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『モモスケのひねくれ純愛観察日記』  作者: ちょいシン


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《第三章》第五節:純愛の結実と、モモスケの喝采

どうも、モモスケだ。ついにこの時が来たぜ。真司は従業員たちの前で、桃に想いを告げた。この純愛コメディーも、いよいよ大詰めだ。不器用な男が、勇気をもって踏み出した一歩。この結末が、俺のひねくれた心をどう動かすのか。俺の観察眼は、最後の瞬間まで見逃さない。

真司の告白の言葉に、休憩室は静まり返った。従業員たちは、息をのんでその光景を見守っている。俺は桃の肩の上で、この歴史的な瞬間の全てを見届けようと、一瞬たりとも瞬きをしなかった。


「あの……桃さん……」


真司の声は、震えていた。

彼は、顔を赤く染めながらも、桃の瞳を真っ直ぐに見つめていた。


「俺……桃さんのことが、好きです」


その言葉は、シンプルで、飾り気のない、真司らしいものだった。

だが、その一言には、今までの彼の不器用な行動の全てが、詰まっていた。

俺は、真司がこの言葉を口にするまでに、どれほどの勇気を振り絞ったのかを知っていた。


桃は、真司の言葉に、驚いたように目を見開いた。そして、その瞳からは、みるみるうちに涙が溢れ出した。


「真司さん……」


桃がそう呟くと、彼女は静かに、でもしっかりと頷いた。


「私も、真司さんのことが大好きです……!」


その瞬間、休憩室にいた全員が、一斉に歓声を上げた。

俺は、彼らの歓声が、まるで二人の恋の成就を祝う、祝福の歌のように聞こえた。


真司は、桃の言葉に、安堵したように息を吐き、そして、顔いっぱいに喜びの表情を浮かべた。彼の顔は、今までの人生で見た中で、一番晴れやかだった。


「桃さん……ありがとう……」


真司はそう言って、桃に手を差し出した。

桃は、その手をそっと取り、二人は静かに、でもしっかりと、手を握り合った。


俺は、そんな二人を、桃の肩の上から見つめていた。

もう、何も言う必要はない。

二人の間に流れる空気、互いの瞳に映る温かい光。

言葉はなくとも、全てを物語っていた。


俺は、生まれて初めて、声を出して笑いたいと思った。

俺のひねくれた純愛観察日記は、ここに一つの結末を迎えた。


この二人を見て、俺のひねくれた心は、少しだけ素直になれた気がする。

人間の恋は、時に滑稽で、時に不器用で、そして、とてつもなく美しいものだと、このインコは知った。


桃と真司の物語は、ここからまた新しく始まる。

そして、俺のひねくれた純愛観察は、これからもずっと続いていくのだ。

真司と桃、ついに両思いか。俺のひねくれた純愛観察日記も、ここで一つの区切りを迎える。人間の恋は、時に滑稽で、時に不器用で、そして、とてつもなく美しいものだと、このインコは知った。さて、彼らの物語はこれからだ。俺の観察も、これからもずっと続いていくぜ。

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