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95 温泉旅行5

 観光を終えたワテクシ達は目的地のホテルへと到着した。 

 もちろん途中我等がヒナちゃんが調子に乗って温泉たまごを食いまくってリバースしたり、スワンボートでハシャギ過ぎたヒナちゃんが、温泉たまごの追いリバースしたりと、特に問題も無く順調で楽しい観光は出来た。


「にしてもだ。こんな立派なホテル一棟丸々かよ」


 眼前のホテルのデカいことデカいこと。どう考えても利益が出るとは思えん。


「……でっかい」

「アタシもっと民宿みたいなもんだと思ってた」

「びっくりです」


 三人も驚いてるようだ。なんせ検索しても出てこないから、前情報がまったく無かったからな。


 で、中に入ってみれば居るわ居るわの人だかり。つまりコイツら全員ゲームユーザーって事だよな。

 当然ながら誰が誰だかサッパリわからな……ごめん。初見でわかるのいたわ。だってハゲてるんだもん。隣りの女性に怒られてんだもん。


「アレ和尚さんだよなきっと」

「……怒ってるのが澪さん?」

「あの人はあの人でブレ無いな」

「でもなんかホッとしますね」


 なんであれ触らぬハゲに祟りなしだ。ハゲはほっておこう。


「おっと! 今度は見知った顔だ。おいおまい等、蘭華だ。行くぞ」


 次に目に付いたのは華やかな一団。女性のみの軍団花魁道中だ。蘭華や麗さんは何回か実際にあって遊んだ事もあるからな、こういう中で顔見知りがいると少しホッとするな。


「お〜い蘭華、おはようさん」


「あらおやびん。随分ゆっくりね、観光でもしてきた?」


「まあな。せっかくだ――――」


「小夜ちゃぁぁぁん!!」

「ヒナちゃんもいるぅぅぅ!!」

「優くん優くん優くぅぅぅん!!」


 どわぁっ!! ワテクシ達をみた道中のお姉さん方が小夜達を取り囲む! 可愛がられてたのは知っちゃいたが、これ程とは…… でもなんだろう、おやびんさぁぁぁぁん!! てのは無いんだな……


「ん? なんだ蘭華? なぜ裾をちょいちょい引っ張るのだ?」


「おやびんさぁぁぁぁん!!」


 抱きついてきた。


「そんな悲しい目をされたら仕方無いでしょ」


「おまいエエ奴やなぁ…… 食え! たけ◯この里食いなせ!」


「ありがたくいただくわって! 2個しか入って無いじゃない!!」


「ハッハッハッ。許せ!」


「ったく、このオヤジはホントに。ほら、小夜ちゃん達は見ててあげるから、ラウンジにお姉様いるから挨拶してきなさい」


「おっとそうだな! 御礼もしっかりせねば」


 さて麗さんのとこへ向かおうとしたら、


「おおおやびん! アタシも行く行く!」


 囲みの中から日向が這い出てきた。エライ焦燥しとるな。もみくちゃに耐えられなかったか。


「ほいほい、ついておいで」


 ヒデェ目にあったとブー垂れる日向を連れていざ麗さんのもとへ。

 そこにはお高そうな着物をお召しになった女性が、物憂げにティーなどをシバいている。麗さんである。後ろにゴツい黒服が二人控えている姿は、道を極めた方々の妻風味満載であるが。


「麗さんお疲れ様です」


 近付いて挨拶するとワテクシ達の前に出る黒服二人。それを麗さんが制する。


「いける。知り合いどす」


 スッと身を引く黒服。満足そうに頷くと、


「おやびんお疲れやす。そちらのお嬢はん日向ちゃんやん? かんにんえ、驚かしてもうて」


「あっ、はい。アタシは全然大丈夫っす! ちょっと怖かったけど、怖い顔はおやびんで慣れてるから」


「おまいなぁ…… こんなナイスガイつかまえて何を言ってるんだい? 失敬だな」


「アッハッハ! そやさかいおやびん、年中言うてるやないか? あんたはもっとカジュアルな格好したらええのにて。懲役明けの鉄砲玉みたいな格好してるんやさかい」


「麗さんまでヒデェなぁ。自分だって背中に鯉とか泳いでそうな見てくれしてるくせに!」


 黒服の顔がヒクヒクしてるが、麗さんはケタケタ笑ってるから大丈夫だろう……きっと。


「いやいやしかしびっくりしましたよ、着いたらこんなお高そうなホテルで! ホントに大丈夫なんすか? 売り上げとかぶっちゃけよくわからんのですけど」


「あんたも大概気にする人どすなぁ。まぁそうどすなぁ、正直に話しまひょ。実はここ、前オーナー二月ほど前に畳んでるんどすえ。そこをうちが買い取った。ほんで改装して新たにオープン予定やで。その準備期間中ならいけるって事なんよ。無理に貸し切りにしたってわけとちがうさかい、心配せんと」


「なるほど、タイミング良かったって事か。何にせよ骨折って貰ってありがとう御座いました。ホレ、日向も感謝せい」


 後ろに立ってた日向も深々とお辞儀する。


「ありがとう御座いました!」


 エエてエエてと、ヒラヒラと手を振る麗さん。貫禄ですなぁ。

 麗さんに一通り挨拶を済ませて小夜や蘭華達の元へ戻ると、なんかロビーが静まり返っている。


「なんだコレしんみりして? お通夜か? みんなして糞でも踏んだのか?」


 ワテクシが聞いてみると蘭華が呆れ顔で応えた。


「あのねぇ…… アンタと麗さんが膝突き合わせて話してるシーンて、どぉぉぉぉ見ても堅気じゃないのよ! 片や後ろに黒服、片や後ろにジャージの子! 何かの取り引きにしか見えないのよ!」


 テヘッ! どうりで周囲の視線が痛いと思ったや! こんな視線平気へっちゃらだい! シクシクシクシク…… 



 


 

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