71 デッドオアアライブ
運営さんの粋な計らいにより、レイドボス撃破報酬で回復酒を荒稼ぎ。
と思えたのは無課金者で序盤、微課金者で中盤から後半まで。廃課金者ですらレベルが天井まで上がったレイドボスは、特効カード数枚程度では歯が立たず、回復酒を垂れ流す普段のイベントと変わらなくなってしまっていた。
「こりゃちょっとアタシは走るのやめるかな」
「……カッチカチ」
「一体倒すのにも時間掛かりますしね」
「もまいらの特効数だとそりゃキツイよな。ワテクシでも撃破に酒2個必要だもん」
ただ撃破すりゃほぼ1個帰ってくるから実質損益は1個なんだが。
「6枚持ってるおやびんでもかよ。やっぱりアイテムウハウハイベントにはなんないのかぁ」
「……コスト0ぶんの初撃だけしてあとはおやびんの援護にまかす」
「あ! それいいですね! 僕もそうしようかな。順位は狙え無くなるけどお酒増えそうですし」
「そうかそうかなるほどな! 小夜、でかしたぞ、その作戦は大正解だ。もまいらの特効カードワテクシによこせ」
「え〜! ヤダよ! 倒すの余計に苦戦するじゃん」
特効カードを渡したら倒すのに余計苦戦する。至極真っ当な意見の日向に対し、
「……なるけど。そういう事か。おやびん特効トレード出した。受け取って」
「え? 小夜、お前特効渡しちゃったら……」
「僕もトレード出しました。日向さん、コレでいいんですよ。今回はたぶんウハウハ狙い出来ますよ」
「すまんな日向。確かに特効無しじゃ倒せたもんじゃない。でもそれは1枚2枚あっても焼け石に水だよな? ただワテクシにまとめれば10枚になる。ワンパンはキツイかも知れないが酒1個使用なら実質トントンだ」
「あ! そういうことか! 援護要請だけで全部おやびんに倒して貰うんだな!」
「正解だ。もまいらに関しちゃコスト0で終わらせる以上、倒せば倒す程潤う。それでもまぁ懸念点はある。ワテクシがインして無い時間はもまい達は何も出来なくなるんだ」
「……おやびんにおんぶに抱っこ作戦だからね」
「どのみち僕達ではどうしょうもない状態だったからそこは我慢します」
「そうだな、なるべくおやびんと一緒にイン出来る様にするか」
「ワテクシの活動時間は大体一緒だからな、意識しとけば合わすのは簡単だろ。念の為居ないときは司令官カードを武器カードに変更しておく」
「……それならわかりやすい」
と、言う訳でおやびんにおんぶに抱っこ作戦は始動した。
この作戦はハマりにハマり、我等がメデジン・カルテルの懐事情が爆発的に跳ね上がる事となった。
「おやびんの撃破スピードが早すぎて援護要請出しがおっつかねぇw」
「いや、まさかワンパン出来るとは思ってなかったな。特効様々だ」
そう、10枚特効でワンパンになったのである。これで撃破速度が極端に跳ね上がりもはやレイドボス出しのパサー3人が目を回している。
「援護要請しましたよーって!? もう撃破されてる!! ひぃ~」
「……もくもく。もくもく」
「小夜、もくもくとアピールはいいからさっさと援護要請頑張れ」
「……あは、休んでるのバレた。援護要請のほかに、ヒナちゃん達の援護にもいっちょかみしなきゃでほんといそがしい」
「ですね、急がないとおやびんさんに倒されていっちょ噛み間に合わなくて」
「流石にみんながいっちょ噛みするの待ってると回転率下がって、逆に儲けが減るからな。そこは我慢汁してくれ」
「我慢に汁つけるなよw」
そんなわけでメデジン・カルテルはこのイベント大忙しとなったのである。




