新しいあさ
深夜三時
暗闇から萌え立つのは
まだ誰にも見えない夜明け
時はさらさら流されていく
未明へ
まわりには何もなく
星ばかりは数えきれない
知らない星座の星々
天の河が見えるほどの暗闇が
野山にはまだ残されている
遠くから轟く風の音
風の生まれた場所から、風の還る場所へ
空は巡っていく
秒速で
草むらを踏み分けて
道を作りながら歩いている
月あかりのない時間は
星だけが味方をしてくれた
昨夜の雨を吸って
草が呼吸している
目覚めの時間が近づいている
気づかないくらい静かに
でも、確実に
空から変わっていく
最初の朝霧が立ち昇る
鳥たちも起きて、蛙も起きて
虫たちも起きていく
犬も起きて、ひとも起きて
一日が始まるまでは、あと少し