80 おやびんブートキャンプ6
「サー! それでは本日も17:00より特攻隊出撃します! サー!」
「ああ、今日も一番槍よろしく頼む!」
軍板にて、軍バト十分前ミーティングである。今の出撃志願はパパ。以前ヒロと命令無視で軍バトを凸って叱られた人だ。
彼等はそれくらい軍バト好きであり、楽しみにしているので、待たせるのも悪いから特攻隊として先陣を斬らす事にしたのだ。そしてその特攻隊には共感を得る者が数名参加している。実力的には無課金ながらもイベントをしっかりこなし、デッキ造りもきちんと理解している中級よりやや上と言ったところか。先鋒としては申し分ない戦力だ。
「サー! トーコ、マキ隊、20:00より出撃します! サー!」
「サー! 同じくこうちゃん、てっつん隊も出撃します! サー!」
まぁそんな感じで軍バト参加時間を小隊毎に割り振る形で進めている。なんやかや言っても皆んなリアルな生活があり、インしやすい時間に無理なくやって貰うためだ。
もっとも、これはベッドルームのような大きな軍団で戦果を挙げられる作戦である。更にはかなり一枚岩じゃないと難しくもあるかな。
因みに我々メデジン・カルテルのメンバーは軍バトには参加していない。あくまでこれはベッドルームの訓練であるからな。
この作戦の肝は波状攻撃にある。実際軍バトは17時から23時までの長丁場。頭から尻まで戦い続けるのは結構しんどい話である。しかしながら、軍団を小隊毎に分けて波状攻撃にすれば、1時間なら1時間、こじっかり集中して戦い、後は次の小隊にバトンタッチすれば良いのである。
相手サイドにしてみれば頭から途切れる事なく攻撃に晒され続け、休まる暇のない軍バトを強いられる事となる。
少々強者寄りのデッキ持ちでも、人数の少ない軍団だと数の暴力の前に飲み込まれてしまうのだ。
「サー! 19:00特攻隊、一旦戦線を離脱します。後は各自休憩後、個々の判断で復帰します! サー!」
「了解。先陣御苦労。30人軍団相手に良くかき回してくれた、ゆっくり休んでくれ」
特攻隊は10名程度なれど、全力攻撃ともなれば人数格上の軍団でもうかうかしていられない。さすがにやや負け込んでいるが、頭から全力という我々の恣意行為を見せ付けるには十二分な戦果だ。これで相手はケツまで軍バトに休まる暇が無いことを知る。相手によってはここで白旗を上げる事もある。
「……どうした? 特攻隊が抜けたらその程度か貴様等?」
「小夜教官の言う通りだぞ! 明らかに手数が減ってるぞ!」
特攻隊は戦闘力も戦意も高めな人達で纏まっているから、そこは若干仕方無い事なのだが、そう思ってしまっては、そこに甘えがでる。自分達では仕方無いなどと思うようになってはダメなのである。なので小夜や日向の教官達はあえてハッパを掛けているのだが、目覚めたあの人は……
「本気を出せと言っているんだ貴様等ぁ! なんだそのへなチョコポチは! ジジイのファッ◯の方が余程気合いが入っているぞ!」
「サー! 優教官すいません! 頑張ります! サー!」
アイツはドSなのかな? 生き生きしとるがな……
「サー! ポコチン四天王、これより出撃します! サー!」
「よし、遊軍宜しく頼む!」
そんな中、出撃したのはけんご以下4人のポコチン四天王である。コイツらは比較的頭からケツまで自由な時間に参戦出来るポジションにいる。その為、戦局の怪しい時間や、一気呵成に攻める時に遊軍として参加している感じだ。
今現在、やや押され始めたので巻き返しを狙って参戦したのだろう。戦局眼は案外悪く無いので助かるな。
そして更に時は進み、22時ともなれば、
「サー! しゅうへーめがね、豚さん隊出ます! サー!」
「サー! 今日は間に合いました! ミカ・リン・モモ隊も出撃しまーす! サー!」
古参面子や新人さん達も、大人数が参戦する怒涛の大詰めとなる。
回復酒は、ある程度はワテクシが面倒見てあげてるので、みんな財布の心配なく楽しめてるのもデカいだろう。
こうなってくるともう、戦局は一気に傾く。23時の終了を待たずして相手から白旗が上がった。
「よーし。貴様等良く戦った。22:15現刻を持って相手の白旗を確認。我々の勝利だ」
「やったー!」
「余裕だぜ!」
「トーコさんマキさん! やりましたよー」
「ミカちゃん達、最後頑張ってたもんねー」
皆んなで力を合わせた勝利というのは、ホントに嬉しく楽しいものなんだ。以前ギスギスしていた軍板からは喜びのコメントが溢れている。アホな軍団と他の軍団には言われ始めたが、ベッドルームはこれくらい和気あいあいの軍団が丁度いいんだ。




