《第四章》第二節:秘密のランチと、恋の始まりの味
どうも、モモスケだ。ついに恋人同士になった桃と真司。初の二人きりランチに出かけた彼らは、いったいどんな話をして、どんな時間を過ごしたのか? 俺のひねくれたセンサーが、その全てを読み取ってやるぜ。
真司と桃が二人きりでランチに出かけてから数時間後。俺は、いつものようにケージの中から、彼らが戻ってくるのを待っていた。
会社に戻ってきた二人の顔は、どこか満たされているように見えた。真司は、桃がドアを開けるのをさりげなくエスコートし、桃は嬉しそうに微笑んでいる。俺のひねくれたセンサーは、このわずかな仕草からも、二人の関係が確実に深まっていることを感じ取っていた。
デスクにつくと、桃は俺に向かって、まるで秘密を打ち明けるかのように、小声で語りかけた。
「ねぇ、モモスケ。お昼、ね、真司さんが私のために、美味しいお店を探してくれてたみたいで……」
桃の顔は、先ほどよりもさらに赤く染まっていた。彼女は、本当に嬉しそうだ。
「メニューとか、私の好きなものを覚えててくれて……。すごいでしょう?」
桃は、そう言って、幸せそうに微笑んだ。その言葉には、真司が自分だけのために、何か特別なことをしてくれたという喜びがにじみ出ている。
その日の午後、真司は、いつも以上に集中して仕事に取り組んでいた。だが、時折、ちらりと桃の方を見ては、頬を緩ませているのが俺には分かった。そして、桃もまた、真司が一生懸命仕事をしているのを見て、嬉しそうにしている。
夕方になり、仕事が終わると、真司が桃に声をかけた。
「桃さん、もしよろしければ、夕食もご一緒にどうですか?」
桃は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに満面の笑みで頷いた。
「うん! もちろん! 行こう、モモスケ!」
そう言って、桃は俺のケージに手を伸ばした。
俺は、桃の肩に乗せられ、再び真司と桃と、三人で会社を出た。
夕暮れの街並みを、三羽と二人で歩く。真司は、以前のように桃の少し後ろを歩くのではなく、隣を歩いている。そして、二人の手は、時折触れ合っていた。
俺は、そんな二人の姿を見て、密かに笑みを浮かべた。
恋人同士になった彼らの関係は、これから、きっともっと進展していくだろう。
彼らの間には、隠された秘密も、もどかしい片思いもない。
ただ、互いを思いやる純粋な愛があるだけだ。
俺のひねくれた純愛観察日記は、新たな章に入り、さらに深みを増していく。
ランチの味は、恋の始まりの味だったようだ。真司も桃も、本当に幸せそうだったな。この二人の間には、もう隠すものはない。俺のひねくれた純愛観察日記は、ますます深みを増していく。次節も、お見逃しなく。




