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LIFE Ⅰ  作者: 夏風そよぎ
1/1

・プロローグ ・遺書 ・謎の存在 ・ようこそ、想関界へ ・美しい蝶々

・プロローグ

みなさんは''LIFE''と言われたら何を思い浮かびますか。それは生活であり、命、そして人生でもあるでしょう。

人によって最初に思い浮かぶものは違うと思います。

それぞれのバックボーンや今の精神状態にもよると思います。え、私にとってLIFEとは何かって?

私にとってLIFEとは……


・遺書

みなさん今までありがとうございました。

私はもう生きるのが辛くなってしまいました

今まで私と親しくしてくれた友人たちや優しくしてくれた家族には本当に感謝してもしきれません。このような結末になってしまい本当にすいません。今回自殺ということになった原因としましては、クラス内のいじめであったり不運が重なって精神が病んでいる際にとある蝶を見たからです。蝶というのは幼虫から必死に生き延びて成長し、やっと羽ばたくことが出来ます。そんな蝶が目の前で死んでしまったのです。今まで私は未来に必ず希望があるものだと信じて生きてきましたが、頑張っても直ぐ無くなってしまうと思ってしまったのです。何を言っているか分からないかもしれませんが、その際は精神的に病んでいるからだと思ってください。同じことの繰り返しになってしまいますが、本当に皆様には感謝してもしきれません。今までありがとうございました。

                   八重本 風花


・謎の存在

PM 06:00皆さんこんにちは、私は''やえもと ふうか''と言います。いきなりですが私は今から自殺します。虐められて蔑まれてもう楽になりたいんです。別に友人が居なかったり信頼出来る人が0人という訳ではありません。ほんとにその人たちには申し訳ないと思ってます。今私は飛び降りようとしています。学校の屋上に忍び込み落ちるところです。私は学業が悪い訳でもなくどちらかと言えば良い方で生活態度もしっかりしてるらしいので、課題研究の物のとこに忘れ物をしたから取りに行くと言うとすんなり借りることが出来ました。もちろん下の人を巻き込まないように地上には落ちないとこに落ちるつもりです。私はまるで蝶の様に飛び立ちます。……まだサナギかもしれませんが。こんなこと考えてる時間が無駄ですよね、すぐ飛びます。「……よし」 大きく息を吸って準備を……

「ねぇそこの君、何してんの」

不意に聞こえる声に私は心臓がキュッとなった、ここは誰も入れないように戸締りもしたはず……

「あれ? おーい 聞いてる〜?」

気のせいじゃなさそうだが関わると面倒くさそうだし、死んだら関係ないからもう飛び降りよう。そう思い目をつぶり、身体を前に倒した時だった。ふわんと身体が浮いたと思ったら身体が止まった。何が起こっているのか頭が理解できない。

「何、自殺しようとしてんの? ここから飛び降りて自殺しようって?」

さっきの声が聞こえる、今度は前から。

何が起こっているか分からないし、とても怖い。しかし何もしなかったら何も進まないと思い、恐る恐る目を開けてみると、そこには若い男性が居た、見た目は少年の様でおよそ16歳ぐらい。声からしてもそこら辺の歳だろう。

「で、自殺しようとしてたの?」

もう一度聞かれた、このままじゃ埒が明かないので、私は答えた

「そう、私は今から自殺しようとしてたの」

すると少年は 「なんで?」 と質問してくる。

「貴方に話す必要無いでしょ」

「えー でも自殺するってことは相当な理由があると思うんだけど」

この子は一体何なのだろう。というか今思ったけど、今の私ってどうなってるの!?

