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魔法少女と隕石と大型魔物

 この星の人口の十割は魔法少女だ。しかも自然発生する。私もそのうちの一人だ。


「リットちゃん! ちょっと待ってよー!」


「お前はいつまで経ってものろまだな。ピンク」


 魔法少女リミットブレイク、それが私の名前だ。このピンク髪ののろまは魔法少女ディフェンスピンク。防御特化の魔法少女だ。あとこいつだけなぜか飛べない。他の魔法少女は飛べるのに……どうしてだろう。


「しょうがないじゃん! 私、防御しかできないんだから!」


「はいはい」


 はぁ……今日も遅刻確定だな。私がミネラの木に体を預けると大きな隕石が降ってきた。


「ピンク! 何も言わずに全方位防御魔法使え!!」


「え? あー、うん、分かった。えーい!!」


 よし、これでこいつは確実に助かる。まあ、私が助かるかどうかは私次第だけどな!!


「マジカルキャノン発射!!」


 私のステッキから放たれた高出力の魔力砲はこちらに向かってくる隕石を貫いた。


「ふぅー。終わった終わった。というか、最近多いなー」


「リットちゃん、もう魔法解除していい?」


「え? ああ、もういいぞ」


「分かった。で? リットちゃんは何に向かって魔力砲撃ったの?」


「お前は知らなくていい」


「えー、いいじゃん。教えてよー」


「ピンク、もう一度全方位防御魔法使え」


「え? なんで?」


「いいから早く!!」


「わ、分かった。やー!」


 この世界には二種類の魔物しかいない。在来種と外来種だ。在来種は私たちより弱く外来種は私たちと同等かそれ以上だ。

 はぁ……たまに隕石と一緒に来るのは知ってたけど、なんで登校中に来るんだよ!! あー! 腹立つ!!


「マジカルキャノン! リミットブレイク!!」


 オーバーキルになるが確実に倒すにはこうするしかない!


「今すぐ! ここから! いなくなれええええええええ!!」


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 魚人型の大型魔物に私が放った魔力砲が直撃。その直後、やつは完全に消滅した。

 はぁ……リミットブレイクを使うと必ずオーバーキルになっちゃうなー。


「リットちゃん! またリミットブレイク使ったでしょ!!」


「朝から使うわけないだろ」


「嘘! だってリットちゃんのステッキから湯気出てるもん! 絶対使ってるよ!!」


 ちっ……バレたか。というか、よく見てるな。


「……やられる前にやっただけだ」


「そっか。でも、良かったー。どこもケガしてなさそうで」


「なんでほっとしてるんだよ。ケガしても魔法ですぐ治せるだろ」


「リットちゃん、魔法は万能じゃないって前に先生言ってたよね? それにリミットブレイクは普通の魔法より体力の消耗が激しいんだから何回も使ってたら早死にするよ。だから」


「なるべく使うな、だろ? 分かってるよ、そんなこと。でも、私はこれなしじゃやっていけないんだよ」


「たしかに今はそうだけど、いつかそれを奥の手にしようね」


「……奥の手、か。はぁ……なんかそうなる前に死にそうだな」


「リットちゃんには私がついてるから大丈夫だよ」


「いや、多分私は早死にする。だから」


「リットちゃん、不安なのは分かるけど、リットちゃんは一人じゃないんだから大丈夫だよ」


「そうかなー」


「そうだよ。ほら、早くしないと遅刻しちゃうよ。早く行こう」


「ああ、そうだな。よし、じゃあ、学校まで走るぞ、ピンク」


「あっ! ちょ、ちょっと待ってよ! リットちゃーん!」

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