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6 和尚さん

 とんがれ〜、とんがれ〜、ぬはっ! またRや!


 真っ当な廃課金者たるもの、定期的にガチャらないと指先に震えが生じるので、恒例行事の如く爆死する日々ではある。ガチャ中毒者(ジャンキー)街道まっしぐら待ったなしだ。


 ガチャ爆死の腹いせはアマゾネス軍団の女の子達にセクハラするのが慣わしでもある。


「すいませーん、おっぱい下さーい」

 

「ちょw おやびんさんまたガチャ爆死ですか?」


「うーん、REX改がこれでもかと出ない」


「それはそれは。でも逆にそんなにホイホイ出てもどうかと思いますけどねぇ」


「そりゃまそうなんだが、欲しいもんは欲しい」


「わかりますけど、課金は程々にしましょうね」


「はーい」


 軽くあしらわれる辺り、ワテクシなどより対応が大人である。


 そんなある日のこと。


「こんちはおやびんさん。和尚と申します」


 和尚さんが訪ねてきた。あ、いや、もちろんゲーム内のハンドルネーム(ハンネ)が和尚って話だ。アバターもしっかりハゲ頭に袈裟を着た和尚スタイルだ。和尚ロールプレイなのだろうか?


「ホイホイこんにちは。和尚さんの名はかねがね」


「知ってもらえてましたか、恐縮です」


「破戒僧として有名人ですよw」


「な!?」


「中々に凶悪なデッキだとか」


「いえいえ、トッププレイヤーの足元にも及びませんよ」


 謙遜しちゃいるが、実際かなりの強者である。間違いなく狩る側の人間だ。


「ところで、何か御用ですか?」


「いえいえ、特段、用と言う事でも無いです。いつもおやびんさんが色んな方と絡んでいらっしゃるのを見て、面白い人だなぁと。自分も1つ、仲良くしてもらおうかと」


「それはもう、ぜひぜひ。とは言ってもワテクシの絡みってアホコメばっかりだと思いますけど……」


「それがいいんです! うち軍団の人達はみんな真面目でして、なんかアホコメなんか出来ない空気で…… そこいくとおやびんさんは、年中パンツだおっぱいだと楽しくしていて羨ましいなぁと」


「ワテクシ、そんなに年中パンツやらおっぱいやら言ってます?」


「言ってますねぇ、アマゾネス軍団へのウザ絡みは大爆笑してますよw」


「お! 和尚さんもおっぱいイケる口ですか? なんなら今から一緒に藍華におっぱいテロしてやりましょう!」


「おっぱいテロwww 魅力的な響きですw」 


「いいですか、コメの恥はコキ捨てです。やり場の無いエロスを解放するのです。さぁおっぱい解脱!」


「おー! おっぱい解脱!」


 と、言うわけで早速藍華のコメ欄へと出向く。


「おーい藍華ぁ、いるかぁ? いるならおっぱい出せぇ」


「な・ん・でおっぱいwww」


「藍華さーん、自分にもおっぱい下さーい」


「ちょw なんで和尚さんまでいるのぉぉw 一体おやびんに何を吹き込まれたのぉ?」


「違います。これは魂の解放。おっぱい解脱なのです」


「そうだぞ藍華。和尚さんは今、おっぱい解脱に勤しんでいるのだ、わかったらさっさとおっぱいを差し出せ! 3つ差し出せ!」


「2つしか無いし!」


「「おーっぱい! おーっぱい!」」


「2人しておっぱいコールすんなしwww てか和尚さん、おやびんにそそのかされてそんな事してると、軍団の人に言っちゃうよ」


「え!?」


「さらば和尚さん。ワテクシはなにも知らない」


「え!? ちょっとおやびんさん!?」


「和尚ぉおぉぉ!! 他人様のとこで何をやってるんですかぁぁぁ!!」


「言うまでもなくバレてるしw」


「ま、待て、誤解なんだ、これはおやびんさんと一緒におっぱいテロを……」


「何をふざけた事を言ってるんですか! すいません藍華さん、和尚にはきちんと言っときますんで」


「うちは全然へいきー。おやびんで慣れてるしw」


「さぁ、和尚! 軍団板で説教ですからね!」


「いや、だから誤解なんだ! ちょ、おやびんさーん」


 さようなら和尚さん。君の勇姿は忘れない。

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