そう思い、質問そっちのけで私は少年に質問した。「今の私って一体どうなってるの? 飛び降りたはずなんだけど」

「まずは質問に答えて欲しいな〜」

このガキ腹立つ。でも私だけだとこの状況は理解できないし、答えないと教えてくれなさそうので私は仕方なく

「……いじめられてたの、ずっとね 」

そう応えた、すると少年は

「いじめ?友達とか居なかったの?」

と言ってきた。

私は「もちろん居たわよ」そういうと

「じゃあ友達とかに相談しなかったの? 君多分学生だよね? 教師とか親御さんとかに相談しなかったの?」と、言った、多分彼に悪意は無いのだろうし、純粋な質問なのだろうと思うが、私は何かが切れた気がした。

「相談したわよ! 何回も何回も! 誰も信じてくれない!いや、友人だけは信じてくれるけど!何も解決しない! 内容がどんどんエキスパートして行って! 教師なんて自分の地位とかばっか気にして本当の解決にはならない! 友人も努力はしてくれたけど結局の到着点は教師だし何も変わらない!! 親だって面倒事に巻き込まれたくないんだろうね! なーにもやってくれやしないわ!」

「そっか」

気づいたら涙が零れていた、すると彼は言う

「こんな時に言うべきじゃないかも知れないけど質問にはちゃんと答えるね、今僕たちは空の上で止まってるよ、というかどっちかって言ったら世界が止まってるね」

刹那、一気に涙が引っ込んだ、え、どうゆうこと?

「下見てご覧」

そう言われ下を見ると床は無く遠くに地面が見えるだけであった、よく見ると少年の足元にも地面は無かった、てかなんで浮いてるのこの子。

「何も答えてくれないから時空歪めてねぇ、今狭間の影響で時間が止まっちゃった」

全く何を言っているかわからない。現実味が無さすぎる、こんなのゲームやドラマの世界でしょ。時空歪むとか時間が止まるとか…

あ、そいえば……

「あんたって一体何なの?あの屋上は鍵をかけてて私以外入れなかったはずだし、よく見たら空飛んでるし、まずまず時空歪めるって何よ、ここはゲームの世界じゃないのよ」

私は説いた、すると彼は

「うーん、なんと言えばいいのか…簡単に言うと幽霊……うーんと言うか神に近いかな?」

「……は?」

「いやいや嘘じゃなくてさ!

いや、なんというか説明が難しいんだよ、神がいちばん近しいってことであって」

分かりやすくあたふたしている。これが本当に神なのか。こんなのにみんなお願い事とかしてるのか、そう思うと余計この世がくだらなく思えてきた。というかまず何故私を留めているのだろうか、全く分からない。

「まぁ一旦神だと仮定しとくわ、で、神だとして貴方は何で私を自殺寸前で留めているのよ」

「いやーちょっとね、この世に訪問してたら丁度普通居ないであろうところに人間らしき影が見えたから気になってね、見に来たのよ、そしたら自殺っぽかったから急いで止めてね今に至るって感じ」

「で、何でまだここに留めてるの」

「いやちょっと提案があってね」

「提案? それって何よ、私今からこの時が動きだしたら死ぬから提案なんて受けれないと思うけど」

「いやね、提案ってのは僕の世界に来てくれない? っていう提案なんだけど」

ほんとに意味がわからないわね、完璧になろう系小説みたいじゃない、もしほんとにそうならせめてこんなガキじゃなくてもっとイケメンの人が来て欲しかったわ。

「嫌よ、もう生きるのは懲り懲りだしまずまずあんたの世界なんてろくなもんじゃないでしょ」

「失礼な! 人口は確かに少ないし問題も起きてるから少しでも力が欲しいって状況だよ!」

「そこ良く見せる流れでしょ!? 何でわざわざ悪いところ言って行く気削いでんのよ!」

ほんとに彼は神なのか……ただの一般人が来てるだけなんじゃ……

「まぁそんな感じだけど、どうせ死ぬならちょっと僕たちに手伝ってくれない?」

「嫌よ、なんでわざわざあんたなんかに付き合わなきゃなんないのよ」

「そこをなんとかだのむよ゛ぉぉぉ」

急に泣きついてきた。なんだこいつ気持ち悪ぃ……

「あ、ていうか僕が時空戻さなきゃ君一生このままじゃん」

こいつ最悪なことに気づきやがった、そうである。まずまずこの状況にどうなったかって言うとこいつが時空を歪ませたからである。私には為す術などない。これは非常にまずい、多分これは……

