まる絆の予感

どうも、モモスケだ。八女愛子が去った後、会社の従業員たちは、あの面接の出来事を肴に、桃と真司の関係について考察を始めたぜ。俺のひねくれた目から見ても、彼らの分析は的を射ていた。この一件で、二人の絆は揺るぎないものになったようだ。

八女愛子との面接後も、他の応募者の面接は滞りなく進められた。桃は、何事もなかったかのように、真剣な表情で面接官を務めている。真司もまた、桃の隣で、いつもと変わらぬ冷静さで補佐していた。


だが、休憩時間になると、従業員たちの間で、先ほどの出来事が話題の中心となった。


「桃社長、すごかったですね! あの八女さんを、一言で黙らせちゃうなんて!」


佐藤が目を輝かせながら言う。


「いや、本当に肝が据わってるよ。あんなに堂々と啖呵切れるなんて、社長の鑑だ」


田中が感心したように頷く。


「ていうか、真司さん、桃社長に守られてる感じ、最高でしたね! あの後、真司さんが桃社長に『ありがとう』って言ってたの、見ましたよ!」


山田が、興奮冷めやらぬ様子で続ける。

俺は、桃の肩の上で、彼らの会話に耳を傾ける。彼らは、俺が見たものを、細部にわたって共有しているようだ。


「あの状況で、真司さんも何も言えなかったんだから、桃社長が守ってくれたんだよな」


田中が深く考察する。


「やっぱり、真司さんって、ああいう、ちょっと弱気なところがあるじゃないですか。そこを、桃社長が補ってるというか……」


佐藤が、少女漫画のような視点で分析する。


「そうそう! 凸凹カップルだけど、だからこそ、いいんですよ! お互いを支え合ってる感じが、キュンとくる!」


山田が、興奮気味に身振り手振りで語る。


彼らは、口々に桃と真司の関係性を分析し、その絆の深さに感嘆していた。

俺は、そんな彼らの考察に、密かに同意していた。

確かに、真司は口下手で、時に弱気な部分もある。だが、桃はそれを理解し、彼の足りない部分を補うように、強く、優しく支えている。

そして、真司もまた、桃の情熱や、時に見せる脆さを、静かに、そして力強く支えている。

彼らは、まさに「お互いを支え合う」という点で、完璧な組み合わせなのだ。


面接が全て終わり、一日の業務を終える頃には、面接室には再び桃と真司、そして俺だけが残っていた。

桃は、今日の面接の結果をまとめた書類に目を通している。真司は、その隣で、今日の面接の感想などを桃に話している。


「今日は、おかしな人も来ましたが……良い人も何人かいらっしゃいましたね」


真司がそう言うと、桃は顔を上げて、小さく笑った。


「うん。大変なこともあったけど、真司さんが隣にいてくれて、本当に助かったわ。ありがとう」


桃は、真司に優しく微笑みかけた。

真司は、その笑顔に、頬を赤く染め、照れたように俯いた。


俺は、そんな二人を見て、深く頷いた。

彼らの絆は、もう誰にも壊せないほど強固になっている。

八女愛子という存在は、二人の絆を試す試練だったのかもしれない。

そして、彼らはその試練を乗り越え、より深い愛情で結びついたのだ。


俺のひねくれた純愛観察日記は、この二人の固い絆を、これからも見守り続ける。

さて、この絆を深めた二人が、これからどんな未来を築いていくのか、楽しみで仕方がない。

従業員たちの考察は、まさに俺の観察通りだったな。桃と真司は、お互いの弱点を補い合い、強みを生かす、最高のパートナーだ。八女愛子という試練を乗り越え、さらに絆を深めた二人。俺のひねくれた純愛観察日記は、この二人の未来を、これからもずっと見守っていくぜ。

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