90 遊び人
「おい〜っす」
「あ! 来た! おい〜っすじゃねぇよおやびん。3日もほったらかして何してたんだ?」
そう、実は3日ぶりのログインだったりする。日向が文句ブーブーだ。豚さんかな?
「お気に入りのRPGの新作が出たのよ。世界を救ってたんだ」
「おやびんに救われる世界ってのもたまったもんじゃねぇな。パンツとか要求されそうだ」
「パンツですむなら安いもんだろ? むしろ良心的って言ってもらいたいね」
「パンツ要求は否定しないんだなw」
「お、女戦士のパンツ……ハァハァ……」
「や・め・ろw」
ひとしきりキモオヤジムーブをかましてると、ふと思う。
「日向は戦士だな」
「なんだよ急に?」
「RPGのジョブで言ったらよ。女戦士だなって」
「……わたしは?」
「小夜か? そりゃ魔法使いだろ。とんがり帽子似合いそうだしな」
「じゃあじゃあ、僕はなんですか?」
「優は…… 難しいな。真面目だし僧侶ってとこかなぁ」
そう考えるとバランス取れたパーティーだな。そこにワテクシが加わるとしたら。
「となるとワテクシはもちろん勇――――」
「「「遊び人!!」」」
へへっ。目からしょっぱい汗が流れ落ちらい。
「ちくしょう! 遊び人は将来性あるんだぞ! 賢者になるんだぞ!」
「……賢者タイム?」
「そうそう1発抜いたらコギト・エルゴ・スム…… って違うわっ! 賢者タイムなんて言葉憶えるんじゃありません!! ほら! そろそろ軍バトだぞ!」
アホな事を言ってりゃ本日も軍バトの時間だ。さてさてお相手はっと。
「あちゃー、蘭華さんとこだ」
「タフな戦いになりそうですねー」
「……魔王降臨」
「ハッハッハッ! いいじゃねえか魔王上等だろ! ワテクシ達、勇者いないけど勇者パーティーにゃおあつらえむきだ!」
そんなわけで始める軍バト。花魁道中にはここんとこ負け続きだ、いっちょやったるかい!
「戦士日向はスキル鼓舞を発動した! 攻撃力が上昇した!」
「……魔法使い小夜は落雷の魔法を唱えた。敵の防御力が下降した」
「僧侶優はスキル激励を発動した! 防御力が上昇した!」
「遊び人おやびんは真火計を唱えてみた。しかし何もおこらなかった……」
なんか良い感じに計略がハマってるなこれ。無駄にみんなノリノリだ。
「戦士日向の攻撃! 敵を蹴散らした!」
「……魔法使い小夜は火計を唱えた。敵を蹴散らした」
「僧侶優はスキル医療を発動した! 防御力が上昇した!」
「おやびんはとてつもなく禍々しいものを呼び出してしまった…… おやびんは逃げ出した」
や、やべぇー、やっちまった!
「ちょちょちょ! なんか蘭華さんメチャクチャ攻撃が激しくなったぞ!?」
「……おやびんなんかしたの?」
「あ、いや、蘭華ログインして無いと思ってバカとかハゲとかワキガとかヘンペー足とか煽り散らかしてたらログインしてて…… それがもうブチギレ金剛w」
「アンタなにやってんだよ!」
「だってほら、立ち位置遊び人だし!」
「……ああ、防御デッキが簡単に割れる」
「回復が追いつきませーん!!」
魔王改め破壊神蘭華の逆鱗に触れたなんちゃって勇者パーティーは、またたく間にボコボコにされるのであった。
「「「「おーたーすーけー」」」」




