60 おぱんてー野郎
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねアーッハッハッハッ!!」
「ちょっとおやびんさん怖いです」
おっといけない。地が出てしまった。笑いながらリッキーをボテクリ回すその狂気に優がビビってしまったな。
「すまんすまん。お死ねあそばせお死ねあそばせお死ねあそばせお死ねあそばせお死ねあそばせオーホッホッホッ!!」
「お嬢様風に言っても怖いですよっ!」
なんだよ。せっかくマイルドに言い変えたのに。
てなもんで、軍バト自体はもはや負け確なんだが、それでもリッキーのみをひたすらシバきあげ倒す。こんな害悪はケツ毛までひん剥いてやるぜ。
と、そんな中で和尚さんからのコメントが届いた。
「おやびんさん! リッキーとの確執は理解してるんですけど、どうかその辺で勘弁してあげて貰えませんか?」
「やだよーん」
「ちょwww」
「つーか、なんだって和尚さんはこんなバカ仲間にしたんよ?」
「まぁ、こう見えても御仏につかえる身ですからねぇ、許しを請う者をぞんざいに放ってしまうのも」
「何か坊さんみたいな事言ってんね」
「だwかwらw 坊さんなんですって!」
「でもぉ、コイツは糞だよぉ? 被害者がどんだけいるか知ってんの?」
「それはホントに耳に痛い話しですけど、ここは1つ、私の顔に免じて、ね?」
「ハゲちゃびんのバカ面に免じる程の価値があるのかね?」
「普通に酷いwww」
「まぁ、和尚さんがそこまで言うならやめてもいーけど、ちょいと条件はある」
「何ですか? 慰謝料代わりの全酒とからならそれなりに渡せますけど」
「ちゃうわい! 売るほど持っとるわ!」
「ですよね。筆頭廃課金者w」
「あんだけの事しでかして、大したお咎めもなくシャアシャアとプレイしてたらアカンと思うの」
「つまり何らかの罰則なりをって事ですか?」
「そそ、ワテクシの考える罰を飲めるなら許す」
「ど、どんな罰でしょう?」
「おぱんてー野郎リッキーにハンネ変更www」
「酷いwww でも、そうですね、それくらい飲まないといけませんよねぇ…… よし! 飲みますってか、飲ませます! おやびんさんの罰ってなれば被害者達も納得しそうだし」
「では、おぱんてー野郎は許しましょう」
「すいません、絶対に変えさせますんで」
フム、和尚さんもなんやかや人が良いやな。リッキーなんざ救ってやる義理なんか無かろうに。
「コイツめ! コイツめ!」
「あ〜、優さんや。リッキー退治おしまい。ちょっと和尚さんと話して、手打ちにした」
軍団板に戻れば優が一所懸命リッキーをシバき上げていた。なんか可愛い。
「え? あ、そうなんですね、じゃあ攻撃やめます。どんなお話しされたんですか?」
「愉快痛快な罰を試行する事で鉾を収める事にしたんよ」
「愉快痛快ですか…… なにかまた突拍子も無い罰を考えたのですね」
「なぁに、そんな構える程のこっちゃ無いさ。暫くリッキーに注目しててみん? そろそろだと思うぞ」
「注目ですね、わかりました」
流石の和尚さんも説得が難航してるんだろう、未だにハンネは変更されていない。そりゃおぱんてー野郎は無いわなwww
ただ、退路のないリッキーが承諾するのは時間の問題でしかなかった。
「おおお、おやびんさん! リッキーが! リッキーのハンネが!」
「ヒャッヒャッヒャッwww 見ろよ優! おぱんてー野郎だってよwww バカだ!! コイツマジもんのバカだぜぇwww」
「ぼ、僕は絶対におやびんさん怒らせるのやめます……」
かくして、喧嘩屋リッキーは、おぱんてー野郎として再デヴューを果たした。突き抜けて強烈な為に、ちょっとした人気者になるなんてこの時は思いもしなかったが。