89 平常運行
「こんにちはおやびんさん。お久しぶりです」
ワテクシの個人板に話し掛けてきたのはか〜くん。以前、喧嘩屋リッキーを軍メンにして散々な目にあったユーザーだな。
「おお、か〜くん。軍団名は確かチョメチョメだっけか」
「違いますw ぴゅあ♡ぴゅあです! なんでそんな卑猥な軍団名なんですかw」
「いやいやこれは失敬。で、どうかね? 嫁さんとは仲良くやってるのかね?」
このか〜くん、実嫁のみ〜ちゃんと二人で仲良くプレイしているのだ。
「はい、おかげさまで」
「それは良かった。爆発しれ」
「え?」
「え?w」
リア充いぢりは欠かさない。これはハムラビ法典でも記載されてるお約束だからだ。決してやっかみでは無い。羨ましくなんか無い。爆発を切に願うだけなのだ。
「まぁまぁまぁ。ご夫妻の爆発はさておき、なんか用かね?」
「さておいて良いような気がしないんですが、まあいいか。こないだのイベで真火計でたんでトレードしたいのですけど。おやびんさんは旧鼓舞か旧激励三枚とトレードしてくれるって聞きまして」
「してますしてます! 計略トレードのご指名ご用命は是非このおやびんめに! 略して計略トレードのご指名ご用命は是非このおやびんめに!」
「まったく略してないじゃないですかw えっと、それじゃ呉激励を三枚欲しいのですが?」
「呉激励ありますよぅ。あれ? でもか〜くん魏じゃ無くていいの?」
「ああ、これは嫁にプレゼントするんです。もうすぐ誕生日なんで」
「なんだいなんだい素敵な旦那さんじゃないのさ! まったくもう見せ付けてくれちゃって! 爆発しれ!」
「え?」
「え?w」
こうしてリア獣か〜くんは去って行った。お二人の今後益々の健やかな愛情と爆発を祈るのみだ。
ともあれ真火計がまたもやゲット出来た。真計略実装以来トレードに勤しんでおるのだが、案外売る人が多いのは嬉しい誤算だった。これは旧計略の時もあったが、自分のデッキに付けても目覚ましい効果が得られないってやつだ。
ワテクシとトレードすると旧計略三枚だからな、如実に火力アップするのよ。
でもおやびんなんでそんなに計略もってるの? って思うだろ? そりゃおまいさん、このおやびん舐めていただいては困る。水面下で普段から計略売りに出してる人見掛けちゃ買い漁っていたのさ。
もちろん廃課金者の成り金トレードで相手の印象も爆上がりさ。
おかげさまで結構なユーザーからトレードの相談を受けるようになってたりする。トレードに困ったらおやびん商会! ってなもんよ。
「なんだよおやびん随分トレード順調みたいだな」
軍板に日向が書き込んできた。
「あたぼうよ、ワテクシを誰だと思ってやがる」
「はいはい。そりゃおみそれ致しました。んで、アタシ達におこぼれは無いのかよ?」
「おまいねぇ…… 普段から散々カードだ計略だ、しゃぶしゃぶだとくれてやっとるじゃろがい。むしろたまには御礼ですって脱ぎたてパンツ寄越すぐらい出来ないもんかね」
「……でた。パンツ職人」
「おい小夜、パンツ職人てなんだよ! 光栄じゃねぇか!」
「光栄なのかよwww」
「でもおやびんさん、年がら年中パンツ寄越せって言ってますけど、貰ってどうするんですか?」
「良い質問だね優くん。それはね、嗅いだりかぶったりして堪能するのだよ」
「リアルに答えるんじゃねえよおやびん! 普通にキモいだろ!」
「褒めるなよ」
「褒めるてねぇよ!」
「あ、あの、男の僕のもですか?」
「ん? むしろ優のは窒息するまで深呼吸を……」
「本気でキモいからやめろって!!」
「だから褒めるなよ!」
「褒めてねぇんだって!!」
メデジン・カルテルは今日も平常運行である。