「じゃあ君がこっちの世界来るって決めるまで時空戻さないもんね〜」

ってなると思った。最悪だ、もう逃げ場がない……あれ?でもこのまま放置されてたら人間の性質的に苦しむけど死ぬのでは無いか?じゃあ別にこのまま耐えれば……

「あ、今世界が止まってる感じだから腹も空かないし歳も取らないよ」

なんでこいつ考えとること分かってんだよ……ほんとに逃げ場ないじゃねぇか……

「まぁさ、能力も勝手に付与される世界だし多分大丈夫だよ、1回来てみな案外悪くないと思うからさ、って言っても君に逃げ場なんて無いから反強制的に連れてくんだけどね」

はぁ……私がなんでこんな事に巻き込まれないといけないのよ……自殺なんて考えなきゃよかった……もう逃げ場が無いので仕方なく

「仕方ないわね……着いてってあげるわよ……」

と言うと

「おお!! 待ってましたよお客様! さぁさぁ! 我らが世界! ''想関界''に舞い降りましょう!!」と信じられないぐらいテンションが上がって言ってくる、うるさい、絶対こいつ倒す。

「というかどうやってその世界に行くのよ」

「言ったじゃん! 僕には時空を歪める能力があるの! これで世界を飛ぶよ!」

ほんとに現実味が無さすぎるわね…受け入れるしかないのだろうけど…

「あ、じゃあ1回時動かないと行けないから時空を直すね、元々自殺寸前だから多分落ちることになるから気をつけてね」「え」

急に身体が浮く、そのまま急降下!?

「ええええええええ!?!?」

ドン

目を開けると底は真っ暗だった、え? 死んだ? 絶対に死んだと思う。

「やあ」

死んでなかった。今1番聞きたくない声がした。最悪だ。

「ごめんね〜擬似体験させちゃって」

こいつまじで腹立つ、絶対煮る。

どうやらドラ○もんのタイムマシンの様な物に乗っているらしい。すると奴が

「ねぇ、そいえば君って何って名前なの?」

と、聞いてきたどうせ無言でも意味無いので応える。

「八重本風花よ、そういう貴方は何っていうのよ」

「俺はシン、シンさんでもシンでもいいよ!」

「そう、分かったわガキ」

「お!? 消されたいか!?」

「ほんと子供ね……」

そんなたわいも無い会話をしながら私たちはシンの世界、想関界に向かって行った。この時の私はコンビニ感覚で向かっていたが、そこが思ったより過酷であり長くなるたびになるとは思ってもいなかった。


・ようこそ、想関界へ

私たちが想関界に向かってから早数十分ぐらい経過したところで私はある疑問を彼に投げかけた。

「そういえば詳しく聞いてなかったけど想関界ってどんな所なの? 人口減少だったり大変だとか言ってたけど」

「うーん 言葉で説明するより見てもらった方がわかりやすいと思うけど簡単に言ったら不思議な世界だね、普通そんなとこにそんな物ある!? みたいな感じの世界で特徴といえば皆能力者だよ」

「皆能力者!? それ大丈夫なの!?」

「ぜんっぜん! 大丈夫じゃないよ!」

やっぱ良くないんじゃないか、何故こいつはさっきから肯定な感じで否定するんだろうか、ほんとに癪に障る。ほんとにこんなやつに着いて来ない方が良かったと思う。

「でも能力者って言ってもやっぱ上下関係はあってね、能力が弱い人、簡単に言ったら海水を飲水に変える能力みたいな人は集まって村みたいなとこで生活してるよ」

そんなくだらない能力あるのか……いや、海全部飲水にするってある意味強くないか?……

「そいえば私にも能力着くって言ってたけどどんな能力が着くの?」

弱い能力だったら正直生きていけないと思う。わざわざ異世界まで行って死にたくない。いや私自殺しようと思ってたんだった。なんか変なやつと話したせいでおかしくなってしまったかもしれない。

「何の能力になるかって言うのは僕にはわからないかな、もしかしたら紙飛行機を遠くまで飛ばせる能力とかかもしれないし……」

そんな能力だったら間違いなく死ぬだろう。

「何か決まりとかないの?」

「都市伝説的な感じだけどこの世界に他の世界の人が来た場合はその人が前世でどんな人だったか、とか好きな物とか関わった物に関する能力になるってのは聞いたことあるかな」

「じゃあ海水と飲水に密接に関わってた人が居たってこと?……」

「いや、彼は元からあの世界だから逃げ場は無いよ……」

気の毒だ……私がそんなことになっていたら…いや、私もそうなることがあるかもしれないのか、そう考えるとどんどん怖くなってきてしまった。てか私に関する物って何かあったか?……そういえば

「あんたの能力って確か時空を歪める能力って言ったっけ? それは詳しく言うとどんな能力なの?」

「簡単に言えば今回みたいに世界と世界を飛ぶことが出来るね、まぁそこまで強くないから遠すぎる世界には飛べないけどね……覚醒したら有名ゲームの世界とかにも飛べるかも知れないけど……」

普通に世界飛べるって夢あるわね……

「ちなみに時空の歪みにハマってしまったらどうなるの?」

「え? 普通に無限落下地獄だよ? 出口も無いし終わりもない」

地味に恐ろしい能力だと言うことが判明した。あんまり喧嘩は売らない方がいいかもしれない。そんなことを話していると

「あ、もうすぐで着くよ〜」

と言われた、約1時間ぐらいの旅だった。思ったより世界と世界って近いのね

「ちなみに時空の歪みは落ちさえしなかったら安全だけど外は危険だから油断しないでね」「了解」 「じゃあ行くよ」

いきなり信じられないぐらいの光が目に入ってくる、まともに目が開けれない。

「そろそろ目開けていいと思うよ」

そう言われたのでゆっくり目を開いた。そこには今まで見た事がないような風景が広がっていた。

「ようこそ、想関界へ」

神秘というべきなのだろうか、空は地球と同じような青空が広がっているのだが、草木は紅く染っているとこもあれば氷が張り巡っている所もある、足元には紫色に染まった大地があり、四季など無い自由自在な世界が目の前に広がっていた。

「ほんとに現実とは思えない……」

「まぁ君たちが思う現実とは遠く離れてると思うよ」

確かにここを現実と言っていいのかは分からない。というか私はここに来て何をやればいいんだ?

「ねぇシン、とりあえず着いてきたけど私はここから何をすればいいの? 住むところも無いしこのままだとすぐ野垂れ死ぬわ」

「あ……何も考えてなかった」

「はぁ?」

こいつほんとにふざけてんのか。というか問題が起きてるから少しでも力が欲しいとか言ってなかったっけ……

「うーん、まぁとりあえず宛もないから俺ん家来るか、まだ能力とかも分かってないからそこら辺歩くのはリスクがありすぎる」

そういえば能力が与えられるとかあったわね

「というかあんた家あったのね」

「家というかなんというかだけどね、とりあえず向かおうか」

そう言われ彼の後ろを歩いて行った。少し歩くだけでも景色が変わり、なんか酔いそうになってくる。道と言えるのか分からない道を歩いて進んで行くとそこには町が見えた。

「あそこに家があるの?」

「いや、僕は町には住んでない。あそこはさっきも言った通りあんまり能力が強くない人たちが生活してるからね、僕みたいな神みたいな者は住まない様にしてる」

「なんか複雑なのね、折角だし寄ってかない?」

「うーん、まぁここら辺の町なら多分危険では無いからちょっと寄るだけならいいよ」

ということで進行方向を変えて町によってみることにした。町に着くとそこはなんかほんとにザ・初期の町という感じのやくそうとかしか売ってなさそうな町だった。割と若い人も子供もいて普通に日本と言われても納得するという感じである。というかこれ町と言うより村な気がする。

「あらいらっしゃい貴方たちここの町の人じゃないでしょ〜」

「あ、はい、そうです……」

よくありげな陽気なおばさんが話してきた。ゲームのキャラになった感じがしてちょっとわくわくするが元々少しコミュ障なのでうまく喋れる気がしない……ていうかシンの奴どこ行った!? 周りを見渡しても居ない……いや逃げてんなあいつ……

「あなた珍しい服着てるわねぇ顔も綺麗だし羨ましいわ〜」

おばちゃんがまた話しかけてきた、顔はお世辞だとして、この世界からしたら学校の制服というのは珍しい服に入るのね、学校が無いのかな……?

「紫色がよく似合ってるわよ」

「紫!?」

紫と言われ自分の服をよく見てみると制服じゃ無くなっていた。紫色が主となっており、服は上から下まで繋がっていてオールインワンの様になっている、確かに感触は違うとは思ったけど逆になんでここまで気づかなかったんだと言われるほどには変わっていた。

「ほんとに貴方ここら辺では珍しいわね、能力は何なのかしら」

動揺しすぎて完全に自分の状況を忘れていた。おばちゃんと話していたんだった

「ごめんなさい、私まだ自分の能力分かってないんです」

「え、そうなの?もしかして他世界から来た子かしら、住む所とかある?よければうちの町に住む?」

急に質問攻めのようにされて少し驚く、確かに住むところは無いけど……

「おーい八重本そろそろ行くぞ」

急に生意気な声が聞こえてくる。さっきまで何処言ってたんだこいつ、

「すいません、一応連れが居ますのでご遠慮させていただきます。親切にして頂きありがとうございます」

「あらまぁ、残念 でもいつでも遊びに来ていいからね」

話がわかるおばちゃんでよかった……というか私全然町探索できてないじゃない!それより

「ねぇあんたさっきまでどこ行ってたの」

「いや〜なんか話込んでそうだったからちょっと散策に……」

「絶対嘘ね。あんたもしかしてわかりやすいタイプ?」

結局何をしていたかは分からないがこれ以上聞いても無駄そうなので放っておき、また歩いて行った。そしてさっきおばちゃんにやられたように今度は私が彼に質問を投げかけた

「この世界に来る前に貴方言ってたけど問題が起こってるって結局なんなの?」

「あーそれね、この世界って元々こんな風な世界じゃなくて少しの人たちが生活したりのんびりするだけの世界だったんだけど最近バグみたいなことが起きててね」

「バグ?」

「そう、例えば急に他世界から物や人が入ってきたり、その人が凶悪な能力持ってて暴れてしまったり、なんなら純正な人以外の生物も入ってきててマジで困ってるんだよね」

「急に他世界から来るって、貴方が時空とか管理してるんじゃないの?」

「僕は時空を歪めるだけであって管理は出来ないよ、だから誰かが入ってきても直ぐは反応出来ない」

「なるほどね……ちなみにその凶悪な能力持って暴れるって具体的な例だとどんなのがあるの?」

「最近だとなんでも切ることが出来る能力者が居て世界を切ろうとした奴がいたな」

「それってやばくない!? なんとかなったの!?」

思ったよりやばいことが起きてて身震いする、そんなのに太刀打ちできる気がしない。

「まじでやばかった……一応何とかなりはしたんだけどアイツが来てくれなかったらガチで終わってたかもしれん」

「世界を切ろうとするやつに勝てるやつなんて居たの!?」

「あぁこの世界の死人や現世の超悪人を裁く閻魔だ」

閻魔!? ホントに居るのね……しかし閻魔様がわざわざ来てまでってことはほんとに相当やばかったみたいね……

「お、そんなこと話してる間に着いたぞ〜」

だいぶ草木など森のようなところを抜けた気がしたがやっと着いたのか……

「ここが僕が住んでる家でーす」

そこは神社だった。そう、ほんとに田舎にポツンとあるような神社だった。

「あんた神社に住んでるのね」

「まぁ一応神みたいなもんだからね、あ、ちなみにそこで止まってて、危ないから」

「ん?」急に白光りが目を襲う、しばらくして目を開けるとそこには先程とは打って変わって綺麗な神社が立っていた。綺麗というだけでサイズ感はそこまで無く、階段もそこまで長くない、さっきまで緑に染っていた木たちも桜が咲いている。

「何が起こったの……」

「改めまして、ここが僕の家である蒼海神社でーす」

「いや、神社の見た目も周りの木たちも何もかも変わってるじゃない……」

「桜好きなんだよね〜」

「桜好きなんだよね〜じゃなくて!何が起こったのよ!」

「普通に本来の姿に戻しただけだよ、派手なまま放置してたら何やられるかわかんないし」

確かに一理あるわね…ていうか蒼海神社って言ったかしら、もしかして……

「もしかして蒼海神社って私がいた世界にもある?」

「あー、それっぽいのはあるね」

「もしかして私の家の近くの……」

「多分そうだよ、君見つけた学校近かったもんね」

実は私の家の近くにちっちゃな神社があった、そこはボロボロで誰も近寄らないような神社だった、確かそこの名前は蒼海神社だったはず、風の噂で聞いた話だと創造神だか破壊神だか凄い神様が居ると聞いたことがある、願い事をすると叶いやすいとも……が、多分違うと思っていた、それが今確信に変わった、絶対こいつは凄い神様じゃない。あとボロボロ過ぎて心霊スポットみたいな感じで使われていた気がする。まぁそれは言わない方が良いだろう。

「普通に疑問なんだけどあそこにお供えされた物とかって貴方のとこに来たりするの?」

「来るよ〜置かれた時の状態の物がね、だから食べ物とかがもし置いたまま腐ったとしても僕の元には置かれた時の状態で来る。最近まじで0だけどね」

それは……そうだろう。でもちゃんと届くんだな、有名な神様のとこに行く時はちゃんとしよう。

「まぁ入りたまえ入りたまえ夜が来るぞ、夜は危ないからな、幽霊や妖怪がウロウロしてる」

「やっぱそうゆうの居るのね……」

「昔はこんなんじゃなかったんだけどなぁ……」

神社の中はちゃんと綺麗で生活には困らないような設備はしっかりしていた。水道とか電気とかどうやって通ってるのかしら……おかしい所としたらやけに食料が少ない所ぐらいでこれは食にあまり興味が無いから最低限あればいいという考えらしい。その後は普通に飯を食べて風呂があったので入って上がると布団が敷いてあった。まるで旅行に来たみたいね……そして私は布団に入り今日あったことを考えた。正直今日はここに来てからの記憶しか無い。変な神モドキに捕まって知らない世界に連れてこられて……これからどんなことが起こるか分からないし自分がどんな能力なのかも何もかも分からない。そんな現状に不安を抱きながら少し不思議な世界に来たということでワクワクした気持ちも抱いていた。そんなことを考えているうちに私は眠りにつき波乱と言えるであろう1日が終わった。


・美しい蝶々

「ここは…?」

目が覚めるとそこには桜が散っていた

目の前には大きな神社があり、小鳥も居る

上手く状況が理解できない。さっきまで私は研究所のようなとこに居た気がする…

「百合ちゃん?」

急に聞き馴染みのある声がする。その声は安心する声であり、気が和らぐと共に、懐かしいと思う気持ちがある。そして何故か涙が止まらなくなる。なんで?なんで涙が出てくるの?

すると目の前には綺麗な蝶々が舞い降りてきて、私を抱えた。蝶々が? いや、これは人だ、少し冷たく、人を軽々抱えれるとは思えない体つきをしている。あなたはいったい…光で顔がよく見えない、しかし私が知っている人だという自信がある。神社に入り、陽の光が無くなり、顔を見ることが出来た。あなたは……君は!


この作品を開いていただき誠にありがとうございます。私事ですがこの作品は初執筆かつ初投稿の作品となっております。なので文章に粗や変な所があるかもしれません。かつ、どういう風にあげたら良いのかも分かりません。こうした方がいいよ!や、こういう書き方にした方がいいよ!というアドバイス、指摘など参考にさせていただきます。否定が多くてもⅡは書く予定なので、出来ればそちらも見ていただけると本当に喜びます。長くなってしまいましたが、ここまで閲覧して頂き本当にありがとうございました!

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